179 来てしまった王城への招待?
時系列が前後してしまいますが、ケビン達が王都に戻ってきてからの話です
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王都に戻ってきた。アルバート様とレオンは王城に帰っていった。レオンは特に渋々帰っていった。まだ一緒にいたい、ここに住みたいといっていたよ、レオーンさーん。
しかし、本当に王城に呼び出されるのだろうか?やだなぁ。
レオン達が帰る前に、リルとクルを母様、ジュリ、ルーナに紹介した。ジュリは大喜びだった。勝手に大きくなったリルの背に乗せてもらっている。勝手に大きくなるなと言われているのに、調子に乗り、部屋の中だからいいであろうってそういうことじゃない。まぁ、ジュリが喜んでいるからいいけどね。
商会王都支店をオープンした後領地に帰る予定なんだけど、やっぱりオープン前に一旦帰ろうかな?
今後の予定を伝えよう。
王都支店のオープン。領地に帰る。領地の視察。公爵様達と競馬について話し合い。当分公爵領、王都、領地を行ったり来たりするだろう。騎士団対抗戦。そして競馬開催。
なんだか忙しいような気がする。
「父様、一旦領地に帰ろうと思うのです。領地の様子が知りたいです」
「そうだな。ただ、アルバート様達がリルを連れて王城に帰っていっただろう。クルに会わせてほしいと言われる可能性があるんだよ。我々もあまり行きたくはないが、はぁ」
「クルだけ遊びに行けばいいんじゃないの?サッと行ってサッと帰ってくれば?ねぇ、クル」
「あんた、酷いわ。私を1人だけ行かせるつもりなの。薄情な飼い主ね」
クルさんや、契約者じゃなく飼い主と言っているよ。僕の頭の上に乗らないでおくれ。それも頭を抱えるようにしていつでも爪を立てられるようにするのはおやめください。
「わ、わかったよ、いつでも一緒だよ」
「わかればいいのよ、わかれば」
ビシビシと頭を叩くのもおやめください。みんな笑ってないで助けてよ。
数日後、王都支店の準備を忙しくしていると、父様宛に手紙が届いた。そっと手紙が置かれていたのだ。怖い!誰が置いたの!
父様が恐る恐る開けると、手紙の内容が王宮へ招待する前に話が聞きたいという王太子ケンドリック様からだっだ。極秘裏に頼むと書いてあったらしい。
「寄親のボールドウエッジ公爵様へも届けられているそうだ」
ライアン様とその極秘裏会談?が一緒ならありがたい。
使者って誰だろう。
「母様、大丈夫ですか?僕がピタッとひっつき虫をします。母様を守ります!」
「ぼくもかあさまをまもる!」
ふんすと腕組みして、自信満々に母様を守る騎士のように宣言している。かわいいぞ、ジュリ。
2人で母様に抱きついた。
「ふふふっ、かわいいナイトが2人もいて頼もしいわ。嬉しいわ」
またかわいいと言われたがここはスルーしよう。母様に抱きついているのでまぁいいや。今は可愛いケビン君だ。父様、兄様達が呆れた目で見ていた。スルー一辺倒。
「メルシー、大丈夫か?王城へは私とケビンとクルだけでも行くが?」
「ルーク、いつもありがとう。でも、家族みんながいるから大丈夫よ。こうしてケビンとジュリが守ってくれるんですって。ふふふっ、頼もしいわ」
「わかったよ、みんなで一緒に行こう。ケビン、ジュリ、クル、母様を守ってくれ」
「「「はい(あい!)(はーい)」」」
ギダン達がこちらで新型馬車を作っていたのでそれに乗っていく。ライアン様の馬車も総出で今作っている。これに乗って王城に行くのだ!
「父様、お土産もっていったほうがいいですか?」
「は?お土産?い、いや、要らないのではないか?」
「でも母様のお兄様でレオン達のお父様、王太子様と母様は仲が良かったんだよね?母様のお祖母様、僕たちにとっては大お祖母様も母様のことを心配しているんだよね?」
「そうね、いつも気にかけてくれてわ。表立ってしてあげられない不甲斐ない兄ですまないといつも嘆いていて、気にしなくていいのにね。お兄様達とお姉様は心配して、今でも手紙を送ってくれるわ。お祖母様が最近体調がすぐれないということが心配なの」
そうなのか、大お祖母様は体調がすぐれないのか。元気になれるポーションでも渡そうかなぁ。美容系は全部渡すけど。後はショールなど羽織れるものはどうだろうか。快適に寝られるように寝具かな。あとはシマエナガのぬいぐるみ、それともカメか?亀は万年、鶴は千年というからカメでも作ろう。亀の神様は玄武はちょっと怖いかな。ゆるキャラ風に作れば可愛いよね。たぶん。次々とお土産が浮かび上がってくる。そう言えば?
「母様、大お祖父様はいないの?」
「お祖父様もいるわよ。とても元気な人よ!タイプはお義父様のような感じね。仲が良かったわ。今も鍛錬に励んでいると思うわよ」
あの爺ちゃんと一緒は脳筋タイプか!母様がそれ以上何も言わずに微笑んでいる。脳筋確定だな。筋トレ一式セットがいいかな。
より元気でいていただくように赤いチャンチャンコ、いや、チャンチャンコではなくこの世界なら赤いベストと赤い帽子だな。
えっ?違う?でもなぉ、赤は生命力やエネルギーを象徴する色であり、悪運や病気を遠ざけ、幸運を招くとされているし、じいちゃんばあちゃんの健康や長寿を祈り、再生や新たな始まりを祝うために必要不可欠アイテム。
大お祖父様に着させて流行らせるか。ニッヒッヒッヒ。
「また邪な、悪どいことを考えているわよこの子。パパさん、ママさん、この子をしっかり管理しないと守銭奴になるわよ。可愛げのない男になってしまうわ」
痛い子を見るような目で見ないでくれ。それにクルさん、パパ、ママ呼びは前世の用語だよ。
「ケビン、これ以上忙しくしなくていいからね。まだ始まっていない商会のことを着実に行っていこうな。今あることをしていこう。まだ新しいことは考えなくていいから」
父様が切実に訴えた。みんなも頷いている。特に事務官のブラッド、トルシエ、ローガンは大きく頷いている。
まぁ、お土産は僕の方で勝手に決めて作ってしまえばいい。ススっと渡してしまえばいいのだから。お土産を考えるのは楽しいな。現、国王陛下、王妃様、お祖父様とお祖母様にはどうしようかなぁ。大お祖父様たちや王太子様にお土産を渡して、国王陛下には渡さないのも不敬だよね。うん、後で考えよう。
これから公爵様と相談らしい。父様ガンバ!




