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168 東地域の海散策

 楽しみにしていた海散策。ウルン、ウルルン、ニンギョ、ヒメ、ウオマル達やその他大勢の精霊を連れて、洞窟や海の散策に行くことになった。海精霊達がいるので事故に遭わないので安心だ。料理長トーマスやランドル兄弟が潜っていても海精霊達が付いていてくれたんだって。ありがたいよ。


 僕は夜な夜な内職をしていた。箱メガネと浮き輪(子供達がスイミングで使用するアーム)とライフジャケットを作っていた。海に入るんだ!


 イーサン兄様には船につけるモーターを今後考えて欲しいことを伝えた。手漕ぎしないでモーターで動けば楽になるよねって。


「ケビン、いつも簡単に言うけど、どんどん作って欲しいノートが増えていくのだがな。はぁ。どんな構造なんだ?」


「え?わかりません。えーと、プロペラをクルクル回すモーター?とかジェットで押し流す?かなぁ?ジェットはブワーって感じ」


 ジェスチャー付きで言ってみた。


「ふーん、わかった。考えてみるよ」


 えー、あの説明でわかるの?わかるの!


「ドバイン様やランドルフ達に相談すればもっと画期的なものを考えだしてくれると思う。俺が思っている構造かどうか早速魔鳥で相談して考えてみるよ」


 イーサン兄様かっこいい。でも行動が早すぎやしませんかね。魔鳥で知らせるって。もう?


 頭を撫でられながら話を聞いた。


「ケビンが言ったものは全て魔鳥で知らせているんだ。そうじゃないと追いつかない。その構造が別のもの作ることに役立つこともあるんだ。だから情報共有をすぐするようにしているんだよ。ふふふ、これを知らせたらまた忙しくなるよなぁ」


 イーサン兄様が物思いに耽ってしまった。確かにこのことが別の物を生み出す突破口になることもある。さすがだ、兄様達。飽くなき探究心。また、夜遅くまで話しているんだろうなぁ。睡眠は大事だよー。話に加わって欲しいと言われているけど、途中寝てしまうんだよ。僕は構造はわからないんだよぉ。役立たずでごめん。


 今日は手漕ぎ船で移動だ。浅瀬なのでここで登場、ハコメガネ。青い猫のように言ってみた。誰も相手にしてくれないのか?


「ケビン、それなぁに?」


 レオンが相手してくれるのか。お子様同士で遊ぼう。


「これをね、水面につけると海の中が見えると思うんだ。多分」


「えー、見たい、見たい」


「そうだ、ライフジャケットをつけて。お子様は溺れて死んじゃうから危ない。船に乗る時はつけたほうがいいよ」


「う、うん、わかったよ」


「これでのぞいてみて」


「うわぁ、見えるよ。海の中が見えるよ。面白い。兄上、中が見えるんです。見てください」


 2人で覗き穴で見ている。仲の良い兄弟だよ。


「ケビン、これはすごいよ。海に入らなくても見えるなんて!」


 みんなが順番で海の中を見ていた。


「おお、魚が泳いでいるよ。海の中はこんな状態だったのか!興味深い」


「でも、海はまだ知らない魔獣がいるかもしれませんし、海の流れがあるのと思うので、1人では絶対海に入らないでください。溺れて死んでしまいます。レオンも絶対1ではダメだよ。綺麗だからって、それはほんの少しの光景であって、本当の海は怖いんだからね。ほら地引網漁で取れた足がウニョウニョしていたやつ。あれの親玉が僕たちの足に絡みつき海に引き摺り込むこともあるから気をつけようね」


「あっ、あのウニョウニョしていたやつの親玉?あれの大きいやつ?絶対海に引き摺り込まれるじゃないか!気をつけるよ。1人ではうみにいかない、絶対。引き摺り込まれたら誰も気づかれずに僕死んじゃうじゃないか!やだ。1人では絶対いかない、約束するよ」


 すごく怖がらせてしまったかもしれないけど、そう言っておかないと1人で遊びにきて溺れてしまう可能性がある。海は怖いと教えておかないと。


「ケビン、ありがとう。レオンは楽しくて1人で行ってしまう可能性があったから怖いことを言ってくれてありがとう。護衛騎士や影がついていたとしても助けられない時だってあるから、本人の意識次第で回避できると思うのだ。まだまだ子供の部分がある。もうしばらく自由にしてあげたいんだ。第二王子ゆくゆくは王弟という立場位置となる。レオンは多分魔道具関連の要職に就くのだろうなぁ、ふふふ。世の中が快適に過ごせる世界になればいいと思っているのだ。できればケビンやイーサン、ロナウドも我々を助ける位置にいて欲しいと思っている」


 え?いやいやいや、俺は昼行燈するしがない一般人ですから!


 頭をポンポンして頼むなと言ってまたレオンと一緒に海中を見に行ってしまった。イーサン兄様は魔道具士としてレオンをフォローできるだろうし、ロナウド兄様は商業で国の経済を回せるだろう。俺はうーん?まぁ、大人になったら考えよう。その時に状況も変わっているだろう。ムフフっ、俺にかわいい嫁さんができているかもしれない。うんうん、今は考えるのはよそう。考えるだけムダだ!よーし、俺も海の中を見るぞ。


「イーサン兄様、ロナウド兄様一緒に海の中を見ましょう」


 箱メガネは良い。魚がいる。あれは珊瑚?海藻もあり神秘的だ。太陽の光が海の中で揺らめいている。綺麗だなぁ。


「ケビン、海の中に入らずにこうして海の中を見られるのは楽しいな。おっ、小さいかわいい色の魚がいるのだな。フォーゲリア領は広大な土地となだらかな丘があるぐらいだ。こうして海、それも海の中が見られるなんて考えたことがなかったよ。あの魚は食べられるのかな?」


 食いしん坊兄様め。魚貝類のおいしさを知ってもらえてよかった。


 その後、洞窟探検に行った。これまた神秘的だ。ウルルン達に危険はないか聞き、可愛く頷いていた。危険なーし。少しの間、海の中に入ることとなった。僕は父様に抱えられていた。アームがあるので少し浮いていた。気持ちいい。なぜ箱メガネを作ってゴーグルを作らなかったのか?目が染みて中が見られない。身体強化を持っている人は目を強化して目が沁みないそうだ。だからトーマスやランドルは元気に海に入っている。護衛騎士たちも元気だ。ずるい!


「あそこは天井がないのか?日の光が入り神秘的だな。水が青く見える。凄いな」


 みんなで感想を言い合った。本当に神秘的としか言えない。自然が作った光景。これからも姿を変えていくのだろうな。誰も洞窟なんて入ろうとしないよね。


「でもここに密漁者や賊が潜んでいたら怖いですね」


「それはあり得る話だな。密漁者は海に潜っても何も見えなくなるからほっといてもいいが、この洞窟で不正取引が行われていたらと思うと、見回りの強化は必要だな」


 ガーネイル侯爵様とオルコット侯爵様が東地域の警備に力を入れていこうと話し合っていた。これから干物や一夜干し、海苔そして塩の製造を頼むので警備は本当に頼みます。


「ケビン、これらを仕入れてこれからどうしようとしているのだ?」


 ロナウド兄様が聞いてきたので今後の展望を話をした。


「まずは社員食堂で朝定食や軽く小腹がすいたときに食べられるもの、そして酒のつまみを作って社員の英気を養おうと思ってます。兄様の商会や魔道具施設、母様の美容部門の方々の健康などを考えてます。みんなで楽しく仕事がしたいので。あとは、僕の雑貨店と喫茶店と屋台のようなところで、テイクアウトできるハンバーガーやフィッシュバーガーやフィッシュアンドチップスを出します。ドーナツとアイスクリームをどうしようか迷っているんです」


 みんなポカーンとしている。構想は某バーガー店、ドーナツ店、アイスクリーム店の合体の店だ。これをテイクアウト専門にしようとしているんだ。だから魚は卸してもらわないとダメなんだ。


「ケビンや、テイクアウトとはなんぞや」


 そこから説明だよね。ごめんなさい。場所をガーネイル侯爵邸に移ることになった。







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