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160 また何かするのか!

「料理長!大変、これをまた調理して、お願い」


 全精霊達が持ち寄った食材を厨房に渡した。貴族用と領民用に分けてもらった。一緒に食事するのは領民達にとって恐縮して食べられないかもしれないので、海精霊の長老に会う時だけ一緒に会ってもらって、あとは領民同士で食して欲しいと思っている。


 沢山のキノコを使った料理、野菜のゼリー寄せ、漁師汁、ブイヤベース、クラムチャウダー、汁物が多いがガスパチョもいいだろう。アヒージョ、ピザ、パスタ、カニ、やったぁ、カニがある。ボイルだ!エビはグラタンで良い。伊勢海老の大きいやつなんだ!魚フライ、タルタルソース掛け、ムニエル、酒蒸し、そしてバーベキュー。なんでもありだ。本当は生で食べたいのだ。わさびと醤油があるんだよ。1人でこっそり食べよう。そうしよう。伊勢海老のお造りなんて贅沢。むふふふ。


 とりあえず家の設営をしよう。


「ルキ兄様、どこに建てましょうか。僕達の家をずらしましょう。侯爵様達は奥様もいらっしゃるのですか?」


「精霊様とお会いになるので総出で来るとのことだ。皆、早馬でくるので荷物は後からくることになる。夫人達は来れる人だけじゃないかな?わが領地で精霊様に会うことになるなんて、まさかこんなことが起こるなんて、あぁ、信じられない。すまない、ケビン。家のことだね。うちの屋敷の前に建てて良い。侯爵様達は海が良く見える場所にしてほしいのだが、本当に大丈夫なのか?」


 なんとかしましょう。いつも頑張ってくれているブラッドの実家のメンツを立てるために僕は頑張ります!


 兄様達とサクサク作っている傍でブラッド親子、兄弟はこれは一体どういうことだ?こんなことができるのか?など言っているが、ブラッドはまだ序の口ではないですか?と平然といっているのが聞こえる。この非常識さがケビン様の周りは当たり前の日常なのでもう驚きはしないです、父上や兄上達も慣れてください、なんて言っているよ。ひどくない?


 護衛騎士達はテントを支給。食堂とお風呂も作って準備万端。


「本当にケビンのスキルはすごいな。生産スキルでここまでできるのか?私ももらった家は見たことのない作りの屋敷だが、快適に過ごせる家なんだよなぁ」


 アルバート様が感心している。前世の記憶で作っているのでそりゃあ見たことないですよねぇ。


「アル、うちの家なんて、外観は変えていないからボロなんだ。ケビンのスキルで家の中はこのように快適な部屋に作り替えていて厨房もお風呂もすごいよ。でも見た目貧しい屋敷なんだよ。はじめはそれでもよかったのだが、周りにどんどん新しい施設が建っているからボロさが目立つんだ。領民からは謙虚さを忘れない御当主様達と言われて罪悪感を感じているんだよ」


「あははは、イーサン、罪悪感をそれは感じるな。中はこの家のように快適なんだろ?今度遊びに行っていいか?」


「僕も行きたいです、兄上。王都商会の魔道具施設も凄かったけど、領地の施設も見たい。それに体験施設に泊まってみたいんだ!」


 兄弟2人してうちの領地に遊びに来ることを切望している。リルの結界があればどこにでもいけそう。


「その前に、多分フォーゲリア家は王城に招待されるよ。クルがいるからね。その時に話をしてみよう。父上が了承したら遊びに行こう」


「はい、兄様。父上を説得します。ねっ、リル、ケビンの領地に遊びに行く時、結界張ってくれるよね」


「もちろん、我はアルバートとレオンハルトといつも一緒に行動するのだから、我が守る。そち等の両親達も守るから安心せい!」


 頼もしい犬だ。番犬だな。うちの猫は、マスコットキャラにするかな。


「いいわよ、マスコット的にかわいいから、私をモチーフにキャラクターを作っていいわよ!仮の姿ではなく、本当の姿のキャラクターがいいわね。超絶かわいいから!」


 また、思念をよまれたよ。そしてその言葉は前世の言葉だよ。僕の記憶まで覗かないでぇ。怪しい記憶はないよな?大丈夫か、俺の記憶!


 準備を着々と進めていくとオルコット侯爵様とその家族と、ありゃ、ボールドウエッジ公爵様、父上、フレッド様がやってきた。また来たの?


「ケビン、またなのか?また何かするのか?」


「父上、違います。僕は何もしていないです。海精霊の長老様を呼んで浜辺でバーベキューをしようとしただけです。その時にブラッドのお父様や家族を紹介しようとしたのです。そしたらこんなに大きくなってしまっただけです。本当は領民にバーベキューをして海の食材を紹介しようとしたのです。そして、朝、一緒に漁をしてもらおうとしたのです。ほら、僕、悪くないでしょ!」


「ケビン、海精霊の長老様を紹介するのなら寄親をまず紹介しないとダメだよ」


 僕は公爵様に諭された。すみません、常識がなくて。


「まだケビンはそう言った貴族の慣習はこれから勉強していけばいい。でも、ケビンにはこれからものびのびとやって欲しいとは思っている。こうしてケビンが自由に動くことで我が公爵領も活性化し、北地域や東地域も活性化する兆しが見えた。本当にどんどん明るい話題が出るようになった。みんな前向きになってきた。これからもどんどん動き回って欲しい。君の父上や、私、オルコット侯爵殿も後ろ盾になっている。これからものびのびとやっておくれ。ただ、急激に変えるのではなく徐々にがありがたいのだが、だめだよなぁ」


 ん?なんだか変なことを言われたぞ。僕の後ろ盾になってくれただって?いつのまにか後ろ盾ができたの?あれ?父様は苦笑いをしている。フレッド様は、頷いている。うーん、丸投げできるところが増えたってことで良いか。ありがたい。


 そして、ガーネイル侯爵一家が到着した。その後続々と寄子が集まってきた。ガーネイル侯爵はアルバート様、レオンに挨拶をし、その後ボールドウエッジ侯爵様、オルコット侯爵様、父様に挨拶していた。


「ボールドウエッジ侯爵様、魔鳥に書かれたことは本当のことですか?本日、海精霊の長老様とお会いできるのですか?まさか精霊様がいらっしゃるなんて、あぁ」


 隣にいるご子息に支えられるように立っているガーネイル侯爵様。みんなキョロキョロしている。精霊達には今は姿を現さないようにお願いしていた。長老様と出てきて欲しくて頼んだのだ。演出が大事!長老様もノリノリだったから、まぁいいだろう。スポットライトがないのが残念。でも、海からドドドドドーっと出てきたら怖いよね。設営は車座ではなく、王族の晩餐会などで見られる対面式で食べてもらう?どうせ飲んだくれているだけだろうしはじめだけ設定してあとはご自由に、で良いかな。


 公爵様とオルコット侯爵様は既に会って一緒に飲んでいるから大丈夫だよね。


 みんなに家の説明書を渡し案内した。使い方は侍女さん達に教えておいたんだ。使うのはほとんど執事、侍女、メイドだからね。


 お布団は快適綿で作ったので快適に過ごせるだろう。これでまた受注があればWin-Winだ。


 父様、公爵様まで来てしまった。本当に西から東へと振り回してしまったなぁ。そういえば、僕は今までずっと爆進してきてしまった。振り返りは大事だ。領地に戻ったら、従業員達の話を聞き、改善できるところはしよう。ダメダメ雇用主ではいけないのだ!


 ただ、面倒ごとはやっぱり父様達に丸投げするけどね。てへっ!





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