150 森の精霊達他多数との交流
今日はここに泊まることになった。交流という名の宴会をすることになったからだ。
森の精霊様達が結界を張ってくれているので安全面は大丈夫だ。だから騎士達も宴会に参加できる。影の人たちは?影の人は顔を見られては困るので辞退するらしい。可哀想だから、アルバート様にテントと飲食物を渡しひっそりと渡してくれるよう頼んだ。
僕、レオン、イーサン兄様、ロナウド兄様のマジックバッグには家が入っているので、王家とオルコット侯爵様用寝床の家はあるから野営みたいにならず、快適に寝ることができ大丈夫だと思う。
王家の騎士とオルコット領の騎士達にはテントを貸出した。寝袋付きだよ。
「兄上、みんなと一緒にお泊りです。すごく楽しみです。ケビン、一緒に寝よう。ケビンやイーサン兄様、ロナウド兄様が持っている家も見学したいです。本当に楽しみ」
「こら、レオンハルト、はしゃぎ過ぎだ。でもみんなで泊まるのが楽しみだよ。野営だが家付きだから快適だろうな。イーサン、ロナウドみんなで一緒に寝よう」
「良いですね。演習授業ではテントを張ったり大変でしたが、うちの開発したテントは楽に設置が出来、快適だと思いますよ」
「そうなのか?感想を聞いてみたいな。ドレスデン騎士団長、使用後のテントの感想を聞くようにしてほしい」
「かしこまりました。殿下」
ふふふ、使ってびっくり快適テントと快適寝袋だと思うけど、快適すぎるのが嫌な人もいるかもしれない。うちの領地の騎士団は皆快適セットだけどね。
さてさて、すでに作ってきた料理、お酒を並べて、皆で飲めや歌えやである。しかーし。
「なぜ長老様達が集まっているの!」
全員集合であった。おいおい。
「ほぉっ、ほぉっ、ほぉっ、いいではないか。楽しい事はみんなでするものじゃ。ほれ、みんな食材を持ってきたから、トーマスとランドルに渡しに行きなさい」
精霊達がうわぁーって、料理長、副料理長のところに行って、食材をポコポコ出しているよ。
「け、ケビン様、た、助けてください。この量、ど、どうすればいいですか?」
「料理長、とりあえず魚介類は前作ったパエリア、ブイヤベース、ピザをこれから作るよ。そうすればいっぱい量が食べられる。ここの森のキノコもそこに入れることができる。フルーツはデザートにできるし、野菜はなんでも使えるからとりあえずからマジックバックにしまっておこう。魔獣は血抜きしておこう。ソーセージを大量にできるね。あとはミンチ、薄切り、厚切りと料理の用途に合わせてきっておこう。オルコット侯爵家の料理人達も手伝って欲しい」
「「「かしこまりました」」」
「ケビン.これはすごい大量の食材だね。あちこちの精霊様達が持ってきたのか。どんな料理ができるか楽しみだよ」
アルバート様とレオンがウキウキした表情で食材を見ていた。いやいやいや、王城の方が食材豊富でおいしい料理がでてくるんだろう?まぁ、いいのか?庶民が食べる料理を初めて食べるのなら新鮮味があって。
うちの護衛騎士達は少人数であっても慣れたものでピザ窯を組み立てている。ペトロに関しては自分が大好きなものだから、率先して作っている。騎士なのに職人技が板についている。だって、ピザ種も作れるようになっているんだよ。彼女と彼女の家族に披露したら喜ばれたとこの前、ドヤ顔で僕に報告しにきた。けっ、彼女いるのかよ!リア充め。モテる男はピザが1からできるんですよ、なんて言っていた。何がモテる男だ。わさびたっぷりピザでも作って渡してやろう。もしくはロシアンルーレット方式。ピザではなくシュークリームでしょうかなぁ。プチシューの中にわさびを入れてやる。ニヒヒッ。
話がそれてすみません。恨み節でした。
森精霊の長老様、フォーレスタウッド様。フォーレスタウッド様が言うにはオルコット侯爵当主、ヴィンセント様の魔力と足りない魔力は僕が補填して欲しいと言う事だ。そうすれば悪事を働かない限り、森の食材や薬草などを採っていいことになった。領内外で悪事を働こうとする者には結界で見えなくなると言うことだ。結界が判断してくれるのは便利だね。悪事を働くものは行き着くことができないと言うことだ。すごい!この後、ヴィンセント様の子供達の魔力補完もお願いされた。
「ありがとうございます、フォーレスタウッド様。決して悪事を働かぬようオルコット侯爵家代々の家訓とさせていただきます。この縁を大事に後世に伝えていくようにいたします。悪事を働く者がおりましたら、行き着けぬようにしてください。よろしくお願いいたします」
「のう、ケビン、ここでも酒を作れるようにしてくれないか?奉納品に入れて欲しいのじゃが、どうだろうか?」
みんな、どうして僕の方を向くんだ。それは父様とボールドウェッジ公爵様の考えることだよ。
「フレッド様どうしましょうか?」
「そうだな、公爵領の材料で今、フォーゲリア領で作ってもらっている。父上とルーク様に相談してみます。私の一存では判断がつかないため申し訳ございません」
「良い良い、前向きに検討を頼むよ。それまではケビンのところにもらいに行って大丈夫か?」
「それはもちろんです、長老様。父様達に伝えておきます。ねっ、イーサン兄様、ロナウド兄様」
「そうだな、長老様、酒造りに軌道に乗るまでは我がフォーゲリア領にお越しください。ただ前もって連絡をいただければ料理とお酒を用意させていただきます」
イーサン兄様が長兄として挨拶してくれた。頼もしくてかっこいいんだよ!エッヘン。
「長老様、王家として何かすべき事はありますか。表に姿を現さなくなってしまった精霊様達が、今このように姿を現してくださいました。王太子である父と私はこれからの王国をそして国民をいかに心豊かな生活を送れるだろうと話し合っているのです」
「王家としてはないが、個人的にはケビンと仲良くしてやっておくれ。この子はまだ友達が少ないというかレオンハルト以外、すべて年上、それもおっさんばかりだから仲良くしてやってくれ。イーサンやロナウドはこれからもっと忙しくなりすぎてケビンを少ししか相手にできないであろう。なぜならケビンが無理難題を言い続けるからな、わっははは」
長老様達が全員、うんうん頷いている。そして、えっ!て顔でイーサン兄様達が僕を見るんだよ。無理難題なんてたぶん言わないよ。たぶん。
「あははは、ケビン、一緒に王城に住むか?ケビンは鑑定を持っていて、自分でポーションを作れるから安心だろ?」
何言ってんの!アルバート様。ヤダよ、王城なんて。いつも毒を盛られる立場なんて嫌だよ。
「えー、やですよ。何だか、"陰謀渦巻く王城でケビン君は見た!"シリーズ小説もしくは暴露新聞が発行されてしまいますよ?あっ、暴露しているのが僕とわからないようにペンネームで発行してしまいますよ。いいんですか?」
「クククッ、いいんじゃないか、悪事をしている者達の暴露新聞。そうすれば戦々恐々とその者達が悪事を働かなくなる。ぜひケビン、やはり王城に住もう」
「そうだよ、ケビン。一緒に王城に住もう。もしくは度々泊まりにくればいい。いい考えだよ、兄上」
何言っている、この兄弟。ムリでーす。やでーす。王城なんて行きたくなーい。




