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144 オルコット家に滞在1

 オルコット家では大人しくしていた。んん?語弊があるな、いつもの大人しいケビン君だったよ。


 ルガリオやルッツ達は自由に海精霊様のところや山精霊様のところに遊びに行っている。やっぱり僕たちに付いてこなくとも勝手に行き来出来るよね、君たち。


 少しずつ身につけたマナーを駆使し、晩餐も滞りなく終わった。魚料理は白身魚のソテーだった。塩をふっている単なるソテー。こんな感じか。


 そしてマナーは多分大丈夫だったと思う。エヘン!東地域だからという目玉食材はなかった。残念。


 ここでもフレッド様を中心に競馬の話を進めていくが、東地域から競馬に馬を出すことは難しいとなった。馬車での搬入は時間がかかりすぎて馬にとってストレスになり、競争にならない可能性があること。ぬ魔道列車に乗せるとしても、未知すぎて想像がつかないと断念。僕だってこればかりはわからない。魔道列車は静かに運転していたので、ブレーキなどのストレスはなかった。出発の時と止まる時の首や体がガクンガクンする衝撃はなかったので、もしかしたら大丈夫かもしれないけど、うーん?海外遠征の時の馬だって飛行機に乗るしなぁ。


「ケビン、何をうなっているのだ?」


 隣に座るロナウド兄様は俺の唸り声が気になってしょうがなかったようだ。ごめん、無意識に唸っていたようだ。


「魔道列車に馬専用の車両を連結させてもらえるのだろうか?と思っただけです」


「そうなんだよなぁ。車両を馬専用車両に改造できればいいよね」


「改造して、それも運行を夜、最終便後に馬の搬入が出来ればいいのになぁと思ったのです。馬と一緒は嫌だ時思う人もいるかもしれないので、その時だけ馬専用の便を設けてもらえればありがたいですね」


 フレッド様が僕たちの話を聞きながら考え込んでいる。


「ケビン、馬専用の車両に改装できるか?できるなら、魔道列車に馬を乗せる試験実施してみようと思う。どうだろうか?」


「どうでしょうか?馬がストレスにならないような馬専用車両を作らないといけないですよね?魔道列車に連結できるのですか?許可着必要になるのではないですか?」


「そこは運輸省と話をしてみようと思う。馬の買い付けで魔道列車を使いたい。専用車両はこちらで用意すると言ってみるよ」


 魔道列車の管轄が運輸省。フレッド様、そこにコネがあるのですか?


 まあ、まだ作れるかどうかはわかりませんけどー。みんな、お馬さんが好きだよね。明日、オルコット領のお馬さんを見せてもらおう。違いが分かるケビン君、ではない。まったくわからないけど見るだけね。

 海側に行くのはいつだろう。


 翌日、馬を見せてもらった。綺麗な馬がいる。真っ黒な強そうな馬。シルバーの馬がいる。。真っ黒の馬は脚力が強そう。これは他の人に見せたいね。やっぱり頑張りますか。車両を提供してもらわないと作れないけど。どうする?模型だけ作っておこう。


「ルーアン、車両の模型を作ろうと思うんだ。始めは木製で作って馬が入るかどうか確認しながら手直ししようと思う。オルコット侯爵様に馬を貸していただき、1頭ずつ、固定する馬運車を作成しよう。水分、餌、糞などの処理のしやすさを考慮しつつ、作ってみよう」


「はい、ケビン様。皆様に伝えてきます」


 ぞろぞろとみんなが外に出てきた。


「ケビン、早速、やるのか?なんだかんだ、ケビンも思い立ったら行動に移すじゃないか。ゆっくりやろうと言っておきながら、次から次へと事が発生するんだよ」


 イーサン兄様にグリグリ頭を撫で回されながら、 僕は早くやった方が海に行ける、海に行きたいことをコンコンと説いた。


 遥か遠くに見える水平線。地球が丸いことがわかる広大な海。癒される波の音。でも、この世界が地球みたいに丸いとは限らないけどね。


 車両を作り、中を6分割にし体を優しく固定するように作り、餌やりの桶、糞をする場所にはスライムを置く。そうすれば衛生的だろう。飼育員が通りやすい通路と休憩場所。イメージはこんな感じだ。


「どうですか?こんな感じで作ってみました。もし馬運車両用なら内装がこんな感じになると思います。馬達が嫌がるかどうか試してみますか?」


 誰もが言葉を発してくれないよぉ。


「これはまた想定外のものを作り出したね、ケビン。なるほど、客車を馬用にして、馬を搬入する扉は後ろか。一頭ずつこのスペースに入れ体を固定すればいいのか。食事はこの桶に入れ、糞は体を固定しているからそこにスライムか。なるほど、よく考えている。ふふふふっ、これは話を進めていけるぞ。義父上、いかがですか?これならボールドウェッジ領に馬を短時間で運ぶことが可能です。美しいオルコットの馬を皆に見せることができます」


「そうだな、フレッド。北と西地域にうちの美しい馬そして強い馬を見せることができるぞ。そして、一堂に集まって品評会ができるではないか。もう少し競馬のことを教えて欲しい」


 フレッド様は僕が前作った競馬のレプリカをマジックバッグから取り出して説明したが、その前にマジックバッグを持ってあることに驚かれていた。


 僕はロナウド兄様と一緒に馬に乗った。たかーい。気持ちがいい。


「ロナウド兄様、気持ちがいいですね」


「ああ、この馬、凄くかっこいい。色がいい」


 僕も思った。真っ黒な馬。額には白いダイヤの形があるんだ。愛嬌のあるつぶらな瞳。まだ1歳らしい。この大きさで1歳。


「君はかっこいいね。足も首も逞しい、イケメンだね」


 頭を軽くカプっとされた。


「ロナウド兄様、頭をカプカプされるのですがー」


 兄様達大笑い。ちょっと、かわいい弟を助けてくれてもいいのではないのかい?


「け、ケビンくん、あははは、どうしたんだね。あははは、何か機嫌を損ねることを言ったのかい?」


「ケビン、大丈夫か、あははは」

  誰一人助けてくれないよ。笑ってないで助けてよ


 オルコット侯爵様とフレッド様も大笑い。助けてくれ。


「逞しいと言っただけですよ」


「その子は女の子だよ!」


 牝馬!逞しい足なんてセクハラか?女の子に言う言葉じゃなかったね。ごめんごめん。


「ごめんね、女の子に酷いこと言ったね。綺麗だよー。足がスラっと長くてしっかりとした足だね」


 ガブガブ、痛い。人間の言葉がわかるのか?


「ケビン、女の子にしっかりとしたと言う言葉もダメだぞ。そんなんじゃ、女の子にモテないぞ」


 はい、反省します。そしてモテたことはないです。甘々な言葉を言ったこともないです。いいんですよ。


 それから妙に懐かれ感がある。僕を見ると寄ってくるようになった。1人では乗れないのでイーサン兄様、ロナウド兄様、エルビス達が時間がある時、一緒に乗ってもらった。1人で颯爽と乗れるようになったらかっこいいだろうなぁ。


 ちなみにポニーなら1人で乗れるようになったよ!




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