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141 東地域にいくぞ1

 やっとだ、やっと東地域に行けるのだ。


 ボールドウエッジ公爵家の寄親、寄子の結束も確認でき、競馬に向けて皆が動き出すことになった。


 馬の厳選、乗り手の訓練、馬に名前をつけてもらうことなどをお願いした。メンコにも慣れてもらうため僕が縫って渡した。それぞれの家のカラーがないか聞いたところないと言われたのでカラーを決めて欲しいことも伝えた。色の見本は姉様のところで草木染めの色の見本を渡した。それで自領の馬にそのカラーで作ったメンコと鞍に名前を付けることを説明した。みんなワクワクした表情だったので、やる方も楽しめていいのかもしれない。


さてと、東地域はフレッド様の奥様アンジュ様のご実家がある所だ。まずはアンジュ様のご実家オルコット侯爵家に行く。魔道列車で東へレッツらゴーだ。


 僕は朝からウキウキわくわく。朝早く起きて万全の用意をした。


 魚がある地域。天草があることは分かっている。おじさんの商会アズーマイースト商会。おじさんに会いに行くんだ。公爵領にある魔道列車の駅に行った。お見送りの人たちもいてごった返していた。別れを惜しむ人や笑顔で見送る人、様々だ。僕たちは公爵家専用列車のところへフレッド様を先頭に進んで行った。


 ん?何故か金髪のレオンが駅で待っていた。


「レオン?お見送りに来てくれたの?」


「ううん、僕も行くことにしたの。父上達には手紙を残してきたから大丈夫。もう出発時刻だから行こう」


 あれ?スタスタと僕の手を引いて歩いて行くんだけど?フレッド様も驚いていた。手紙だけって、話して承諾してもらってこなかったの?はて?どうしようか、これは?もう出発時間だよー。フレッド様を見ると首を振っている。もうここまで来ているのに、置いて行くのも心が痛い。連れで行ってしまうか?どうすれば?公爵家の専用車両だから安全と言えば安全だと思うがどうする?


 再度フレッド様、イーサン兄様、ロナウド兄様に確認のため視線を送る。すでに魔鳥でのやり取りをしていたみたいだ。行動が素早い!


「もう出発時間だ。しょうがない。魔鳥で父上にレオンハルト様も一緒であることを伝えた。父上が何とかするだろう」


 フレッド様もライアン様に丸投げ、違う違う、丸投げではなく相談、報告をしている。やっぱり頼りになる大人だ。


「レオン、一緒に行こう。でもね、今度からきちんと報連相、報告、連絡、相談をしないとだめなんだよ。みんなが心配するから!今回はしょうがない?でも、約束して!今後はきちんとご両親と相談して行動すること、わかった?」


「うん、ごめんね」


 誰もがお前がいう?という感じだ。僕は遠出する時は相談するよ。宿泊になると心配しちゃうからね。


「よし、じゃあ、呼び名はレオン兄様かな。イーサン兄様でしょ、ロナウド兄様でしょ、そしてレオン兄様。いい響きだね。早く列車に乗ろう」


 レオンと手をつないで列車に乗った。みんなのため息しか聞こえないがまあいいか。


「レオン兄様、楽しみだね」


「うん」


 フレッド様がレオンを僕たちの兄弟として扱うらしい。


「全くもう、フォーゲリア兄弟でいいよな。みんな似ているし、兄弟、ありだな。レオンハルト様、今回はフォーゲリア伯爵家の兄弟扱いでいいですか?アンジュの実家には念のため言うが兄弟扱いでいいかな」 


 レオンはキラキラした目で”うん”と言っていた。ケビンと兄弟だってと喜んでいた。問題児が増えたのか?


「では、これからレオンと呼んでいいかな?」


 フレッド様も諦めたようだ。


「はい!レオンでいいです。僕は兄様と言っていいですか?イーサン兄様、ロナウド兄様」


 これまたキラキラした目で兄様達を見ていた。


「「ふふふっ、弟が増えたよ。レオン、よろしく」」


「えへへへ」


 あー良かった。これで東地域に行けるぞ。


「すまんすまん、遅れてしまった。私もレオンの従者として同行するよ。よろしく頼む」


 黒髪の人が入ってきた。ん?アルバート様?


「「「「えーーーーー」」」」


 もう、なんて言ったらいいのか?なんでもあり?はははは。


「もう、レオンハルト,びっくりだよ。昨夜、ゴソゴソしているから何かしでかすと思って見張っていたら、朝の置き手紙を見てびっくりだ。やっぱりと思ってしまったよ、お前は全く。父上や母上には俺が行くことで安心させて来たんだよ。皆、本当にすまない。フレッド殿も本当にすまない。レオンハルト、お前の行動で迷惑や責任がかかる者達がいるということを心に刻め、わかったな。今回は甘いと思うが目を瞑る。帰ったら父上に怒られるけどな。わかったか」


「兄上、ごめんなさい。そしてフレッド様、イーサン兄様、ロナウド兄様、ケビンごめんなさい。ご迷惑おかけします」


「ふふふっ、よしよし、謝ることができたな。全くお前の行動力は誰に似たのか。母上かな?あの人もおてんばだったからな。父上を好きすぎて、隣国からやって来てしまったからな。それよりはレオンハルトの方が可愛いものかな?」


 うわぁ、レオンのお母様すごい行動力だなぁ。隣国からって命懸けじゃん。それに比べたらレオンの行動は可愛いものか。ん?


「申し訳ないが、よろしく頼む。これからレオンの従者に徹するよ。ケビンからもらったマジックバッグがとても役に立っているんだよ。これは便利だ。あっ、これ、王宮のお菓子。うまいと思うよ」


 

 これはあの子達が来るぞ、来てしまうぞ?



 

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