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140 王城一室で 〜アルバート回想録3

 *ストックが少なくなってきてしまったため、毎日1話ずつ更新していきます。ゆるゆる設定のお話をこれからもお付き合いをお願いいたします。


 今までのことを父上と母上に報告した。


「楽しそうでいいな。父様も今度お忍びでレオンハルトと行こうかな。楽しそうだな。メルシーにも会いたいし。馬の競争、けいば?というものを計画しているのか。ふーん、楽しみだな。なかなか面白いことを考えているな。ボールドウェッジ公爵に密かに聞いてみよう。それにしても、お前ももらってきたのか、そのバッグを」

 

 腰に付けていたポシェット型マジックバッグ。


「はい、色々入れてくれましたよ。本当にいろいろと」


「見せてくれないか」


 まずは椅子、テーブル、テント、寝袋、料理、お菓子、ポーション、自転車。それにお酒の樽4樽。それから母様への化粧品。


「すごいなこれは。見たことがないものが多い。ん?これはお酒か?飲みたいな。少しいいか?」


「父上、嫌です。これは私がもらったものなので楽しみに飲もうとしているのです」


「良いではないか、少しぐらい。グラスを持ってこさせよう。後で他の物を見せてくれ」


 しょうがない、父上にお酒の飲み比べをしてもらおう。今後は渡さないけどね。グラスに注ぎ飲み比べた。えっ?うまい。何この酒?今まで飲んだことのない酒の味。


「アルバート、その酒でこれからも一緒に飲まないか?」


「えっ、嫌ですけど。これは私がもらったものですから」


「けちだな、お前。まさかレオンハルトも酒樽をもらったのか?」


「いえ、違ったものをもらってました。よくわからないですが2人でコソコソしていました。私もレオンハルトのマジックバッグの中身を見てみたいです」


「そうだな、明日見せてもらおう。なんだか、ケビンに会ったことはないのにレオンハルトとケビンを合わせるとなんだろうな、ろくでもないことを二人で考えそうで怖いよ」


「それは私も思っています。あの二人、特にケビンは知識がかなりあるようです。私の神眼で確認しましたが、魔力量は王家最大、しかし魔法属性はないです。メルシー伯母上と同じ魔法属性がないです。ただスキルが豊富です。錬金など作ることに特化したスキル持ちですね。そして分からないスキルがありました。それも1文字が見えないのです。”〇生者”ってなんでしょうね、私の神眼でもわからないなんて。今度父上の究理眼で見てください。でも面白い子です。あと、これ、中級から特級のポーション、毒消しをもらました。初級は作れないそうです。作っても中級以上になり高品質になってしまうようです。そして万能薬をもらいました。鑑定したら欠損も治るそうです。この前北の領地スティングレイ辺境伯領で大規模スタンピードが起こったを報告がありましたが、皆無事、負傷者少数とありましたが、もしかしてと思ってます。スティングレイ辺境伯の嫡男にと嫁いだのはケビンの姉ですから」


 我々、王家それも国王となる定めの者は国王眼というスキル、神眼、究理眼、究極眼、心眼、真眼、極眼を授かる。王太子である父上も国王眼を持っている。私も発現した。定められた者だ。その私でもケビンのスキルの1文字が読めず、どんなスキルかわからない。


「ふふふ、会ってみたいな。マジックバッグにしまっておいた方がいい、というか長期間は保管できないのてはないか?」


「あっ、父上、これ時間停止付きなので大丈夫です」


「は?時間停止付き?なぜ」


「それは分かりません。もしくはケビン?ですかね」


「たぶんそうなんだろうな。だからボールドウェッジ公爵が保護しているのだろう。本当に面白い子だ、メルシーの子は」


 それから母上に化粧品のお土産を渡し、喜んでいた。特に次の日の母上は煌びやかな髪質、肌質だったことをここで報告しておこう。あれが貴族用?いや王族用なのかもしれない。母上の浮足立つ気持ちが前面に出ている。相当嬉しがっているよ。母上は隣国の王女だ。あまり表情を面に出さない様訓練しているが、今日は緩みっぱなしだ。父上はそんな母上を見て喜んでいる。始終見つめてはかわいい、愛しているを連発している。子供の前は控えろよ、と言葉に出したくなる時もあるがグッとコラえる。


 母上の度が過ぎるほどの美貌、きらきら感がハンパない。お茶会がなくてよかった。


「父上もシャンプーとトリートメントを使ってみますか?ドライヤーもあります。ちなみに、今日の私も昨日貰ったシャンプーとトリートメントを使っております。さらさらでしょう?レオンハルトも使用したみたいだな」


「なぜ、3人は私にそれを紹介しなかったのだ。3人の髪質のきらきら感がすごいではないか。私もキラキラになりたかったなみんなできらきら感を纏いたかった」


「はいはい父上、レオンハルトのマジックバッグの中身を教えてもらいましょう。厳重な人選でお願いしましたが大丈夫ですか?」


「アルバート、父に対して扱いが雑だぞ」


「あっ、レオンハルト、髪の毛キラキラだな」


「兄上もキラキラですよ」


 その傍らで寂しそうに佇む父上を何とか元気づけた。これだったら、父上にも渡すのだった。仲間外れ感がひしひしと伝わってくる。


「はあ、父様、今日もお酒飲みますか?あとシャンプーとトリートメントを使ってください」


「おお、ありがとう。うれしいよ。ではレオンハルト、お前のマジックバッグを確認していいか?」


「はい、大丈夫です」


 出てくるは、出てくるは。アルバートのマジックバッグの中身と同じものが出てきた。それから、そろばん?どりる?家出でケビンのところで働くために習得しなければいけないので渡され勉強しているらしい。


 暑い時用のTシャツ、短パン。寒い時用のダウンコート。刺繍ハンカチだが付与がついている。保温令ポット。魔石多数。本当に家出が出来て過ごせるな、これは。


 最後が、家!家が丸ごと入っていた。このマジックバッグはどれだけの容量なんだ?


 そしてこの家は住めるんだ。ケビンからこの家の使い方の本?取扱説明書を渡されたと。玄関入ってから部屋の見取り図。魔道具の使い方など様々なことがこの取扱説明書に書いてあった。だから大量の魔石があるのか。中には魔道具がある。魔石に魔力の補充方法を教わったから生きていけるだと!父上と母上が思考停止状態に陥っている。


 <補足>魔道具の感想を聞かせて。新商品を作成したらまた設置するので、不便なこと、こうしてほしいことを教えてね。


 レオンハルトから聞いたところ、ケビン曰く、野外で宿泊するときにこの中で寝れば快適でしょ!強化ガラス、全体に安全の付与、劣化防止、強化付与なんでもついている。鑑定してもそう出ているよ。場所が狭い時はテントと寝袋使用してだそうだ。取扱説明書通りに操作してみると動く。特にお風呂、お風呂の魔道具シャワーは簡単に体と髪が洗える、優れものだ。妹のリーシャ用の遊びまであるよ。


 それにしてもこの取扱説明書、知らない素材の紙だがこれも製造しているのか?父上もそこに気づいたらしい。本当にあそこは秘匿が多いところだ。父上、母上も楽しそうにこの家で寛いでいる。誰にも邪魔されない自分たちの空間。徹底的に安全重視の付与された家。心地よい。よし、ここで昼食を取ろう。


「父上、母上、レオンハルト、リーシャ、ここで昼食にしよう。ケビンがいろいろと料理を入れてくれたのでここで食べましょう」


「そうね、アルバート、ここは本当に見たことがないものばかりね。食べ物もなのかしらね」


「アルバート、この黒い飲み物はなんだ?こーひー?これはまだあるのか?これはいい」


 お菓子も料理もすべておいしかった。母上とリーシャはパンケーキとプリンが気に入ったみたいだ。父上はコーヒー、酒のつまみで枝豆、生ハム、カナッペ、鶏皮揚げ、ビーフジャーキーというものを好んで食べていた。ケビンはスルメが食べたいと言っていたが何のことだか分らなかった。酒が進むおつまみはうまかった。おもしろいよな。


 さて寛いだことだし、戻りたくないが戻らないといけないか。レオンハルトに言ってまたこの家を出してもらおう。湖などに行ってこれを出して寛げればいいな。みんなで行こう。


 ああ、ケビンまた会いたいな。レオンハルト、一緒に行く気ではないよな?大丈夫だよな?




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