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14 兄様達が帰ってきた、爺様婆様もやってきて大所帯になりました

 お酒と聞いた父様がお酒になる材料を増やすぞと言ってきた。えー、食べ物がいい言ったら、綿の花はどうなんだ、お酒の方が有意義だと押し通された。綿、それも母様が作った暑い時は涼しく、寒い時は暖かくする素材だよ。それだってすごいことだよ、まぁ、作った母様がすごいんだけど。僕の収納にいっぱい入っている。


 やっぱり、ウイスキー、ワイン、日本酒ですかね。あとはカルバドスとアップルシードル。焼酎か。ビールにはポップが必要だ。母様に作ってもらうか探すか。これはまた後で考えよう。


 うちには広大な土地がある。作るには十分な広さだ。土魔法で地下に蔵を作って醸造してねかせれば良いと思う。それは父様に言って、父様主体でやってもらおう。兄様達も賛同するかもしれないしね。嫡男として放棄させないよ。ウッシッシッシ。


 父様に兄様達も賛同させようと提案し、もしかしたら父方の祖父母がやってくるかもしれないということだ。それほど2人とも酒豪らしい。爺婆様、豪快だからなぁ。作ったその場で飲み干しそうだよ。


 爺婆様は豪快な2人で、母様が王女だとしても全く気にせず、がはは、そんなこと気にするなと言って受け入れている。そんな2人が大好きだ。


 そんなこんなで、兄様達が帰ってきた。爺婆様もやってきた。大所帯になったよ。


 みんな開口一番、なんだよ、この土地は、だった。


 そうなんだ、あのあと来週来ると言っていたのに、毎日お菓子がなくなるんだ。来週というからお供え用で1、2枚のクッキーだけ置いておいたら、少ないと催促の文字がお皿に書いてあった。それならと、こんもりクッキーを乗せていたら、全てなくなっていた。だから、畑はいつでも黄金色の穂が垂れ下がっていた。果物も実っている。


 これはお供えなのか?餌付けになってしまったのか?


 僕は意を決して、何人で来ているの?来週は何人で来るの?それによってお菓子の量を考えないといけないから教えてと書いておいた。


 その答えが初めは1人でフラフラとやってきていたが、お菓子の匂いがする僕にこっそりついてきた弟、それから友達と増え5人できていた。でも、お菓子の袋を持った僕に長老にバレ、問い詰められ、今は10人ずつで来ている。来週は長老も来るので30人ぐらいかなぁ、もっとかなぁ。その時の気分で決まるとのことだった。


 その回答を父様に伝えたら、頭を抱えてしまった。母様は微笑んでいたが、頬がピクピクしていた。ジュリは訳がわからないのでキョトンと父を見ていた。


 料理長は、僕にいっぱい作りましょうとやる気を見せていた。僕の魔力を入れるから料理長は僕を抱えるように厨房に拉致された。大量に作ったら収納に入れておこう。やることがいっぱいだよ。


 そして、冒頭のみんなが帰ってきて驚いていた。


 談話室に集まり、お茶をしながら近況報告。


「それにしても、メルシーはすごいスキルを持っていたのだな。あの王家は見る目がない、節穴だな。がはっはっは」


 お祖父様が豪快に笑っている。


「父上、王家にはメルシーのスキルを詳しくは言いませんが、メルシーのスキルで豊かになったことをいつかは公表しようと思うのです」


「そうだな、あの馬鹿王家やその周りの貴族どもにメルシーの凄さを公表しよう。それにメルシーが希望しないと作った種はただの種なのだろう。欲しかったら分け与えてもいいが、お前の土地は育たないぞと言って渡したほうがいいな。がっはっはっは」


 お祖父様、馬鹿王家って言っているよ。まぁ、母様を悪き感情を持つ奴らから表立って守らなかった王家などどうでも良い。ここが母様のいるべき場所なのだから。


「お義父様、ありがとうございます。でも、ケビンが気づいてくれたのでこのスキルの凄さがわかったのです。そして、土精霊様にお供えしようと考えたのもケビンなのです。この子は発想豊かで楽しいですが、目が離せないヤンチャな子です」


「えー、母様ひどいよ、僕、ヤンチャじゃないよ。僕は脛を齧ってのんびり暮らすんだから」

 誰もがどこがのんびりなのだ!真逆だろうがと思った瞬間だった。


「父様、母様、見慣れたうちの領地の近くまで来ているのに、別の領地に来ているのではないかと思ってしまうほどですよ。今までどういうものを作ったのですか?」


 長兄イーサンが興味深げに聞いてきた。変な物は作っていない。この世界にあるかはわからないけど、前世ではあった野菜、果物。


 父様を見たら頷いたので、僕の収納から野菜、果物、作った料理などを出した。


「ケビンはスキルにアイテムボックスを持っているのか?こりゃまたすごい。スキルは公表しなくていいものだから、ケビンはこっそり出すのだぞ。そうだな、マジックバッグを持たせるか。それで誤魔化した方が良さそうだな。でも、ケビンお前は対外魔法属性はなしだったはずだが?」


「お祖父様、僕、火や水などそういった属性魔法は使えません。スキルがあるだけです」


「そうだったな。すまなかった、聞いて」


 お祖父様が申し訳なさそうに俯いてしまった。別に気にしていないのに。


「お祖父様、別に大丈夫ですよ。魔法を使わなくても生きていけると思ってますから、収納とか鑑定は便利ですけど」


「なんじゃと!鑑定も持っているのか」


 爺ちゃん卒倒しそうなほどびっくりしている。父様、母様はあちゃーって顔して、天井を向いている。


 まずい、言っちゃいけなかったか?



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