表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

137/238

136 みんなを引き連れて王都商会へ

 ぞろぞろとみんなを引き連れて、お兄ちゃんこと、アルバート様とレオンと手を繋ぎ歩いて行く。ルーアンにこっそり名前を教えてもらったよ。


 だんだん商会が近くなったところで父様と公爵様、ステファン様、フレッド様が走って来た。


 お兄ちゃん(やっぱりアルバート様呼びしたほうがいいかな?)は手で挨拶を遮った。


「今はお忍びだから、そんな仰々しい挨拶は抜きだ。普通に話してほしい」


「「「かしこまりました」」」


 ゴツっ、イタッ!


「父様痛いよー」


「痛いじゃない、痛いじゃ。ケビン、なんで先ぶれを出さずに来たんだよ、お前は。ルーアンが急いできたが、もう少しお前が時間をずらして来い!」


「いやー、やめて、こめかみをグリグリしないで!父様」


 天の助けの声が聞こえてきた。


「伯父上,その辺で。私も楽しくて先ぶれを出さないように言ったので共犯ですよ。グリグリしますか?」


 父様にお兄ちゃん、レオン、二人揃って頭を出しているキラキラオーラのお兄ちゃんとレオンってやんちゃだ!


「アルバート様、ここで立ち話ではなく中へどうぞ。門は小さいので申し訳ございませんが少し屈んでお入りください」


 土塀を抜けるとそこはドーンと商会が建っている。


「は?えっ?商会の建物、え?向こうにも建物があるのか。すごいな」


「向こうの建屋が魔道具開発施設です。売り場はこの建屋です。そうだ、父様、護衛の皆さんも一緒に社員食堂に行きましょう。おやつの時間ですよ」


「「「ケビン(くん)」」」


 マイペースすぎる僕に大人達はため息連発。ごめんよぉ。


「レオン、家出する時のために食料と寝袋を持っていきなよ。レオン用に作っておいたから」


「なぜ、家出用って、家出を促すのだ?。ん?ケビン」


「いえ、何かあった時の予防策ですよ。食べ物と飲み物、寝袋があれば生きていけます。ここで用意したものは毒など入ってないので、自分で食べる分には安全だと思ったのです。あと魔道ランプとロープとテントはこの前渡したけど、最新の魔道ランプとテントができたから渡すよ。僕でもテント設営できるようにしたんだ。ポンとできてあとは釘を地面にトントンするだけなんだ。あとで渡すね」


「うん、楽しみだよ」


 二人で話しながら手を繋いでい社員食堂まで歩いて行った。


「レオン、お腹空いていたら、なんでも食べていいよ。作り置きしているからいつでも食べられるよ」


「ケビン、絵を見てもなんの料理かわからないよ。色々食べてみたいなぁ」


「じゃぁ、少しずつ食べればいいじゃないか。残ったのは護衛騎士さんに食べて貰えばいいと思うよ」


 レオンがお兄ちゃんの方を見て様子を伺っていた。


「ふふふっ、じゃあ、お兄ちゃんも一緒に食べよう。そして残ったものをどんどん護衛騎士達に渡してしまおう。そうすればレオンがいっぱい食べられるよ」


「やったー、兄上、ありがとう。ケビン、食べていいって」


「よかったね。父様、いい?」


「はぁ、みんなジャンジャン持って来てほしい。小皿を多めに頼む」


 それからはメニューを上から順に持って来てもらい食べていたよ。護衛騎士さんの方が食欲旺盛って感じだった。だって始めの方に食べた人で料理が残っていないんだよ。料理が回ってこなくて大ブーイング。結局各テーブルに料理を置いて食べてもらったよ。うちの護衛騎士はほんの少ししかいないし、魔道具士や木工士は大食いではないので、こんなに食料がなくなるのは初めてだよ。


「ケビン、美味しいね。そしてみんなで食べるのが楽しい。騎士達こんなに食べるんだね。面白いね」


「ボールドウエッジ公爵、フォーゲリア伯爵、もてなしありがとう。とても楽しい食事だった。お酒があればもっと楽しいだろうな」


 父様達が相談しているよ。


「アルバート様、帰りはうちの公爵家が馬車でお送りいたします。お酒は王宮に戻ってから飲んでください。お土産にお酒を持たせます。騎士達にも一人一本ずつならお渡しできます。ただ種類が違うので、みんなで飲み比べで飲んでほしいです」


「レオン、レオンのバッグに入れてしまえばバレないよ。念の為、毒などの鑑定をしたから飲んでくださいね。1番安全なのはレオンが出して、そのまま飲むことだけど、うーん、レオンにわざわざ出してもらうのは負担がかかりますよね。やっぱり、お兄ちゃんも毒とか盛られたりして大変なの?」


 みんながお兄ちゃん?と僕たちの顔を見ていた。今はいいんだよ。


「そうなんだよ。俺の場合はなぁ、媚薬だなぁ」


「あぁ、大変ですね。モテるって!媚薬は毒消しポーションなどで状態異常が回復しないのですか?」


「そんなに毒消しポーションがあるわけではない。新鮮度がないと効かない時があるんだよ」


 ふーん、よし!


「お兄ちゃん、親戚特典でこれあげるよ。マジックバッグ、時間停止付き。大きさはこの部屋ぐらいかな。もっと大きいものが欲しかったら言ってね。ここにポーションや毒消しポーションなど入れておけばいつでも飲めるよね。はい、ポーションもあげるね。レオンに渡したものと同じ一式セットと椅子、テーブルセット。これはこれから売り出す保冷ポットと魔道コンロ。これなら自分で料理や温めてができるから毒を盛られないよ。なるべくなら自分で入れるか、本当に信頼できる人に入れてもらってね。お菓子や料理を入れておけば、出された料理は食べなくても、これを食べればお腹が空かなくていいと思うんだ」


 突然、お兄ちゃんが笑い出した。


「はぁ、規格外すぎる。なんでこんなにポンポンものが出てくるんだよ。あははは。マジックバッグありがとう。ここではみんな持っているんだな。親戚特典?じゃないよな?」


「みんな従業員特典と家族特典ですよ。ここではお菓子を入れておかないと大変なんですよ」


「ありがとう、ケビン」


 深刻そうな顔で、何やら僕の上の方で公爵様や父様達が目で会話しているようだ。大人って!でも、万能薬を持たせた方がいいかな。そっと渡しておこう。


「レオン、魔道具開発施設に行こう!興味があるんだよね。今、兄様達がいるから行こう。父様行ってきていい?」


「ああ、みんなで行こう」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ