132 王都支店オープンに向けて、面談開始1〜事務官〜
まずは事務官志望者の面接。
入ってびっくり、なぜ子供がいる?ロナウド兄様、フレッド様、ウェルス様、ブラッド、ローガン、そして俺。みんな、ウェルス様を見てびっくりして、最後が俺いるのに怪訝そうな顔をする。うーん。
受験生が俺たちの前にある椅子の前で名前を言い、その後座る。うん、面接だぁ。
ロナウド兄様が会長として、不安なことに対する回答を答えていた。それから志望理由、勤務地の希望、どんな事務官になりたいか、などをアピールしてもらった。
僕が最後質問をした。
「はいっ!質問です。フォーゲリア商会もしくは傘下のカトレイン商会の製品でどれが好きですか?」
みんな戸惑う人もいる。使ったことない人、見たことがない人もいるかな?でも、試験に来たのだから調べてあるだろう。やはり人気はリバーシ。面白いからね。
「私はカトレイン商会の花束が好きです。実は幸運にもバラを手に入れました。噂で小さい子が商会に入った後バラが数本出ると噂で聞いていたので、その小さな子が入ったのを見て、もしかしたらと足を運んだらピンクの美しいバラがありました。それを母にプレゼントしました。幸運のバラと呼ばれていたのですが、本当にあのバラは幸運のバラです。母の容体が少しずつ変化していったのです。咳き込むことが多く辛そうな母がバラを飾った後から咳き込むことをしなくなったのです。そしてそのバラは枯れないのです。あのバラは我が家の家宝にしています。フォーゲリア家のバラと聞いていたのでぜひこのことを含めてお礼が言いたくこちらの試験に参りました。バラをありがとうございました」
一斉にみんなが僕を見る。知らない、知らない、枯れないバラなんて知らないよ。マジで!
顔をあげた受験番号15番、トルシエさん。みんなが僕を見ているから、トルシエさんまで僕を見る。
「あっ、小さい子供」
「「「「ブフッ」」」」
その言葉でみんなが笑う。ひどくない?
「枯れてないの?バラ」
「はい、枯れておりません。母の容体もとてもいいです」
「そうなんだ、よかったね。もし合格したらうちの領地に来られるの?」
「できれば王都の方がありがたいです。弟と妹がいますのでその面倒も見なければいけないので。本当は母は王都より田舎の方が空気がいいかもしれないので移り住見たいのですが、弟と妹の面倒が見られる王都がいいです。あっ、申し訳ございません、田舎なんて言ってしまって」
いい、いい、田舎、田舎だよ、フォーゲリア領は。わかっているよ。壮大な土地があるよ。空気は澄んでいるよ。
「失礼だけど、お父さんは?」
「父は、町外れの工場で日夜、母の薬と私の学費を作るために離れて暮らしています」
「ふーん、お父さんの働く工場って何?」
「鍛冶職人です。物作りが得意な父なので」
「みんなまとめてうちの領地にに来る気はない?トルシエさん。うち鍛冶職人も募集しているんだけど」
「え?」
「トルシエさん、優秀な人だよね。努力がこの試験でよく見られる。この試験簡単だった?」
「いえ、初めて見る算式で初めどうやるのかわからなかったのですが、解いていくうちに法則がわかって、それからは楽しくて楽しくて夢中で答えを探しました。こんな楽しい試験は初めてです」
「ふーん、じゃー、これ使ってこのドリルの答え出せる?」
僕は見込みがある人にそろばんを教えて,ドリルをやってもらうことにしている。使い方を覚えれば早いなぁ。
「これは画期的な計算道具です!素晴らしい」
絶賛いただきました。ブラッド、ルーアン、ローガンとうちのできる事務官と従者達はいとも簡単にやってしまうんだよなぁ。
ロナウド兄様は合格であろう人には暴露しているんだ。
「もし合格したらこのケビンの元で働いてもらうから、覚悟しておいてね」
そう、それを言った後は、みんな同じ行動、同じ顔をするんだ!俺をまず見て狐につままれたような顔をするんだ。
ウェルス様までひどいことを言うんだよ。
「私もこのケビンに馬車馬のように働かされているんだよ。それほど仕事が次から次へと舞い込んでくるんだ」
ブラッドとローガンは大きく頷いている。
「トルシエさん、この話はみんながとても大きく歪曲されているので聞き流してください。もし移り住むようなら、魔道列車の代金を出すのでいつでも移り住んでくださいって、合格を言っているみたいですね。でも、優秀な人材がうちには欲しいので、従業員特典を言ってしまいます。まず、マジックバッグ。これで荷物を入れて移り住んでください。それから家族寮を作ります。弟と妹がいるなら保育園などに行って友達作りしてもいいですね。基本的な読み書き、計算や剣術など様々なことを教えてくれます。街に出たい時は貸し馬車があります。社員食堂があるのでいつでも食べられます。勿論自分で作っても大丈夫です。野菜など作りたいときに保存庫に来れば食材がありますので。まだまだ従業員特典はありますが、それは入社してからです。ぜひご検討を」
「あははは、す、すみません。笑ってしまい申し訳ございません。あの、ケビン様の元で働くのを想像すると、なんだか大変なのかもと思ってしまうと同時に楽しい未来があると思ってしまったのです。弟と妹達と一緒に移り住むことができるなんて。まだ合格したかはわかりませんが、よろしくお願いいたします」
優秀な人材ゲットだぜ!
退出する時、トルシエさんが俺にお辞儀をしてきた。
「本当にバラをありがとうございます。あのバラのおかげで母の体調が良くなりました。あの時ケビン様を見かけてよかったです。本当にありがとうございました」
泣かないで!でも小さな子供いう言葉が心に突き刺さる、お年頃のケビン君なんだぞ。
「領地に来たらもっとお母さんの体調が良くなるかもしれないよ。よーくみんなと相談して、領地移動を考えてね。特にお父さん。僕が王都にいる時に面接したいね」
「父に早速言ってみます。父のことは本当は言ってはいけないのですが、父をアピールするので言ってしまいます。意地の悪い雇い主に酷い仕打ちをされているのです。ですが俺たちのために耐えているのです。ぜひ父と面接をしてください。お願いします」
「いいよ、お父さん仕事何時に終わるの?そのあとでもここにきて欲しい。僕、待っているよ。仕事がいっぱいあるから仕事をしているよ。ねっ、ウェルス様、ブラッド、ローガン。そうだ、家族みんなでここの社員食堂に食べにおいでよ」
ウェルス様、ブラッド、ローガンはえっ!って顔をしたけど、仕事が溜まっているからいいのだ。まぁ東地域に行けないから、仕事をなるべく少なくしないといけないよ。
「まさか、ウェルス様、飲みにきたのですか?ライアン様とドバイン様と一緒に飲み明かそうなんて思ってましたか?」
「えっ?いやー、私も領地でこき使われていたのだから、王都ではいいだろう?な?ケビン」
「まぁ、飲むのは程々にしてくださいね」
「おー、ありがたい。様々な酒を持ってきたからライアン達に自慢しようと思ってな!あははは」
ライアン達って、他にも誰かいるのかな?まぁ、いいか。
「では、夕方待っているので、みんなを連れておいでね」
その後も優秀な人材がいたので、入社してくれればいいなぁ。あの貴族の人たちは不合格。どうせ王宮に入れるコネがあるから、こちらの試験は冷やかしで受けた程度だろう。試験結果も酷かった。計算ができていない。そして貴族優遇論者達。ムリムリ。平民も一緒に働くのにあんな考えの人たちは絶対いらない。むしろ邪魔。王宮をコネで入るって、そんなのばかりいる王宮の仕事、大丈夫か?
王宮で働いていた人がうちに転職を希望する人がかなりいた。いつでもうちにおいで!あんなコネで入った奴らの下で働くなんて、かわいそうだ。うちは優秀な人材がくれば儲けものだ。わっはっは。
さぁ、今度は魔道具士面接だ。どんな魔道具を考えてきただろう。プレゼン楽しみだな。




