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118 王都〜やっと王都散策でも迷子かな?迷子だよね1

 やっと王都散策に行くんだ。今回はロナウド兄様、僕、ルーアンで散策だ。ブラッドはイーサン兄様と一緒に学園時代の仲間を集って勧誘活動。


「ロナウド兄様、王都のお店どんなものがあるのでしょうね。楽しみです。串肉売っているのかな?フルーツやお菓子売っているのですよね」


 串肉は異世界転生ものの鉄板ではないか?るんるん気分で歩いて中央まで行く。迷子になったら商会の王都支店に行くように、何度も何度も言われた。わかっているし、迷子にならないって!お金も持っているし、迷子になっても大丈夫!


「ケビン、キョロキョロしていると本当に逸れるからな。あと、スラム街のようなところに行かないように。自ら首を突っ込むことがないように。わかったかー?」


「はーい、わかってまーす。ん?兄様、あれ何ですか?なんだか吊り下がっているのですが。あれは何ですか?なんの毛?ああいうものも売っているのですね」


 よくわからないコウモリのような、ネズミのようなものが干して吊るしてあったり、店頭で焼き物をしていていい匂いがしていた。しかし人が多い。ロナウド兄様の手をしっかり握り、後ろにはルーアンがいることを確認。よし!


 まずはやっぱり雑貨屋さんに足を運んだ。この世界の刺繍のパターンや目新しいものがあるか見て回った。それほど心躍るものはなかったが、母様に髪飾りを買った。ジュリにはドラゴンの置物があったのでそれを買った。だいぶ歩いたところでお腹が空いて来た。一通り見て、歩き疲れた。


「兄様、串肉が食べたいです。大きい肉を齧り付きたいです」


「おっ、いいな、この前王都で食べた串肉が絶妙な塩加減だったんだ。そこに行こう」


 もうワクワクが止まらない。こんなに店があって楽しい。


 でも、焼き小籠包や大きな唐揚げや、大きなイカ、串に刺さったいちごやブドウがないなぁ。あのモンブランのような緑色のアイスも団子もメロンパンもウナギのおにぎりもない。


 こっちの甘いものを鑑定するとウメのような実のシロップ漬けやラズベリーっぽい赤い実、ラベリーがそのまま売っていた。フルーツのシロップ漬けが街では主流なのか。


「ケビン、ほら迷子になるぞ、手を離さないで。ルーアンが串肉を買ってくるからここで待っていよう」


「串肉、肉、肉、にくー」


 ロナウド兄様が痛い子を見る目で見ている。そんな見ないでください。


 ルーアンが串に刺さった大きな肉を買って来た。何の肉だ?鑑定してみると、あー、オークの肉とコカトリスの肉のコンボ。美味しそう。


「ほら、ケビン、洋服に垂らさないように気をつけて食べるんだよ。肉汁が垂れてくるから」


 僕はガブリと一口食べた。うまーい。絶妙な塩加減。ミディアムレアぐらいだな。でも柔らかく焼けている。この店主やるな!


「兄様、おいしいです。この焼き加減と塩加減、おいしいです」


「そうだろう。俺も食べてびっくりしたんだよ。勧められるだけのことはあるよ」


 兄様達はペロリと食べてしまっている。僕はカミカミモグモグ、頬張って食べている。


「ルーアン、ルーアンはあっちに確か甘い果実水が売っていたから買って来てくれ」


「俺はもう少し肉が食べたいから買ってくる。ケビン、ここで食べていてくれ。絶対フラフラしてはダメだぞ」


 兄様とルーアンはすでに食べ終わり次を買いに行こうとしている。僕はまだ半分も食べていないので座ってのんびり食べることにする。


「わかってますよ。まだ肉があるのでここに座って食べてます。もしくはあの大道芸を見ています。いいですか?」

 

「あぁ、あそこなら大丈夫だろう。では行ってくるよ」


 兄様達が買いに行っている間に、お肉を頬張って食べていた。なかなか食べ応えある肉だ。うまいし、これは毎日でも食べたい。毎日ルーアンと買い食いしにこようかなぁ。


 自分の肉が食べ終わってもまだ2人は帰ってこなかった。今昼時だから混んでいるのか。まぁ、しょうがない。


 大道芸が始まったみたいだ。行ってみよう。小さい子は前の方へ行ける。僕も背中を押され前の方に行けたが、ちびっ子ばかりだよ?俺もちびっ子、9歳だけど!


「ほらほら、ボク、みんなと座って見てね」


 うーん、ビミョーに嬉しくない。この子達ジュリより下ではないのか?まぁいいか、特等席で観れるし。


 大道芸はジャグリングや綱渡りや雑技団のようない棒やフラフープを使って演技していた。おー、体が柔らかいなぁ。


 大道芸も終わって、まだ兄様達帰ってこないなぁとボーっとしていたら、人の波に飲まれた。やばい、人の流れに押しやられてどんどん遠くになっている。人人人、大人の足しか見えないよ。踏まれないように、転ばないように頑張ったよ、僕。しかし、うっそーん。路地裏に来てしまったようだ。どこだここ?商会の位置も全くわからないよ。


 しょうがない、大通りまで歩いてみよう。


 キョロキョロ、表通りとは違い薄汚れた洋服を着た人たちが座っている。王都の裏と表だよな。裏にはこんなに人がいる。華やかな王都の影で、これだけ恵まれない人たちがいるんだよ。いたたまれない。王都にいる貴族達、なぜ目を背けるんだ。くそっ!


 あれ?教会?かな。子供達がいるから孤児院?もしかしてブラッドの想い人さんがいる?興味津々で近づいた。


「こんにちはー」




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