113 公爵家の庭園改造
公爵家の中に入ってもびっくり仰天。なんなんだ、これが玄関ホール?フットサルができそうだよ。しかし、この装備品の数々。ひょえー、領地もすごかったがこちらもすごい。甲冑、絵画、花瓶などなど、サッカーなんかできないぞ!総額おいくら?壊したら弁償できません。クラフトで模造品はできるかもしれないが、贋作として逮捕されてしまう恐れがあるのでしないけど。怖い怖い。
俺はイーサン兄様の袖をギュッと持ち、イーサン兄様の後ろを着いて行こうとした。それを見たライアン様は執事に指示を出していた。
「今回はガゼボでゆっくりお茶をしよう。ガゼボにお茶を用意しなさい。ガゼボでお茶をしよう。」
ライアン様はガゼボという言葉を連呼し、うちのガゼボ?とは違う本物のガゼボに案内してくれた。あー、よかった、あの屋敷では生きた心地がしないよ。
庭園までの道をキョロキョロと見てどんな感じにしたらいいか考えていた。
ガゼボはガゼボでこのままにして、この周りをアーチを作ってバラのアーチで彩るか、入り口付近や道から見えるところにバラ園を作ろうかな。いっその事、うちあるガゼボ?を作ってしまおうかなぁ。アニーベル様やアンジュ様が喜びそう。派閥以外の夫人達をお茶会に呼び、おほほほほ、ゆっくりと鑑賞してくださいね、なーんて優雅にお茶会をする構造。ムフフ、いいのではないか?
「ケビン、ケビン、また何やら悪どいことを考えているのではないか?いったい何考えた?また報告!」
「いやだなぁ、父様。単なるここにうちにあるガゼボ?みたいなものを作ったら、キャロライン様、アニーベル様やアンジュ様が喜ぶかなぁって。お茶会を開いた時に、オーホホホ、皆様今日は庭園を見ながらごゆっくりなさって、なーんて想像をしていました」
「ぶふっ」
「あははは」
「イヤだわ、ケビンくんったら」
「ケビン、おまえは」
「「はぁ」」
「でも、いきなり屋敷みたいなものができるとびっくりしますよね?ガゼボがあるところより奥まったところで庭園とガゼボ?をつくればいいのだろう。そこをバラ園とトピアリーを作って、ここのガゼボの周りにはバラのアーチを作りましょうか。道沿いの塀にもバラを植えてインパクトをつけましょうか?」
最近は従者ルーアンと事務官ブラッドがよく動いてくれ、クラフトをする時手伝ってくれるんだ。だいぶ手慣れたようだ、えらいぞ、みんな。
お茶を飲んだことだし、早速、アンジュ様に話を聞きながら、ドバーっと作りました。
土台は父様とロナウド兄様に作ってもらい、横長のコの字の屋敷を作りました。ここでもベルバラの世界だよ。シャンデリアが吊るされている豪華な部屋や閣議の部屋や絵画がある部屋を作った。なんでもありだよ。スキルって、チートってすごい!玄関先に女神の様な像を両左右に作り豪華絢爛。シェーンブルン宮殿もよかったが、豪華絢爛といえばやっぱりベルバラ。上を見上げれば絵、絵、絵。シャンデリア。うちのガゼボより豪華にしましたよ。
やりきりました。はっ!あー、また後ろを向くのが怖いなぁ。ちゃっちゃとバラを植えに行こう。
「あっ、父様、皆さん、ボク、ガゼボにバラを植えに行きますね。まぁ、このお茶会施設をゆっくり堪能していてくださいね。あー、庭師はどこかなぁ?バラを植えるのに手伝って欲しいなぁ」
そそくさと通り抜けようとしたら、父様に首根っこを掴まれた。足がブラーンブラーンしているんだけど。僕は猫じゃなーい。
「父様、ボク猫ではありませんよ。この持ち方は良くないと思いますよぉ」
あー、父様の僕を見下ろす目と見上げる僕の目が合っちゃった。
「ケービーン、すごい屋敷を作ったなぁ。みんなに説明しないとわからないのではないか?ん?ガゼボにバラを植えに行くのか?ん?」
「イエ、ミナサンヲアンナイシマス」
恐る恐るみんなを見ると僕に一点集中、視線が注がれている。
てへへへへ。
「やりすぎましたか?」
うちにいるメンバーはいち早く復活している、さすがだね。
「ケビン、フォーゲリア領地のガゼボ?と同じ作りなのかしら?」
アンジュ様の質問に答えるケビンくん。
「はい、同じ様な作りですが、こちらの邸宅の方を豪華絢爛で作りました。まずはこの玄関前の女神像。この国の信仰女神マルティナ様、豊穣の女神様をドーンと作りました。あちらにはルガリオ達精霊をちょこちょこっと作って置いてあります。でも、やりすぎたのなら違うのにします。何か質問ございますか?」
ライアン様が手を上げた。はい、どうぞ!
「ケビンくん、違うものにもできるのか?妻のキャロラインにも聞いてみていいか?ルガリオ達の像は可愛いからそのままでいいよ。ただ、女神マルティナ様は壮大すぎる。我々のところに置く様な方ではない。烏滸がましすぎてどうしたらいいのやら」
すみません、勢いで作ってしまったので、そうですよね、でも、中の天井画はどうなってしまう?父様を見たが目を逸らされてしまったよ。兄様達は首を振るばかり。
「ケビン、中も案内してくれるかな」
フレッド様、知っていて先を促す、Sっ気があるのか、あるよね。笑っているもん。
「ライアン様、中も見ますか?」
中に入ったライアン様。思考停止状態だ。ホールにはシャンデリア多数。煌びやかなホール。天井はドーム型で天井高になっている。そして天井画。廊下にも天井画と大きな窓で明るいなぁ。
そして一部屋一部屋が違ったイメージ。庭園を見渡せる大きな窓がある部屋。窓は開けることもできるので、そのまま庭園に行くことができるし、テラスでお茶をすることもできる。ここで女性陣がお茶をすれば優雅に過ごすことができると思う。全体的にイメージはバラ。バラの間としよう。
次はロココ調の部屋。白を基調としたので白の間。水色の基調とした青の間。これらはカジュアルに使えると思う。
ヴィクトリアン調の部屋。
最後は木目調を基調とした落ち着いた、厳かな部屋。男性陣にいいと思う。
「どうですか、ライアン様、フレッド様、アンジュ様」
ライアン様が復活してくれた。
「ケビンくん、凄いな。バラの庭園が目の前に広がるのか。なんとも、はははは」
「ケビン、あはは、相変わらず凄いよ。良いんじゃないか、なぁ、アンジュ」
「えぇ、とても素晴らしいわ。ここでお茶会をしたいわね」
うん、キャロライン様の意向を聞いて補正しましょう。
さあ、バラを庭師と一緒に植えようっと。公爵家は庭師もいっぱいいるんだよなぁ。手入れをしてくれるだろう。その後、バラの庭園、ガゼボ周辺バラを植え、アーチを作り、塀沿いにもバラを植えた。
魔鳥でキャロライン様にバラの配色を聞いていたらしく、塀の東側は真紅のバラと濃いピンクと薄いピンク、塀の西側は黄色と白とオレンジ。見せられない青と紫はガゼボに集中させた。
早くバラの花、咲かないかなぁ。美しいだろうなぁ。




