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112 公爵家タウンハウスに連行される馬車の中で

 僕の言った一言、公爵家にバラの庭園を作ることで公爵家タウンハウスへ向かっている。みんな行動が早いなぁ。ゆっくりでいいのに。僕は連行されるがままである。イーサン兄様とロナウド兄様が帰ってきたので一緒に公爵邸へ伺うことになった。


 タウンハウスの馬車はまだ新型ではないのでお尻が痛い。魔道具施設を作ったので、そこで新型馬車を作ってもらおう。木工施設も必要になるのか?


「ロナウド兄様、お尻が痛いので、新型馬車をこちらでも作ってください。あっ、マジックバッグで持ってくればよかったのか?失敗しましたね」


「そうだな、まだ忙しすぎて新型馬車をそんなに作っていないからな。人が足りないんだよ」


「わかるよ、ロナウド。魔道具作りも忙しい。研究したいのに、作る方が先なんだよ。ケビン、もう少しゆっくりして欲しいなぁ。ケビンが書いた作って欲しいノートがまだまだ研究ができていない。どうする気だ?」


 2人から、そんなことを俺に言われてもわからないよ。僕、魔道具作れないし、こんなのあったら便利だなぁと思ったものを書いているし、うーん、うーん。そうだ!寄親は寄子の面倒を見るのだからいいのではないか?うちはそんなに利益主義者ないし、手広く広げても破綻するのが目に浮かぶ。そう、前世でも人気が出てくると利益で、店舗を増やしすぎて結局、閉店する店が出るという悪循環。それよりはやはりここがいいと思わせて、何回も通ってもらう方が良いと思うんだよ。多くても3店舗ぐらいでいいのではないか?


「ライアン様とステファン様に丸投げしてしまえばいいのではないですか?それが一番楽ですよ」


 みんな、呆れたため息をしているけどさ、一番それが楽でいいと思うんだけどなぁ。


「それとも分業制で、主要な部分バネと組み立てはうちで、あとは他に任せられるところを任せる、あっ、でも、雑にされても困るから一通りやっぱり管理したいですね。分業制はやめておきます」


 安全第一、信用大事。他に任せて雑にされ、欠陥品を出されて信用を失うのは怖い。自信を持ってフォーゲリア産です!と言いたい。分業制はやめておこう。


「人材はドバイン様やウェルス様にも協力を仰いでいるので、あとは面談をまたしたいと思う。ケビン、一緒に面談できるか?」


「いいですよ、いい人たちが来てくれればいいですね」


「まぁ、今、うちの魔道具施設が注目を集めているんだよ。あの王宮魔道具開発部門よりもこちらに就職したいという者達が多い。王宮魔道具開発部門は貴族のコネが多いから研究に打ち込むタイプではないし、新しい魔道具を考える頭もない。しかし、うちはお前の奇想天外な発想で、新たな魔道具を作る研究ができるし、ケビンと議論をするうちにまた新たな魔道具を考え出すことが出来る。だから実力主義の優秀な人材が来そうだよ。あははは、ケビン!お前が作った魔道具施設と研究室が魔道具士達の道を切り拓いたと言えるよ。これからどんどん魔道具が開発された平民達にも行き渡る時代が来ると思う。俺たちはその最先端で開発できるんだ!これほど魔道具士に取ってワクワクする様なことはない」


 イーサン兄様が魔道具士について熱弁しているが、僕は兄様の奇想天外なという言葉が気になり、僕をディスっているのか?褒めているのか考えていて、半分しか聞いていなかった。


「イーサン兄様、それでは作って欲しいノートにもっと書いて良いということですね!やったぁ」


「待て待て待て、まだ整っていない。これから面談だって言ったよな。学園の卒業したての新人も雇うんだ。まだうまく行くかわからないんだよ」


「では面談に自分が思い描くこれから作りたいと思う魔道具を書いてきてもらってください。それを面談の時に発表してもらいます。そうすれば、その人の思いと、逆にアドバイスをして、合格して入ってきた時に研究して貰えば良いのではないですか?」


 プレゼンしてもらうのもアリだと思う。どれだけの熱量を持ち、どれだけの自分をアピールできるのか。でも、研究職はコミ症か?どうなのだ?イーサン兄様も魔道具開発になると熱弁するから大丈夫か。本当に魔道具士の中に入って話をすると延々と話をするんだよ。熱量がすごいんだ。僕は眠くなるけど。イーサン兄様の周りはそんな人たちが多いんだ。そういう人たちがもっと集まれば良いなぁ。暑苦しいけど。


「なるほど、募集要項に書いておくか。良い案をありがとう、ケビン」


 そうこうしている間に公爵家タウンハウスに到着した。うーん、これがタウンハウス?大きい屋敷。タウンハウスと言っているのに大きい屋敷。そして王城に近い。城が大きく見えるんだ。うちから見える王城は距離がある様に見える。しかし、ここは歩いていけるのではないか?駅近の範囲じゃないか?あー、貴族は近くても歩かない、そうだよね。


 王都に到着した時、王城は遠くに見えた。形は西洋の城、まさに日本のネズミのランドの城かドイツの白鳥の城の方が近い形。あの上の方の塔はエスカレーターやエレベーターはないのだろう。えー、あそこまで歩くの嫌だな。王城には行かないけど。


 門から屋敷まで長い。まだ玄関につかない。タウンハウスの庭園は緑が多い、ゆったりとした雰囲気の庭園だ。まさか、あれがガゼボ?ガゼボって家ではない!屋根があり、柱があるだけの空間。俺は兄様達を見た。


「あれがガゼボというものですか?」


「「う、うん、そうだね、アレがガゼボだな。一般的にいうガゼボと言われているものは」」


 はぁー、やってしまった。全く違うじゃないか。だからみんながいうガゼボ?ハテナマークなんだな。こりゃまいった、まいった。


「ケビン、まぁ、今に始まったことじゃないから気にすることはないよ」


 みんながイーサン兄様の言葉に賛同している。トホホ。


 そして公爵家タウンハウス玄関に降り立った。


 執事、侍女、メイド、従者が一同にお出迎え。こんなにいるの?公爵家って。領地にも沢山いたのにタウンハウスでもいるんだ。あれ?うち10人以上いるよね?



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