僕の声が届きますように。
内容を伝えるのは苦手と言うことを改めて実感致しました( ̄▽ ̄;)
今回は前回言った通りにいつもよりは明るい作品を描きました!
個人的に思う様に幕を閉じれましたので是非読んで頂けたらと存じ上げます。
もし物語に矛盾や誤字、脱字等が御座いましたら御報告下さい。
蒼然とした空。
雲は浮かび飛行機が飛ぶ。
それは日常を彩る風景。
僕はそんな空が好きだ。
曇りや雨と言った悪天候の時は気分がどんよりと沈んでしまう。
人は多分そんな物だ。
機嫌が悪い人にはなるだけ避ける。
機嫌が良い人には進んで声を掛ける。
人は風景や雰囲気に依存する生き物だ。
僕もその一人。
故に皆は常に明るい子を好きになり易い。
ずっと晴れだからだ。
その子が鬱屈としていると皆心配になる。
だがいつも鬱屈としている子は明るくなると気味悪がられる。
だから僕はいつも明るく接している。
僕は人に好かれるのが好きだ。
同時に人を好きになるのも僕は大好きだ。
恋愛。
それは歳を重ねる毎に薄れていく。
だから僕は若い内に精一杯楽しんでいた。
今だって好きな子が居る。
その子は青空の様に綺麗で太陽の様に明るかった。
僕はそんな彼女に一目惚れした。
僕は初めて本当の"好き"を実感出来た気がする。
多分生まれて初めてかもしれない。
ここまで人を好きになったのは。
僕はその子を思い出すと胸が高鳴った。
その子と目が合うと不思議と逸らしてしまう。
その子が眩し過ぎる所為かもしれない。
その子に話しかけられると気恥しくなり真面に呂律が回らない。
それを見て彼女は笑っていた。
とても面白そうに。
そして楽しそうに。
人を揶揄うのが好きな子なのかもしれない。
一緒に居て楽しい。
彼女は皆に好かれている。
故に恋敵は多い。
だけど例えこの恋が実らずとも彼女を応援するつもりだ。
これは多分僕が半ば諦めているから言えるのかもしれない。
彼女は高嶺の花だ。
僕と彼女では不釣り合い。
だけど恋はネガティブになっては駄目だと思う。
だから僕はなるべくポジティブに考える様にしている。
じゃないと胸が張り裂ける思いをしてしまう気がするから。
今日も僕は日常を送る。
楽しくて暖かい青春を。
僕は日常が好きだ。
今日は彼女から話しかけてきた。
昨日放送された今流行してるアニメの話。
それは深夜放送でかなりグロテスクだが何故たかあらゆる年齢層に人気があるアニメだった。
確かに面白いし感動もする。
僕も好きなのでよくこの話をしていた。
流行している分皆も口々に話し合う。
それ故に彼女も僕以外の人共話し合う。
嫉妬はしてしまうがそれは身勝手な事。
だからあまり考えない様にしている。
彼女が楽しそうに笑顔で話している姿を見るだけで僕は十分だ。
あれから放課後一緒に帰る事にした。
道順も同じだから。
彼女は勉強が捗らないと不満を口にした。
分からない箇所があるなら手伝うよ。
僕がそう言うと彼女は本当!?と嬉しそうにはしゃいだ。
僕も嬉しかった。
喜んで貰えた事が何よりも。
あれから彼女に家に行く事になった。
最初は彼女が来ようとしたのだが僕の部屋は今生憎足を踏み入れられる状態じゃない。
掃除の途中だからだ。
そんなこんなで僕は彼女の部屋にお邪魔した。
初めての女子の部屋。
変態的な意見だが良い香りがする。
ベッドには兎や熊のぬいぐるみ。
典型的な女の子の部屋だ。
本棚には有名な少女漫画の雑誌。
そして付録の物も置かれていた。
壁には兎の形を模した時計。
顔を見る鏡。
何だか落ち着かない。
油断したら貧乏ゆすりをしてしまいそうになる。
二人で机に教科書やノートを置いて勉強をする。
静寂。
時計のカチカチと鳴る音が緊張を高ぶらせる。
何か話題を言いたい。
だが勉強中。
彼女が質問してくるまでは何も喋れない。
ふと彼女が頭を掻き始めた。
分からないのかう〜んと唸る。
僕が分からない所あったと聞くと彼女は分からない箇所に指を指してここが分からないと少し苛々とした様子で僕に聞いた。
僕は答えは教えず解り易くなる為の解き方を教えると彼女ははっと何かを導き出したのかノートにスラスラと記号を書く。
合っていた。
僕が正解と言うと彼女はやったー!と両手を上げて歓喜した。
それからはペースが上がり僕よりも早く勉強が終わった。
それが余程嬉しかったのか遠回しに自慢した。
私の方がちょっと早かったよねと。
僕はそれにこう返した。
凄いよ解き方が分かっただけであそこまで早く解き終えるなんてと。
褒めるのが苦手な僕なりの褒め言葉。
正直凄い。
あそこまで理解力があれば多分良い大学に行ける。
僕は自分で言うのもあれだが頭が良いと言う自負がある。
一応青海大学と言う頭の良い大学に行く予定だ。
彼女は今大学に行けるか危うい状況らしい。
僕は彼女と離れたくない。
だから彼女に勉強を教えた。
彼女は思ったよりも理解が鋭い。
僕なんかより余程。
僕は安堵した。
彼女に一緒の大学に行かないかと誘った。
すると彼女はこう言った。
大学には行かないと。
僕は頭が真っ白になった。
何で行かないのか理解が出来なかった。
僕が何で行かないかと聞くと彼女は黙った。
その表情は悲しみと不安に満ちていた。
僕は何かあったのかと聞くと彼女は微笑みながら何でもないとそう言った。
その笑顔には違和感があった。
一生懸命笑って誤魔化そうとしている様なそして未来に対する不安の様な物が見て取れた。
僕は彼女が大学に入れないのは頭に自信が無いのかと勘違いをしこう言った。
"君は必ず大学に入れるよ!"
そう言うと彼女は俯せ体が震えていた。
泣いていたのだ。
僕は何で泣いているのか分からず意味のない謝罪をした。
"何も分かってない癖に…
ごめん…今日は勉強を教えてくれてありがとう。"
"今日は…ちょっと帰ってくれない?"
彼女はそう言って涙を拭い僕にそう言った。
僕は嫌われたのかと何か粗相があったのかと不安になりながらも何も言えないまま家に帰った。
そして今日を終えた。
翌日、教室に入ると彼女の姿は無かった。
僕は不安に駆られた。
僕の所為で彼女が来たくなくなってしまったのかと。
僕は不安になり放課後彼女に家に訪れた。
すると彼女は家から出てきた。
その顔はどこか暗かった。
僕は昨日の事について謝った。
彼女は大丈夫だから気にしないでと精一杯の笑顔でそう言った。
そして彼女は次にこう言った。
"一緒に…デートに行かない!?その…時間空いてるかな…?"
僕は一瞬状況を呑めなかった。
でーと…?
デート…?
デート!?
僕が事を理解するのに数刻を要した。
そして出てきた答えが喜んで…であった。
あれから速攻家に帰り準備をした。
服装を整えて髪を解き歯磨きをして香水をして準備を整え待ち合わせの場所まで胸を高鳴らせて走って行った。
集合時間の1時間前には到着した。
するとあれから30分後に彼女は到着した。
お互いに早い時間に到着した事を笑い話に緊張を抑えながらデートを楽しんだ。
服を見たり人気な可愛いキャラのお店を見たりゲーセンで遊んだり沢山楽しんだ。
彼女に奢ろうとしたが彼女は遠慮をした。
ゲーセンではぬいぐるみを取ってあげた。
それを抱き締めて綻んだ。
楽しい至福の時間。
それはあっという間に過ぎ空は暗くなった。
街頭の光と川の流麗な音。
僕は告白を決意した。
告白をするタイミングを伺う。
今だ!
"あ、あの!"
僕に振り返る彼女。
僕は意を決して告白をした。
"ぼ、僕と付き合って下さい!"
その言葉を聞いて彼女は目を大きく見開き困惑していた。
"…え…?"
返事を待つ。
だが返事は帰ってこなかった。
彼女は膝から崩れ落ち泣き崩れた。
僕は状況を呑めず困惑する。
彼女に必死に謝る。
"いいの…気にしないで…その凄く嬉しい…だけどね…付き合えないの…"
僕はこの様な状況下で聞く事では無いと理解していながらこう問うた。
"ごめん…理由だけ聞きたい…"
彼女は僕の目を見て僕に力一杯抱き着いた。
彼女はうわぁぁあん!と泣きながら僕に精一杯訴えた。
"私ね…癌かもしれないの…!…だからね…怖くて…大学にだって行きたいよ…!…でも…もう私は生きられないかもしれない…怖くて…好きな人の告白を…降るのも…辛い…"
僕は彼女を力一杯抱き締めた。
大丈夫だからと。
必死に。
あれから少し落ち着きベンチに座る。
"ごめんね。情けない所見せちゃった…でも言えたから少しスッキリした。君をデートに誘ったのも多分このどうしようもない漠然とした不安を紛らわせ様としたのかもしれない。後…多分少しだけ君が告白して来るのを期待したのかも。"
僕は彼女の手を強く握りこう言った。
"癌だって決めつけては駄目だ。
それにもし癌だとしても手術が失敗すると諦めては駄目だよ。
諦めては可能性を無に帰すだけだ。
それにね情けなくなんか無いよ。誰だって怖い。僕だって抑えられないよ。泣いて助けを求める。それが人の在り方だ。
だから約束して。
これからは一人で抱えず怖かったり悩み事があるならいつでも相談してよ!
ごめん、話が長くなっちゃったね…あはは"
彼女はううんと首を横に振りはにかみありがとうと僕に伝えた。
そして彼女は気恥しそうに僕にこう言った。
今日私の家に泊まってと。
僕は驚きに声が中々発せずそれを見て彼女は笑っていた。
あれから家に帰り着替えを詰めて彼女の家に向かった。
彼女の両親は事情を聞いたのか僕を家族に接する様に暖かく待遇してくれた。
晩御飯は白米そしてパセリの胡麻和えと味噌汁、鮭にとろろ。
味噌汁は普段食べる味とは違った感じがした。
なんと言うのか塩っぱい感じがした。
家でいつも食べるのはもう少し甘い。
悪くない。
寧ろ美味しい。
学校に出てくる味噌汁の味に近い印象を受けた。
あれからお風呂に入り就寝時間。
僕は彼女の部屋で眠る事になった。
僕が床で寝ようと腰を下ろすと彼女は僕の襟首を掴んで頬を紅潮させてこう言った。
"一緒に寝よ…"
僕も同時に気恥しくなりながらもベッドで二人横になった。
彼女が僕の背をトントンと小指で啄いた。
"目を瞑って私に振り返って…"
僕は聞こえず彼女が何を言ったのか聞き返そうと振り返るとその刹那に口に柔らかい何かが当たる感触を覚えた。
目の前には彼女の額。
僕は何をされたのかと理解するのには少し時間を要した。
彼女は気恥しそうに見て本当に目を瞑っていたのかと問い質してきた。
僕は何を言われたか理解出来ず目を瞑っていなかった事を伝えると彼女は頬を膨らませ馬鹿と小声で愚痴を零した。
僕は謝りそして眠ろうと目を瞑る。
背中に当たる暖かく柔らかい何か。
彼女が僕の背に抱き着いたのだ。
僕は動揺し何をしてるのかと聞くと彼女はこう言った。
"この状況で普通眠る…?"
僕は何を言っているのか理解出来ずえ?と声を零すと彼女は更に力強く抱き締めてこう言った。
"意地悪…"
彼女は起き上がり服を脱ぎ始めた。
僕はあまりの状況の飛び起きてこう言った。
"な、何してるの…!?"
そう言うと彼女は頬を赤らめ上目遣いで僕にこう言ったのだ。
"本当に…分からないんだ…そ、その…や…ヤリたい…"
僕は自身の身体が熱くなるのを感じた。
恥ずかしく今何が起きようとしているのかを全て理解して。
"そ、そんな…!駄目だよ!僕たちまだ結婚してないのに!"
彼女は声が大きいと言わんばかりにしぃ!とジェスチャーをした。
"…私は…女としての喜びを感じたいの…じゃないと…癌だって決まった訳じゃない事は分かってるの…だけどまだ…怖くて身体が震えちゃうの…だからお願い…駄目かな…?"
僕は意を決して承諾した。
肌と肌が密接に当たり互いの舌と舌が絡み合う。
初めて入れる膣の中。
それはとても暖かく僕を締め付けた。
ゴムを付けていないと言う事もあり少し緊張と恐怖を感じながらも事を終えた。
そして互いに見つめ合い眠りに着いた。
早朝。
互いに目覚め時は偶然か同じであった。
朝食を食べ終えて互いに部屋に入り会話をする。
彼女はどこか恥ずかしそうではあったがそれは僕も同じだ。
そしてあれから僕は家に帰り彼女とメールでやり取りをしそれからは普通の生活を互いに送り今日病理検査を受けに行くらしい。僕は心配と不安で胸が張り裂けそうであった。
だが彼女や彼女の両親は僕なんかの比じゃないはずだ。
だから僕は希望を抱いて彼女から伝えられる結果を待った。あれから病理検査を終えた旨を伝えられた。
あれなら2週間と少し経過した頃結果が届いたらしい。
結果は癌であった。
癌の種類は大腸癌であったらしい。
だがまだそこまで進行はしていないらしく希望があるそうだ。
彼女は暫く入院するらしい。
彼女は僕の胸で精一杯に泣いた。
"私…やっぱり怖いよ!まだ…死にたくないよ…貴方と結婚して…子供も…欲しい…"
僕は彼女を力強く抱き締めて彼女を必死に慰めた。
あれから数日後。
彼女は病院に行き手術を受けた。
僕は毎日彼女の病室に見舞いに行った。
彼女の顔を疲労により窶れていた。
だが僕が来ると精一杯頑張って笑ってくれた。
胸の奥が痛い。
何も出来ない弱い僕が恨めしい。
そして更に月日は経ち癌治療を無事終えた。
彼女はリハビリを終えやっと家に帰れた。
僕に力一杯抱き着いて泣きじゃくった。
僕達は互いに抱きしめ合いながら泣いた。
あれから半年経つか経たない頃僕達は結婚の話が浮上した。
流石にまだ早い気がする。
僕達はまだ高三だ。
だから後もう少し高校を卒業した頃にその話を持ち出そうと約束した。
そして彼女は今日CT検診があるそうだ。
彼女は行ってくると言って笑顔で検査に行った。
帰ってきた彼女の顔は何処か不安そうであった。
あれから4日後。
結果が分かった僕達は膝から崩れ落ちた。
CT検査の結果は転移ありとの事。
彼女は深く絶望した。
どうやら全ての癌は取り去る事は出来ていなかったらしくそれが肺に転移したそうだ。
あれから数日後、彼女は病院で入院した。
そして末期癌(ステージ4)である事も告られてしまった。
僕は病室では泣かぬ様に努めた。
一番辛いのは彼女だから。
僕は彼女の手を取り謝った。
"なにも出来ない…僕をどうか許してくれ……"
溢れる涙を抑えられない。
彼女はハンカチで僕の目尻を拭い微笑んだ。
"君が…諦めたら駄目だって…言ったのに…本当に身勝手…"
彼女の顔は今尚生きる事を諦めていなかった。
僕は自分の不甲斐なさを悔み涙を抑えて震える声で謝った。
あれから僕は家に帰り身体が枯れてしまいそうになる程に泣いた。
そして彼女の父と母にはこう伝えられた。
持って後4ヶ月。
僕は死にたくなった。
彼女を救えない僕の弱さを恨み憎み自傷した。
許せない。
僕は自分が許せない。
彼女の病室に行くと彼女の目は紅く腫れていた。
沢山泣いたのだろう。
そして僕を見てまた微笑んだ。
僕は胸が締め付けられた。
そして彼女はこう言った。
"ごめんね…多分君と同じ大学に行けなくて。もう学校も退学しちゃった。もう半ば諦めてる。まだまだ未練はあるけど…それは君に託しても…良いかな?"
僕は涙を必死に抑えこくこくと頷く。
"ありがとう…私の未練はね"
あれから4ヶ月後。
彼女は死去した。
あれから4ヶ月の間僕達は沢山思い出を作った。
彼女の両親は僕に深く感謝をした。
臆病だったあの子が最期まで笑えたのは貴方のお陰だったと。
僕は涙を沢山流した。
通夜と葬式を終えた後僕は鬱病と診断された。
だが今は心の拠り所が出来た。
僕はあれから10年後に結婚をした。
子も産まれて幸せの絶頂期であった。
彼女のお墓には今尚通っている。
今日はリコリスと言う花を添えた。
そして帰る途中前までは生えていなかった花が僕の車の真横に咲いていた。
それは白い彼岸花。
成程。
これが君のメッセージか。
なら僕も。
僕は近くの花屋でピンクの薔薇とミヤコワスレを買って白の彼岸花の近くにそっと添えた。
どうか。
僕の声が届きますように。
最後までお読み頂き誠に感謝申し上げます。
恋愛小説を描くのは意外にも楽しい物です。
次回はどんな作品にしようか…
悩み所です笑
いやしかし最近は季節の変わり目。
皆さん健康には気を付けて参りましょう!
ではまた次回お会い出来ましたら光栄至極存じ上げまする!
次回も乞うご期待!