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伐魔剣士  作者: ヌソン
序章 最初の決意
18/80

いつもの日々

「……んがぁ…!?」

外の喧騒と陽の光に照らされ、目が覚める。

六畳程の大きさの部屋の真ん中に敷かれた布団。

麗はその上で眠っていた。


「……」

見覚えのある天井、昨日ここで起きた気がする、その時よりも体が怠い。

「……ふわぁ…」

(もっかい寝よ)

寝ぼけた頭で、足元にあった掛け布団を持ってきて再び包まった瞬間

バサ!

掛け布団が剥ぎ取られ、陽の光が瞼の上から眩しく降り注ぐ。

「起きろ、朝だ」

「あと…ごじかん…」

「駄目だ」

「むぅ、けちぃ…」

眠い目を擦りながら、渋々起き上がる。


体を起こすと包帯だらけの辰之助が立ちながら掛け布団を畳んでいる姿が目に入った。

見ず知らずの自分の為、街の為に傷だらけになりながら命懸けで戦ってくれた

その姿に、麗は安堵と僅かな胸の高鳴りを感じ、彼の顔を見ながら少し微笑みながら口を開く。


「おはよう、辰之助」

「…あぁ、おはよう」

明るい日差しが部屋へと差し込み、下の方では昨日よりも明るい気がする喧騒が街中に溢れている。

麗はその喧騒を確かに喜びながら、二人きりの部屋の静けさも自覚の無いまま噛み締めている。


「…んじゃ、行ってくる」

「へ?どこに?」

「街の修繕の手伝いだ」

「え!? そんなの辰之助がやる必要…」

「いや、そうもいかなくてな…」

すると何かが飛んでくる音が窓の向こうから聞こえ、どんどんと近付き、間近に迫る。


その音が到着すると同時に部屋の静けさが消え去り、外の喧騒に巻き込まれまかの如く雷鳴の様にいきなり声が響く。


「よぉし!起きてるな! 手伝ってくれ! 辰之助ぇ!!」

「晃次郎さん!?」

窓越しに着地し、羽織を脱いだ汗だくの晃次郎が笑いながら辰之助に話しかけている。


「お!起きてたんだな、麗!お前も来るか?」

「…えっ…どこに…?」

「…馬鹿野郎、病み上がりに働かせるな。俺は後で行くから待ってろ」

二人の会話を遮り、辰之助が口を開く。

「了解、今日は金菊邸の一階の修理だ、誰かが壊したからな」

「うるせぇ、先行ってろ」

「ははは! じゃあな! 早く来いよ!」

晃次郎が快活に笑いながらそう言うと窓から飛び、屋根の上を走って行った。


「…二人って…知り合いだったの?」

「いや? 初対面だったが?」

「…仲良いんだね…」

「一緒に作業してればな、お前三日も寝てたし」

「…………へ?」


「それと、俺もしばらくは討魔隊として活動するから仲良い方が動きやすい」

「ほへぇ!?討魔隊になったの!?」

「利害の一致ってやつだ」

「そうなんだ…そうだよね……強いもんね…」

「……そうでも無い…偶然だ」

少し悔しそうに辰之助は返すと、同時に辰之助が布団をたたみ終わる。

「っと、腹減ったろ?

ご飯用意してくれてるから、それ食ってから街を見て回れ」

辰之助に言われた麗が意識した途端、急激にお腹が空いてくる。


(…てか、三日も寝てたんだ…)

何だか申し訳なくなっていると、ふと意識を失う寸前の事を思い出す。

「そうだ、千彩さんは?」

部屋の扉が開かれた事で、その疑問は一瞬にして答えを得る事となった。


「…麗さん…?」

「千彩さん! 良かったぁ…! 無事だった…!」

「お陰様です、ありがとうございました」

「…うぅん、お礼を言うのはこっちだよ、二人ともありが…」

グゥゥゥ…!

麗がお礼を言おうとした瞬間、腹の虫が爆音で部屋に鳴り響く。


「……ぶふ…!」

余りの間の悪さに辰之助がちょっと吹き出す。

「酷い!笑ったなぁ!」

赤面しながら麗は辰之助をポカポカ殴り、千彩はその光景を微笑ましそうに見ている。

「あはは、悪い悪い、俺も腹減ったから一緒に食べよう」

「用意できていますので、冷める前に行きましょう」

麗は少しふくれっ面で不満そうな顔をしながら、三人は一階へと降りて行った。


「…もぐもぐ…」

個室の机いっぱいに置かれた出来立ての料理を麗が美味しそうに頬張っている。

「美味しいですか?」

「美味ひい!」

「それは良かった」

千彩は空になった食器を片付けながら、優しく微笑む。


「ごちそうさん、行ってくる」

一足早く食べ終わった辰之助が立ち上がり、麻袋を持って個室を出る。

「え!?もう行くの!?」

「晃次郎と歳典がうるさいからな、じゃあまた夜な」

そういうと草履を履き、小さく手を振る千彩に振り返しながら勢いよく宿から飛び出して行った。

「千彩さん、夜って何?」

「嶋田さんから「麗が起きたら討魔隊全員と夜に店に来い」と言われていまして、それのことですね」

「何で?」

「そこまでは・・・」

「そっかぁ…」

(親分がそういうことするの珍しいなぁ)

不思議に思いつつ食事に戻ろうと再び机の方を向くと


ニャン

いつの間にか机の上に乗っていた虚と麗の目が間近で合ってしまう。

「うわぁ!?びっくりしたぁ…」

「あ、虚さん、おはようございます」

麗の叫びに気づいた千彩が挨拶するとそれに応じて虚も軽く頭を下げ、麗の頭の上にヒョイっと飛び移る。

「わわっ!うぅ、やっぱりちょっと重い…」

『今日は私が案内いたします』

「本当!?ありがとう!ご飯食べてからね!」

『ごゆっくり』

黒い猫を頭に乗せながら再び口いっぱいにご飯を頬張る麗を千彩は嬉しそうに見つめ、少し離れた所で女将はその光景を見守っていた。


「じゃあ、いってくるね!」

「はい、行ってらっしゃい」

食事を終えた麗は虚を頭に乗せたまま、飛び出すように町へと繰り出していくのを千彩は笑顔で見送る。

「……っ…」

扉が閉まると同時に苦しそうに頭を押さえながら千彩はフラフラと奥へと歩き、それに気づいた女将が心配そうに近づいて肩を貸す。

「やっぱり、思った通りだよ」

「あはは、ちょっと無理しすぎました」

「あんたの方が毒にやられてるのに、休まずあの子の看病してたらそうなるよ」

「体力には少し自信あったんですが…」

「十分よくやったから、夜まで寝てな」

「そうさせてもらいます…」

女将に助けられながら部屋へと連れられ、手慣れた動きでいつの間にか敷かれていた布団へと誘われる。

柔らかく暖かい布団に包まれたことで千彩の瞼が重くなり、深い眠気が襲い掛かる。

「おやすみ、千彩」

「おやすみ…なさい…おふとん…ありがとうございます…」

笑いながらお礼を言った千彩は間もなく眠りに落ちていた。

「…お礼を言うのはこっちだよ…本当にありがとね」

心地よさそうに眠る恩人へお礼を告げた女将はしばらくその部屋で彼女を見守っていた。



礎静町 大通り



「意外と壊れてなかったんだね」

辺りを見渡しながら町を歩いている麗が頭の上の虚に語り掛ける。

『皆さんの働きが素晴らしいんですよ、それに歳典様の存在も大きい』

「でしょー!?」

自慢げに鼻を鳴らして嬉しそうに腰に手を当てる。

『昨日も麗様が出て行かれてから、他の方に叱責されて一念発起し、ほぼ一言でこの町の全員を纏め上げたとか』

「でしょでしょー!?」


『…昔は女にだらしなかったらしいですが』

「でし…え?そうなの!?」

『ある女性との出会いをきっかけにそれもぱったり止まったようですが』

「ある女性…多分私のお母さんだね」

『つまり…』

「親分は私の本当のお父さんって事になるのかなぁ…」

『それは何とまぁ…お伝えになるのですか?」

「伝えても変わらなさそうだしなー、別にいいや」

『…そうですか、ならば私も黙っておきます』

「ま、確実に言えることは…」

『?』

「私、親分の娘で本当に良かった!」

『…それこそ伝えてあげて下さい』

「えー、恥ずかしい」

『……』

「虚さん?」

『…失礼、考え事を…』

「もー、しっかりしてよぉ」

『ふふ、申し訳ありません』

そんな事を話しながら町の中を歩き続ける、途中何度も皆からお礼を言われて麗はその都度照れ臭そうにしているのを虚は頭の上から微笑ましそうに見ていた。

途中に行きつけの甘味処に山盛り串団子をお礼として貰い、今日一番の幸福を感じながら頬張っていると人影がフラフラと近づいてくる。


「それ、くれ」

やつれた顔で麗の団子を所望する少女、それは天姫から彼女を助けた灰髪の少女だった。

「あ、どうぞ…」

少し驚きながらも麗は許容し、皿を挟んで隣に座る。

「ふぃー、腹減って死ぬところじゃった、ありがとの」

「へ!?いやいや!お礼を言うのはこっちで…!」

「じゃあこれ全部くれ」

「…んぅ!?ダメダメダメ!全部はダメ!一…二本まで!」

「お主も大概じゃの」

と一本目を食べ終わった少女が二本目を掴んだ瞬間、遠くの方から金髪の少女が手を振りながら走ってくる。

「おーい!比那ぁー!そろそろ戻ろー!」

「あーい、今行くー」

串団子を持ったまま立ち上がり、呼ばれた方へと歩いていく。


「あの人、虚さんの仲間だよね?どんな人?」

『彼女は屍樂田 比那(しらくだ ひな)、もう一人は姉の紗那(さな)、それぞれ五番隊の隊長と副隊長ですね』

「昨日助けてもらったの、凄く強かった…」

麗が二人を眺めていると、比那が紗那に団子を渡してそれを食べた紗那が美味しそうに飛び跳ねている様子が目に入る。

『そうですね、彼女は我々の中でもかなりの実力者です、こと弓術においては右に出る者はいません』

「ふーん…」

二人を遠くから見つめる麗の頭に一つの考えが浮かび、虚がそれを見透かしているかの様な反応を見せて、少し言い淀みながら語り掛ける。

『……麗様、それは…』

「…虚さんは凄いね…うん、分かってるよ…我儘言っちゃいけないもんね…」

少し寂しげで残念そうな表情を浮かべながら串団子の皿を持って立ち上ちあがり、屍樂田の方へと駆け寄っていく。

「あの!」

「ん?なんじゃ?」

「これ、あげる!」

「えぇ!?いいんですか!?やったね!比那!」

「…いいのか?」

「うん、私はいつでも食べられるし、お礼も兼ねて…」

「……そうか、ならありがたく」

そういって残っていた数本だけ掴んでお礼を言った二人は作業へと戻っていった。


「……」

歩いていく二つの背中を何も言わずに見えなくなるまで見つめ続ける、そして見えなくなってもしばらくその場に立ち尽くしていた。

『……麗様…』

「…さ、食べ終わったから次行こ!虚さん!」

『……そうですね、行きましょう』

皿を店へと返した麗は軽やかな足取りのままその心中に秘めた思いを奥底へと押し込んで、町の散策へと再び歩き出した。


いつも見ていたはずの町の全てが何処か新しく感じてしまって時間も忘れた二人は町の中を歩き続けていたせいで、気が付いた時には辺りが暗く染まり始めていた。

「んー、そろそろかな」

『…そうですね、もうじき向かった方がいいかと』

もうすぐ今日という特別で何でもない楽しい日の終わりが近づき始めている、その中でいつもと少し違うことが起こりそうな予感を、暗くほんのりと赤みがかった空が静かに知らせてくれていた。

「あ、そういえば…何で討魔隊の皆はこの町に残っていたの?」

歳典の店に向かう最中、ふと疑問に感じた麗が虚へと聞いている。

『歳典様に『麗が目覚めるまでどうしても残ってほしい、目が覚めたら帰っていい』といわれまして…何故かの理由は明かされませんでしたが…』

「忙しくないの?」

『他の方が頑張ってくれていますので』

「ふーん…どんな人がいるの?」

『言葉では語り切れない程に様々な方が日々、民を守るために戦っております』

「もー濁さないでよぉ、気になるなぁ」

『…麗様…しつこいようですが…その…』

「分かってるって、この町に残るよ…親分も心配するだろうし」

『…』

「でも…」

麗が立ち止まり、少し涙声になりながら呟く様に口を開く。

「…私もなってみたかったなぁ、皆を守るかっこいい討魔隊に…」

『…お言葉ですが、軽い覚悟での入隊はお勧めしません、当然ながら戦いは常に命を失う危険が付き纏います』

「そうだよね、入りたいからって入れるものじゃないよね…ごめんなさい」

『……いえ…』

「あーだめだめ!折角良い事があったのに暗い気分になっちゃ勿体ない!切り替えて行こー!」

頬を両手で叩き、溢れそうな憧れと好奇心を抑え込む様に再び歩き出す姿を虚は何も言わずに頭の上から見ていた。


歳典の店の前へと到着する頃にはすっかり空が暗くなり、大通りにある店が少しずつ賑わい始めている、その中を通り抜ける様に千彩が少し遠くから小走りで近づいてくる。

「朝ぶりだね、千彩さん」

「一眠りしていたら遅くなっていました、もう揃っているはずですから入りましょう」

「おー!!」

「休業日」と書かれた看板を避けて扉を開くと中には他の五人が揃っており、扉が開いた瞬間全員がやってきた三人を見ていた。

歳典は受付の前に置かれた椅子に座り、いつにもなく真剣で深刻な表情を浮かべている


「お、来たぞ歳典」

「…そうか」

「んで、話ってなんだよ、おっさん」

「頼みたいことがあるんだ」

普段では考えられない程に真面目な声で、少し怯えた麗を一瞬寂しそうに見つめ、一呼吸置いて決意したように震えながら口を開く。


「麗を、連れて行ってくれないか?」

その言葉を聞いた瞬間、麗は時間が止まったと感じる程の衝撃を受けた。

「連れてくって、儂達に付いてくるって事は討魔隊に入るって事じゃが?」

「分かってる」


「わ、私は良いと思います……優しいし、良い子だし…私は好きです…」

「それ、お姉ぇの個人的な感情じゃろ?」

「別に良いじゃん!ただの一意見なんだからぁ!」

「とは言ったが、まぁ儂も良い、悪い奴じゃなければ歓迎じゃ」

「俺もいいと思うぜ、剣持ってすぐであんなに動ける奴ぁ見た事無ぇからな、期待できる」

「私も構いません、しかし」

「…え、な……え!?」

「決めるのは彼女です、我々はその意思を尊重するだけ」

「へ!?い、いきなり…そんなの……ぅ、虚さぁん…」

『……』

「た、辰之助ぇ…」

「……」

助けを求めて二人を見るが何も答えてくれない、「自分が決めろ」と千彩の発言を二人は無言で肯定している。

今この場には彼女を導くものは居ない、自身の意志で決め、自身の足で進まないといけない。

憧れか思い出か、一度は諦めたその思いが、運命の岐路に立った事で奥底から再び溢れ始める。

(あ…これ…)


―――似てる


…いつからか彼女が胸の奥にずっと抱き続けた「この町を守りたい」という思い。

強く、硬く、信じて抱き続け、そして果たしたあの思いに…

今の心はよく似ていた。

止まらなかった、止めることなく進み続けた。

自分で決めて、自分で走って、そして成し遂げた。

なら、今回も出来るはず。

自分で決めて、自分で走って、目的地なんてなくても走り続けられるはず。

例えそれで死のうと構わない、それが…


私の決めた事だから!



「行く!!」

驚くほど自然にその二文字が口から飛び出し、部屋に響く。

それを聞いた親分が少し笑ったかと思うと立ち上がり、受付の奥へと歩いていき背中を向ける。

「なら、早くいけ」


いつもよりも寂しげに聞こえるその言葉に呼応するように皆が続々と動き始め、私の横を通り過ぎて店を出て行く。

「あ!?え?今から行くの!?ちょっ…!」

誰も何も言わない、虚さんも頭から降りて皆と一緒に出て行く。

二人きりになった店内で親分は振り返る事なくこっちに話しかける。

「じゃあな、がんばれよ」

私はその時、いつも追いかけていたその背中が小さく、遠くに見えていたことにようやく気付く。

「すぅ…」

深く息を吸う、大丈夫、今なら何でも言える。

「親分!!」

「……」

「大好きだよ!!元気でね!!」

「今生の別れじゃねぇんだ、大袈裟だっての」

「だとしても、今言っておきたかったから」

どんなに離れていても、いつまで経っても、ずっと忘れない。

だから言いたかった、じゃないときっと後悔するから。

「……そうか」

もう悔いはない、それじゃあ

「いってきます!」

私は涙を堪えて店を飛び出し、彼らの背中を追う。

振り返らない、立ち止まったら決意が揺らいでしまいそうだから。

さよならは言わない

また会えると、私は信じてるから。



「…本当に…名前の通りになったな…」




『この子の名前?んー?貴方が決めてよ!何か立派で幸せになれそうな名前!』

『は?え?急に言われてもなぁ…えーっと…麗…とか?』

『どんな字?意味は?』

『ちょっと待て……っと…こんな字だ』

『えぇ?むっず…』

『意味は…まぁ美しくて立派とかかな』

『そっかぁ、そういうのも頑張って覚えないとね』

『ゆっくり覚えて行けばいい、これからずっと教えてやるから』

『歳典…』

『な?』

『ずっとは嫌』

『…明日も勉強だ』

『いーーやーー!!』




「お前が残してくれた、唯一の物だからな…」

歳典が一枚の紙を頬に涙を伝わせながら見つめている。

汚い文字で綴られた「寿 麗」と書かれたその紙が、彼にとってはこの世に唯一残っている妻が生きた証だった。

「俺もうじうじせず、進まねぇとな」

引き出しへと紙を直し、鍵を閉める。

受付から入口へと歩いていき、店の中を見回すように振り返る。


「……」

何処へ行くかは決めていない、歩きながら決めるとしよう。

どこまでも行き当たりばったり、それが俺の生き方だ

そうじゃないと出会った瞬間お前に求婚していない。

それがどんな結末を迎えたかは語るまでもない、そのせいでお前を失った、俺を恨んでくれて構わない。

だから俺の事は心配するな、後悔は微塵もない、お前を愛してよかった。

「んじゃ、いってくるぜ、(はな)!」

ガラガラ、バタン



『いってらっしゃい、二人共』



家族の愛を、故郷の思い出を胸に秘め、友を得た少女はまだ見ぬ未来へと歩みを進める。

妻を愛し、娘を信じて見送った男は、かつての友と過去を語り、愛する者達の未来を思う。


少し経てばこの町も元に戻り、いつもの日々が帰ってくるだろう。

昨日よりもちょっと幸せで何処か楽しい、誰かが望んだいつもの日々が。

ようやく一区切りつきそうです。

長かった。


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