【第18話】
更新めっちゃ遅れてすいません……言い訳は後書きへ
地面がひび割れ、岩は宙へ浮き始める。雷鳴はより一層暗さを増し、天上から聞こえる狂気を含んだ笑い声と共に響き渡る。
「みんな行くぞ!うてぇ!」
「いけいけぇ!」
「とにかく打ちまくるのよ!」
武器を手に取った人々は、放たれる重圧に臆することなく果敢に攻撃を開始した。カイトは若干怯んだものの、自身の周りにエネルギーをまとい全ての攻撃を弾き返した。その爆風で、再びあたりが崩壊する。
「雑魚がいくら群がっても無駄だァ!消し飛べ!」
カイトが腕を振り下ろすと同時に、激流と煉獄、あらゆる災厄は降り注いだ。
「させない!」
魔法も権能も奪われて使えない、でも武器を作ったように魔力そのものは操れる!私は魔力を濃縮し、無理やり壁の良なものを作り出す。目の前の災厄級の魔法の前では絶望的なほど無意味だが、強引に魔力を注ぎ続けなんとか耐え切った。
「あらあら?この程度でもう息切れ?神も大したことないねw」
「くっ……まだだ……!」
しかしカイトが指を弾いて飛ばした小さな魔力片を食らっただけで、私は大きく吹き飛ばされてしまった。
「俺たちは負けない!打てぇ!」
私が瓦礫から這い上がる最中でも、彼らは攻撃を続けていた。
「さっきからチクチクチクチク鬱陶しいんだよ!くたばれ!」
カイトが急接近し魔力の玉を一人の男性に打ち込もうとする。
「ッ!待て!」
私も急加速し、魔力の刃物を突き立てる。しかし何かに阻まれてしまった。
「『聖なる障壁』……君、よく使ってたよねぇ?」
「クソッ……!」
「さあおっさん、この【支配】をゆっくりと植え付けてあげる……♪」
「うぐっ…うああ…」
男性の腹部にゆっくりと魔力が捩じ込まれていく。男性は苦痛にうめき、突如ぐったりと目を閉じてしまった。
「ためにし一人でやったけど……これ、今すぐ全員にできるんだよ?面白みないからやってないけど♪」
「なん……だって……ぇ!」
他の刃を生成し、別方向から狙う。その刃は確かに首元に突き刺さった。
「……!?なぜ私の首が……!」
「ああ、簡易的なワープホールを繋いどいたんだよ。僕の魔力も混ぜたから、治るのはだいぶ難しいだろうね♪ あとおまけに……『浄化聖槍・黒』」
「ンブッ!グフッ……」
まずい……まずいまずいまずい!思ったより状況が死んでる…!刃物は刺したままで刺さった部分以外を回収し、一旦距離を空ける。しかし腹には聖槍が突き刺さったままだ。先ほどの男性はむくりと起き上がり、銃口をこちらへ向けた。
「……私に勝ち目はないってか?」
「やっと気づいたぁ?ほらみてよ、全ての銃口は君に向いてるよ?もう諦めて僕に支配されーー」
カイトが言いかけた時、私は悲しみと絶望に染まった顔をニヤリと変える。
「……まだわからないよ……!」
「……は?」
人々は全員眠りに落ち、銃は回収されて槍となりカイトへ向く。風は止まり雷も静止し、今やカイトと私だけが動いている。
「……なんだ?なにが起きている…!この世界の神は僕のはずじゃ……!」
「今まであなたが戦っていたのは“光の神”クリスタ。そしてこれから戦うのは……」
カイトの頭上に捻じ曲がった空間が現れ、千切れる。そこから無数の光がのぞいたと思えば、そこで静止した。
「……基本世界の代理管理人、クリスタです」
薙ぎ倒された木々の葉が一瞬揺れたと思えば、あたりは目を焼くほどの光に包まれた。
「ッ!?!?!? なんだ!なにを…!して…!」
数秒後、膨大なエネルギーを受け切ったカイトが光から顔を覗かした。服はちぎれ(ちょっとエッ…)、明らかに疲弊している。
「なにって、あなたがやったのと同じですよ?正確には違いますが」
「なに……を……」
「あなた私に魔王のエネルギーをぶつけましたよね?それと一緒です。戦闘開始、この世界にきた瞬間からずっと太陽のエネルギーを貯めてまして……それを一気に開放しただけです」
実は私もだいぶ熱かった。もう二度とやらん。
「フッ……フハハハハハ♪ 一気に形勢逆転ってカンジ? いい、いいよぉ!
笑いながら仰け反ったカイトに向かって、私は全速力の加速を行う。瞬時にカイトの目の前に来た私は、拳をカイトに叩き込み、内部で膨大な光魔力を解放する。
「んぐっ!? なにを……これしき……!」
突き飛ばされてもなおカイトはすぐさま身を翻し、こちらへ加速してきた。カイトの拳が私に触れる瞬間、すぐさま背後へ移動し光の刃を突き刺す。
「ガハッ…! クッソ……こんな……小物みたいな……!支配!その身で僕を防げ!」
カイトは眠った人々を操り壁を作る。考えたものだな……普通はこの状態では私は攻撃できないだろう。
「ここまで来れば……!?なぜそこに――」
刹那、私の腕はカイトの身体を貫いていた。
「なぜって?お前と人の壁の間にある空間を引き伸ばしてそこから攻撃しただけだよ?」
「そんなことが……可能なのか……!」
ほんとだよ。基本世界の権限強すぎ。
「じゃ、これは返して貰おうか」
私は腕をカイトから引き抜き、同時に奪われた光の力も抜き取った。カイトの体は一瞬光に包まれたと思えば、普段の海斗の姿へ戻っていた。
人の壁は崩れ、浮き上がった瓦礫も落下していく。海斗も人に紛れて見失うと困るので、『拘束光鎖』で縛って吊るしたおいた。
「うーん、『聖なる障壁・球』!やっぱ便利だねぇ」
落ちてきた瓦礫を防いで人々の眠りを覚ます。あたりは完全に破壊されて、街は原型をとどめていない……私は神の権能を使い、腕を振るうだけで修復させることができた。
「う、ううん……こ、ここは?俺らは一体何をして……」
「なんでこんな道の真ん中に……?いけない、仕事に遅れちゃう!」
流石にこの間の記憶は消させてもらった。あとあと面倒くさくなったりしたら困るしね……私は人々から隠れて、そっと次元の門を開いて元の世界への帰還を始めた。
……おっと、海斗を忘れていた。そのまま光魔力で持ち上げて一緒に次元門へ放り込んだ。これで基本世界の問題は一旦解け……
「……!? 急に……体が……前が……見え……」
次元門を潜って、本来の世界へ移った頃。視界が歪み、私はその場に力無く倒れてしまった。急にあたりが眩しくなり目を開けば、目の前には天界が広がっていた。
「よくやったクリスタ。なんとか基本世界の均衡は保たれたようだ。アフターケアもナイスだったぞ」
上司の声だ。私は起き上がり、周りを見渡す。あたりにはいつもの上司の他に、他のあらゆる世界の神が私の周りに集っていた。
「お疲れクリスタちゃん!」
「今回は助かったぞ!」
「まあ元はと言えばこいつがネズミを逃したのが悪いけどね……」
「いいじゃん折角の場なんだし!それに今回の件で転生システムの改善が必要ってわかったでしょ?」
あたりにいる神々は私に労いの言葉を送ってくれた。上司は微笑んだと思うと私に語りかけた。
「クリスタ、君は一時的にでも基本世界の力を行使してしまったからね、負担が大きかったようだ。暫くはまともに活動できないだろう」
「ちょ、そんな!まだ海斗をどうするかもわかってないですし、残ってる問題も多過ぎます!」
私は上司に詰めたてる。海斗については、そもそもどうやって転生について知ったのかもわかっていない。上司は手で私を制止すると、そのまま続けた。
「わかっている。だから一つ提案があるんだ」
「……提案、ですか?」
「ああ、一度あの世界を捨ててみてはどうかと、な。あの世界には問題が多すぎる。ほぼ壊滅状態だ、もはや破棄して仕舞えばいいのでは……とな」
「は、破棄って……世界の住人はどうなるんですか!」
上司の手を振り払い、さらに詰め寄る。あたりの神々も動揺しているようだった。
「魂は別の世界へ転生させる。ただし記憶はなくなってしまうがな。命は無駄にならんのだ、いいだろう?君はなん万年か休養に入ってもいいし、別の世界を担当することもできる」
「そ、そんなのダメです!あの人たちの思いを踏み躙っています!根本的な解決にはなっていません!」
あたりにいた神々も私を引き止める。しかしどうしてもこの案には乗れない。
「そうか。となると、君はあの世界の数多の“バグ”を直さなきゃだが……いいのかい?それにさらに多くの命が無駄になる可能性もある。それらは転生させることはできんぞ」
「……っ! やります!私はやります!」
「……その身体でやればお前自身の存在が危うい。もとより君が消えればこの世界も消えてしまうんだ。」
この負担がかかっている状態の身体を酷使すれば、私が本当に消滅するのは時間の問題だろう、しかし突破口はある……!
「……それは、神の力を使ったら、ですか?」
「……フッ、覚悟は良いようだな。それが何を意味するかわかっているか?」
「神の権能なしに全てのバグを修正する……それが難しいことはわかっています。ただ、それでもやらなきゃだめなんです」
「そうか……いいだろう。ここから戻ったら神の権能とはしばしお別れだぞ。ある程度の光魔法とスキルは使えるがそれ以降はお前の実力次第。”例の事件“からは少し時間を戻してある。果報を待っているぞ、クリスタ。」
上司は手を差し出して、私にあるものを渡した。
「この結晶があればいつでも天界とは繋がれる。必要になれば力は貸すぞ」
「……!はい!行きます!」
私は意識を集中させ、現世へ戻った。目の前には平原が広がり、装備も一般的な魔術師のものだった。私は立ち上がり深呼吸をする。ここからは正真正銘一般人ライフ、まずは……
……目の前のクソ男をどうにかしなきゃだな。
読んでいただきありがとうございます!
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……えーはい。ちょっとね、リアルがね()
また暫く投稿できないかもです……
なんとか今回で起動変更できたかな……?次から新章ですよ!
今更だけぞ海斗がめちゃめちゃ原○の放○者に似てるな……うん
応援よろしくお願いします!




