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【第15話】

ちょっと長めです……やりすぎた

「お待ちしていましたルミアさん、昇格試験ですね。説明は追々致しますので、まずは当日手続きを」


約束の日、今日も今日とて冒険者協会へ来た。今日までの間にいくつかのクエストをこなし、ルミアさんはそのお金である程度装備を整えておいたっぽい。ボロボロだった服はそのままだが、ところどころ加護が与えられたアクセサリーを身に着け、杖も簡素な木の棒から、なんか彫りが施されたそれっぽいのに進化している。ついでに私からも強化を与えておいた

ルミアさんは手順にしたがって手帳や証明書を出し、パパッと手続きを終えた。ジタバタと足が動いていた様子から、待ち切れない気持ちがにじみ出ている




「さあ!試験行きますよ!」


「その前に説明を……」


勢いよく一歩を踏み出したルミアさんを、キアラさんが服を掴んで引き止める。片腕だけで微動だにしていない……!


「まず、ルミアさんは魔道士なので、こちらのコースで行います」


服を掴まれたままルミアさんは複数の扉の内一つに引きずられていった。その中は、様々な的や謎の装置が充満する広い闘技場のような場所だった……おそらく転移魔法だろう


「ここでのテストを受けて、全体の結果からランクを決めます。Sランクは総合点が900以上……満点は1000なので、おおよそ9割を記録すればなれます。最初の試験は的あてです。遠くに用意された的を撃ち抜いて下さい。用意……始め!」


最初はある程度の遠さのようだ。だいたい家1件分くらい


「行きます!『天光の矢』!」


学んだね。綺麗な直線を描いて、光の矢が的を貫く。……キアラさん?何メモメモしてるんですか?怖いですよ!

続いて家5件分……一気に遠くなったね


「『破邪の光線』っ!」


力強い光の線が、遠くの的を消し飛ばす。『天光の矢』の2つ上位番だね

続いて家10件分……


「『影抜の槍』っ!」


今度は闇魔法。一瞬黒い何かが放たれたと思えば、遠くの矢の目の前に現れてそれを貫いた。遠距離になったり、相手がよく移動する場合は、この様な必中技がオススメよ



――どれほどたっただろうか。永遠に的は遠くなっていき、それをルミアさんが破壊していく。もう見えないよ……


「最終ステージです〜」


キアラさんがそう言うが、いかんせん的が見えないので何なのかよくわからない。神パワーで見てみたが……うん、この空間どうなってるん?


「ラスト!――」


さあ、何を使うのか……ルミアさんは遠くの的(見えてるの?)を見つめ、杖をピタリと構える。こんなに離れた距離を小さな物体に当てられる技は数えるほどしか無い。ま、流石にできな――


「――『閃』ッ!」


……一見何の変化もないように見える。しかしルミアさんの術は、小さな的を貫いて、粉々に粉砕していた。しばらくすると、はるか遠くから爆発音が発された。『閃』……光属性魔法のほぼ(・・)最高位魔法。限界まで凝縮した光属性エネルギーを、緻密なコントロールで凝縮したまま発射、なにかに触れた瞬間大爆発……ついでにほぼ見えないという恐ろしい技だ。まさかルミアさんが使えちゃうとは……何者?キアラさんも唖然としてるよ


「これは……『閃』!? もうランクは決まったようなものですが……つ、次の試験です!」


あせあせしながらキアラさんにドアへ戻るように促された、ドアと通れば例の部屋が広がっている。こういうピンク色のドアを見たことあるような……




「次の試験は持続力です! 的が次々に出てきて迫ってくるので、円の中に入られないように頑張って下さい」


また別のドアを通ると、今度は円形の開場へ来た。ルミアさんは真ん中に立ち、まじまじと杖を構えた


「それでは……開始っ!」


キアラさんが懐から出したボタンを押すと、機械音と共に辺りを囲う壁から的が出てきた。まだまだ数は多くなく、数個程だ


「こういう場合は……ええと……お母さんはなんと言ってましたっけ?」


どうやら彼女の魔法知識は母譲りのようだ。S級でしょ?相当な実力だろうね……


「……あ!思い出しました!『絶縁の雫』っ!」


ほう、設置型魔法ですか。ルミアさんの周りに、回転して斬撃を発する水滴が現れ(落ち)る。近づいてくる的は、そのまま切り裂かれて砕けていった。このまま放置かな?


「……これでは埒が明きませんね。終了です」


いくら的が増えても放置で終わってしまうことに気づいたのか、キアラさんは早々に切り上げた。以外にサクサク終わるが……私暇やな。せっかくだし、分身を残してどこかへ行くか……いや、ルミアさんを見守ろう




「最終テストです。火力……とにかく強い攻撃をして下さい」


また別の扉を通ると、今度はデカい的が一つだけあった。ここに攻撃をぶっ放すんだろうか。幸い開けた場所なので


「それでは……どうぞ!」


「とにかく強い攻撃か……あれだね!『(テン)()チル終焉(シュウエン)崩壊石(ホウカイセキ)』ッ!」


「え、ちょ――」


……『煌めく崩石』については話したよね? その進化系……というか究極形態がこの『天堕チル終焉ノ崩壊石』です。まあ……うん。とりあえずそこらの小島なら吹っ飛ぶ。ただでさえ凄い『煌めく崩石』に、光魔法で加速、闇魔法でエネルギーの増加プラス相手へのデバフ、風魔法で爆風、……ついでに『煌めく崩石』に含まれる水、岩、炎魔法も強化されている。伝説では、これを放たれた帝国が一夜で滅んだとか、そもそも『煌めく崩石』はこの技の模擬だとか……ルミアさん、なんで使えるん

『天堕チル終焉ノ崩壊石』がぶち当たった的は……なんと耐えていた。おそらく飯田製だろうな


「………はい、結果が出ました……カウンターへ……どうぞ……」


生きた心地がしないような顔で、キアラさんが案内する。あろうことか、ルミアさんは多少汗ばんだだけだった。やっぱ人間じゃねぇ!いや亜人でもねぇ!





「まあ……はい、文句なしのSS+ランクです。はい」


S超えちゃったよ……多分最上位だよね……ルミアさん、恐るべし……私より強いんじゃない?


「SS+ってことは……」


「はい!【世界五大守護柱】の仲間入りです!!しかも亜人から……世界で3人目の快挙ですよ!」


世界五大守護柱……まあ六大になるだろうけど。まあ名前の通り強い人が冠される二つ名だね。良かった良かった


「まあそれもそうなんですけど……お父さんたちに会えたり?」


「……ええ、すぐにでも」


……えっ?えっ?なに?神でもわかんないんですけど!ルミアさんと私は、ギルドマスターの元へ連れて行かれた


「……ルミア、SS+ランクになったんだな」


「はい、真実を告げて下さい……!」


「はぁ……本当にやっちまうとはな……」


やべぇわかんねぇ! これ覗かなきゃ……え、ダメ!? あ、一部なら良いんですね?どれどれ……





 ――ルミナ・トレスタ。

████で生を受けた私は、お母さんとお父さんの愛でいっぱいになりながら、すくすくと育った。剣術の才能はなかったけど、お父さんからは冒険の話をたくさん聞かせてもらって、お母さんからが魔法のことや██の事をたっぷりと教わって……██歳になるころには『煌めく崩石』を打てるようになっていた。その時はお母さんも喜んで、いつもワイワイしてたっけ……

お母さんとお父さんは冒険者。エルフでありながらも、その実力から信頼は厚かったみたい。当然冒険者となれば遠征も多いわけで、私はよく一人になっていた。██だからか、私は一人の間外へ出ることを許されなかったけど、家の中には食べ物がたくさんあったし、魔法の練習とかをしていればあっという間に過ぎていった。だから特に気にしていなかったけどね

ある日のことだった。何週間……いや何年立っても、お父さんとお母さんは帰って来なかった。いよいよご飯もなくなってしまったの。お母さんとの約束を破ってしまったけど、私は地図を頼りに街へ出た。今思えば、通貨も持ってなかったし、無謀だったけどね。迷って居ると、かすかな痛みと共に急に視界が暗くなった。気づけば質素な服と共に檻に入れられて、大勢の人の前にさらされていた……

迂闊に外へ出るもんじゃなかったわね……私は奴隷商に売られて……彼女に助けられた。私はクリスタに来て世界の広さを知った。今までは小さな村に買い物へ行くくらいだったからね

でも、お母さんとお父さんはどこへ行ったのか分からない。だから、冒険者に成れば会えるとおもって……ね

冒険者協会に初めて行ったときは……早々に追い払われちゃったよ。でもその後マスターに呼ばれて「SS+ランクになれば、お前の両親のことを教えてやる」って言われちゃったから……フェロスさんも居るし、希望が見えたよ




――なるほど……重いな。しかも凄いいい子!!これは加護与え案件ですね……

これは私も力になるしか無い!!


「お前の両親だが……こっちへ来るんだ」


フロドさんが自身の座っていた椅子を動かすと、突如扉が現れた!まあ知ってたけど

そのまま中へ入ると……


「……お、父さ、ん……?お、お母さんも!?」


長耳の男性と女性が、抱き合う形で透明な結晶……限りなく氷に親しい物体で包まれている


「……お前の両親が失踪したのは、あるクエストが原因だ。この結晶も、お前の母親が自らを……そしてお前を守るために急遽発動したものだな」


この結晶……『(イノチ)(ツム)守護(マモリ)結晶(ケッショウ)』だよな?防御魔法の最高級……相変わらずエグい魔法をバンバンと……

……って待てよ?なんでルミアさんが出てくるの?


「……そしてそのクエストは――」


私の脳裏に嫌な予感がよぎる……アホ強い二人をボコボコにできるやつはそうそう居ない……まさか……


「――【暴走神・レッカ】の討伐だ」





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五十嵐の〜♪せいなのね♪(そうなのよ!)


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