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【第14話】

「……【支配】」


その声と共に、大地が触手のように伸びて森へ向かう。そのまま砂埃をたてて一帯の木を根こそぎ圧し折った。バラバラと崩れ落ちる大地の腕の前に、一人の男が立っている


「ふむ……まあ上々だ」


僕……五十嵐海斗は現在ここ、光の都クリスタの王となり、そこら編の森を開拓(支配)している最中だ


「――カイト様」


背後から野太い男の声がする。この声はようく知っている


「ヒュウガ……なんだ?」


6番目の勇者、サトウ ヒュウガだ。筋肉質な見た目通り、コイツは火力全振りだ。この通り、僕に忠誠を誓ってくれているよ


「私が治める都市ミレアですが、要塞化の準備が完了いたしました」


「そうか……通達御苦労」


「はっ!――」


僕にそう告げると、ヒュウガは大地を割ってどこかへ飛翔していった


仲間(・・)も着々と集まってきたし、そろそろかな?」





 僕が転生してきた時、今なら魔王は何度も倒された後だと分かるけど、当時は僕以外に勇者がいるなんて知らなくてね。僕が戦ったときの魔王は、“勇者を殺す”ことに特化して進化したからか、その見た目はひどく醜くく、無数の棘や複数を目が皮膚の隙間からこちらを覗いていた。

 チートステータスを持っていても、そもそも僕は攻撃的な能力じゃない【支配】を持っている。何度殴ろうが、無限に再生する。ま、早々に諦めて、それっぽい演説をしたら、バロンの長に慣れたけどね。おかげで数千人の人が支配下になったよ





 それが僕が転生して数カ月後の話だ。そっからはしばらく暇な時間が続いた。魔王以外に目標が無いし、特に何の意欲も湧かなかったからね。しょうがなく政治をしてたよ

 でも、数年立った頃だったか。美味しい話が転がり込んできたんだ


「僕の他にも勇者がねぇ……なるほど?」



不敵な笑みを浮かべながら、僕は一つの国へやってきた


「……第7の勇者はここか?」


「はっ!カイト様!」


 バロンは探鉱、クリスタは信仰、そしてこの国【ナリアル】は学問の国……

 僕はナリアルへ足を運び、早速勇者に会うことにした。本棚の並ぶ部屋を進み、ついに謁見室へたどり着いた


「あなたがカイトさんですか?」


ナガヤ・タクロウ……そいつは痩せ気味で筋肉も無く、理系な雰囲気を醸し出していたが。僕にとって大事なのはそのスキルだ


「ああ、僕がカイトだ。君はタクロウで間違い無いね?」


「ええ、それにしてもどうしてこんなところ――グハッ!?」


早速ナガヤのみぞおち辺りに蹴りを入れる。何冊かの本が落下し、辺りを衝撃が襲う


「大丈夫、護衛はもう死んでるよ」


「な、なんで……」


「なんで?そりゃあねぇ……」


僕はナガヤの髪の毛を掴んで持ち上げる。涙ぐんで怯えるその様は実に愉快だった


「……僕の方が強いんだ。君は、僕の下、僕の支配下にあるの。分かった?」


「いや……だ……!お前の能力は僕の【知識】で分かってる!」


【知識】……まあ物体の力量を知れるとかそんな感じだろう。ナガヤの反逆の意思を感じた俺は、再び蹴りを入れた後、何度も殴る。僕の拳は汚い血で染まり、ナガヤの服も同様だった


「……もう一度チャンスをやろう。分かったか?」


「……クソッ……クソッ」


「全然認めないねぇ……しょうがないから、物理的に上に立つよ」


僕はナガヤの頭を足で踏みつけ、そのままバッグから一枚の紙を取り出す


「『風と学問の国ナリアルは岩と探鉱の国バロンに併合されることを承認する』……いいよね?」


「っ! ゆ、指が勝手に……」


僕はナガヤの指を支配し、ペンを握らせる。そのまま紙をその手に近づける。次第に紙には”長谷 拓郎”の文字が刻まれていた


「ま、まず――」


「契約成立……ハハハッ!こんなちょろいなんてねぇ!【支配】ィ!!」


「ハガァ!? アガ……アァ……」


ナガヤは痙攣を起こし、一度倒れ込む。しばらくするとムクリと立ち上がり、僕に跪いた


「カイト様、私は貴方様に絶対なる忠誠を誓います」


心身共に完全な支配……僕が意識すれば、ナガヤは回ったり自身を殴ったり……もちろん能力も簡単に使える。そしてナリアルの国民()……いや全てが僕に【支配】されていくのを感じた




「さあ……次はどこの国へ行こうか……レッカがいいかな?」



「お言葉ですがカイト殿、貴方の汚い目論見は筒抜けですよ」


ゆうゆうと部屋を歩く僕に、どこからか声が響く。正確には上の方だろうか?


「私は母クリスタの分身、ナリアル。私が相手です」


音がしたと思って振り向けば、淡い光を纏った女がその身に似つかない大鎌を構えていた


「クリスタ……女神の分身ねぇ……もしかして見られてた?」


「ええ、すぐさま母に報告したいのですが……まずは目の前の標的の沈黙が優先的かと」


「それはそれは――」


いいかい?僕はもうここを支配してるんだ。だからさ……


「――!? か、身体が!?」


「なかなかな悪手ですなぁ」


ここに入った時点で、神であろうと関係ない。この国のどこかだと危なかったかもしれないが、標的は目の前、意識とは行かずとも、身体の自由は手に入れた。にしても初見で神を支配出来るなんて……


「カイト様、私の【知識】によりますと、神の直ぐ側に居ることで、能力が一時的に向上しているものかと思われます」


すぐさまナガヤの解説が入る。こういう点では便利だな。しかもこの女神を完全に支配して常に僕のそばに置いておけば……


「……決まりだ。君は僕が【支配】する」


「グッ……! させません!『開放の讃歌』!」


目の前の女神がそう告げると、奴の身体を数多の風が包む。あろうことか女神は僕の支配を振り切った。おそらく毒とか拘束を解除するあれだろう。なかなか小癪な真似をしてくれる


「悪しき勇者よ、天の風に包まれて滅されよ!『(てん)()チル業風(ごうふう)』ッ!!」


背後からあからさまな魔法陣が展開される。その刹那、僕の身体を重く鋭い何かが襲った


「グッ……! なかなか……強いな」


「……これで耐えられるなんて、予想外です」


かろうじて引き飛ばされないようにしているものの、徐々に僕の身体は窓へ押し出されていく……という演技をしている。僕は苦しそうな顔をし、その直後に平然と立ってみせた


「なっ!? いきなり何が!」


「いきなりって……別に最初っからさ。そもそもチートステータスだし……さあ、僕の駒になろうか?」


「私の……魔法……が……アガッ!?」


「僕に勝てない」そう感じた瞬間、僕の支配は始まる


「女神の……分身で……ある……アガっ……私……を……アァ……ガ……」


「ああ、君のことは最大限に使わせて貰うよ」


なかなか意思の弱い女神だったな。そんなことを思っている間に、女神は失神して倒れ込んでしまった




「……カイト様、数々の無礼をお許しください。私は貴方の物に」


実に幸運だ。勇者と国と国民、ついでに女神の分身を手に入れた……いいぞ、以外にイージーモードかもしれないな。僕はそのままレッカへ向かい、支配、支配、支配……





そして今のクリスタ統治に至る……と

今の所全て完璧、女神を支配した暁には……


「魔王……この世の全ては……僕の駒だ!!!」







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……とかなんとか海斗君は思っているそうですが、私にゃ筒抜けよ。私の感覚の一部を支配?笑わせてくれる

まあ、私の思うツボにハマってくれたところで……そろそろオシオキのお時間かな?


「フェロスさん!昇格試験ですよ!早く行きましょ!」


しばらくは無理そうだ

読んでいただきありがとうございます!

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遅れちゃってすいません……色々立て込んでまして(言い訳)


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