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【第9話】

何やら外が騒がしい…… 騒音で目を覚まし、眩しい光をかき分けながら窓から外を覗く。 どうやら国の中央にある城に人々が集まっているようだ。これは行くしかない

私は人混みにさり気なく瞬間移動すると、城の一部であるベランダ?に体を向ける。城はほとんどが石レンガで覆われており、大層な面構えだ。そこには飯田おり、何かを話そうとしていた


「……時間だな。ええ……皆の衆。朝っぱらから集まってもらったこと、感謝する」


拡声魔法か飯田が拡声器を作ったのかはわからないが、彼の声は国中に響き渡る。本人は威厳ある感じに言ってるんだろうが、どうも適当な正確がすけて見える


「……俺は常に怠惰な国王だった。政治にも無関心で、ろくに取締もしない。まさにダメ国王と言えるだろう」


城の付近に集まった民衆がガヤガヤと声を立て始める。こんな出だしだったら不安にもなるだろう


「そこでだ。俺は王を辞める」


飯田がそう告げた瞬間、民衆の声が止まる。足音も、生活音もなくなり、木々のざわめきと鳥の歌声のみが響く


「……聞こえてなかったか? 俺は国王を辞める! 次の国王はコイツだ!」


再びガヤガヤ言い出す民衆。……ん? 辞める!? 私も今更だが驚いた。あの飯田が権力を手放すようなことをするだろうか?

飯田が少し下がったと思えば、城の奥から重たそうな幕を抜けて、海斗が出てくる。もちろん私は海斗のことを知っている。そりゃあ、転生させた張本人だもの


「……えっと……ここで言えば良いんだな? 皆の者、私の名はカイト。(みな)も”バロン”という国を知ってるだろう。そこの現国王だ。俺がこの大都市であり大陸の中心地であるクリスタの王になった瞬間、クリスタをバロンの下へ置くのはどうも惜しいので、ここを中心として、バロンをクリスタの属国にする。俺が新しい王。カイト・イガラシだ」


周りの兵士の拍手につられ、民衆も拍手を始める


「バロンって……あの?」

「いきなり王が変わるって……」

「カイト……カイト様……慣れないな」


家と家に反響して、群衆たちのつぶやきや小声がはっきり分かる(まあもともと全部筒抜けだけど……)。それより飯田の動向が気になるな。カイトが一礼して奥へ戻ると飯田が再び前に立つ


「そしてこの俺イイダは……バロン王国。つまり都市バロンを治める。まあ簡単に言えば……バロンとクリスタを交換するってことだ」


……なぜ? 理由はないはずだ。メリットとかがあるん?


「知っての通り俺は政治が苦手だ。そしてカイトは力を欲している。俺から言うことは以上だ。これからはカイトに任せる。じゃあそういうことだ」


飯田はそのまま城の中へそそくさとが撤収していく……え、終わり? もう私の国の王変わるの?ってか変わったの?


「……よし! 俺が王になったからには、法改正と取締の強化。色々やるからな! 犯罪者諸君! 待っていたまえ!」


そう言い残し、海斗も城の台を去る。民衆は緊張が解けたのか、より一層大きなざわめきを発しだす。用は済んだので、私はさり気なくその場を立ち去った





予想外だ……!

城の付近とは一変、静けさが際立つ小通り。あまり使われていないであろう井戸の水の音が寂しげに鳴り響くなか、私は同じ場所を何度もウロウロしながら熟考している

予想外その1、飯田が王を辞める

昨日の分身体からの情報から、なんかそんな気もしていたけど……まさか本当にやるとは。権力を手放して何をするつもりなのかは一発で知ることも出来るが……知っちゃう?今知っちゃう?

よしよし、そうとなれば天界へアクセス手続きを……む、拒否?『おい女神!俺様の頭ん中見ようたって無駄だぜ!』……飯田、やりやがったな!これ以上は推察の粋を出ないので、ほっとこう

予想外その2、次期国王が海斗

そもそも海斗と接点があるのを知らなかった(私が見てなかっただけ)。わざわざバロンをどうにかするってなると……バロンがなんて言うか(・・・・・・・・・・)知らんぞ!

しばらく私は飯田の動向を考えた挙げ句、飯田へワープすることにし―――


『おい女神! 俺のとこへ来るのも無理だぜ! ついでに追跡も無理だぜ! ざまあwww』


ワープが阻まれ、脳内に飯田の声が響く

……逃げたぞあいつ!

昨日良いことっぽいことしやがって……結局クズかよ!!

私は行き場のない怒りを地面に込めながらタジタジする。つまるところ、飯田は私を油断させている間、私の追跡を完全に防ぐ術を生み出し、私の監視及び制裁から逃げ出した……と、言うことだ

次あったら絶対殺す……絶対にだ!





しばらく眉間にシワを寄せながら、小通りを歩き回った後、一旦冷静になって自身の宿へ戻ってきた。とりあえずベッドに腰を下ろし、ハァとため息をつく。寝っ転がってみたり、ジタバタしたりするが、どうもイライラが収まらない。私に残された道は主に4つ。1、飯田を追ってバロンへ向かう。これが一番な気もするが、バロンを治める飯田も見たいところ…… 2、海斗を正すためにここに残る。それも良いな……ってかそうする? 3、勇者全員ボコす。怒りに任せて全員ボッコボコにする……いや、いきなりよくわかんない神を名乗る者が、みんなの尊敬の的を倒したら騒ぎになるな…… 4、天界へ帰る。ない。

まあ2が妥当だろう。飯田はバロンに任せればいいし定期レポートでも送ってもらうか。それによって今後の罰を決める……(まあ私から逃げた時点でボコるのは確定だが)。さあ海斗君、君の仕出かしたことを漁ろうじゃないか……

ニンマリと一人笑いしながら、ベットへピョンピョンする神なのであった……





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……なぜだ? 女神の奴のことだから、なんかエグいパワーを使って追ってくるとでも思ったが……まあいい

俺は偽の人形(可動)を家来の元へ置き、単独へバロンへ向かっている。鬱蒼とした整備されていない道を、特性ブーツでラクラク突破だ。バロンは主に鉄鋼業を生業にして生きながらえてきた国……知的なカイトよりも、俺のほうが似合ってる。それに俺の能力でもっと鉄鋼業を……

ふと足が止まる。俺は今、自然に誰かの役に立とうとしていたのか……?もしかしたら、女神の望んだ”勇者”ってのはこういうことだったのかも……


……とでも思っときゃいいかw



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バロンから持ってきた僕の(・・)ベッドが横に設置され、徐々に僕の部屋の面影が現れてくる。窓の前に立ち、微かにロウソクのような光に照らされる美しい夜景を眺める。バロンでは叶わなかった景色だ

明後日、就任式と称して盛大なパレードが行われるそうだが……丁度いい。騒ぎに使わせてもらおう。コウジも図に乗っているようだし、上手く使えると良いのだが…… おそらく、この国でも僕を心から慕う輩も現れるだろう。それにあの女神だって……





みんな、僕の駒になる



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リアルが忙しいので投稿遅くなります……すいません

次話から新章突入となります(一章が短いんじゃ)


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