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未定  作者: ヨユル
25/29

19話(ルート2 仮)

いらっしゃい。

(本編では有りません)


「くっ……」

逃げ道が無い。

行き止まりの広場、入口から流れ込む大量の水。

四方は淡い光に包まれている。

新鮮な空気は蓋の向こう側へと漏れだしている。

蓋を壊したら本当に出口を失うし、多分敵が外で警戒しているだろう。


「詰んでるよなやっぱり…」

天井スレスレで鼻呼吸を続ける。

解決策が見つからない。

目を閉じて魔力感知を行うも苔の胞子が魔力を拡散し、焦りもあって集中出来ない。


空気を手繰り寄せて水に押し出されない様に固定する。浅く呼吸するにしてもやはり持たない。

確実に溺死させるなら、2、3日放置は確実にする。

「…あれ?」

水場から離れた洞窟の筈だ。

どうやってこんな大量の水が確保出来るんだ?

そもそもどうやって水を抜くのか。

放置?今の水が土に吸収されるまで放置されるとか?確かに広場に続く道は泥道だった。


ヤバい、死ぬ。


魔力を使って暴れたら洞窟が崩壊して死ぬ。

何もしなかったら溺れる。

何とかして抜け出す直前か、途中で見つかれば土を放り込まれて生き埋めか?


何も出来ずに死ぬのか?

死に慣れては居るが死にたくはない。


「転移……」

山賊が扱うには高度すぎる…気がする。

魔力爆発の推進力で広場を出るか、一か八かで崩壊させて、運良く瓦礫の下敷きにならないことを祈るか。


呼吸ができる間に強行突破をする事にした。

水圧で押し返されないように魔力爆発に頼る。

「…なるほど、部屋の扉は水を通さない造りなのか、気が付かなかった」

最初に入った食料庫の扉はしっかりと閉じている。

ここまで案外簡単に吹っ飛んで来れたのは嬉しい誤算だ。それに後少しで外だ。

硬い岩盤を爆散させると、水圧と爆風に挟まれ全身が軋み、焼けるような痛みが走る。爆発の反動で気を失いかけたが、水と共に弾き出され、奇跡的に生き延びたようだ。


破壊した壁の先は入り口の付近だった。勢いのまま外に飛び出てみれば、十何人もの人の頭が破裂し、横たわっているのが見え、確実に死んでいた。新敵か、さっきまで生き生きとしていたのが嘘のようでまったく現実味が無い。


「……帰りたい」


しばらく進むと折れた斧と見覚えのある顔が三つ。

迷いの無い足跡から目指しているのは滝のある湖だと推測。


風魔法で可能な限り体や服を乾かして、大きく迂回する形で湖を目指す。

とにかく直線で目的地を目指さない。

今いる場所を目視可能な場所を探して射線を切る。

「…なんで」

湖の中心に浮かぶ大きな岩に書かれた魔術陣が赤黒く染まり、湖の手前で上半身が無い死体が幾つかある。どれかが兄貴だったのだろう。


「あれ?生きてたんだ」

捉えられない、何かが居る。

「…何処だ?」

魔力の障壁が、徐々に蝕まれていく。

魔力消費が魔力の回復を上回っていく。

無限に感じた魔力が消えていく感覚。

相手のテリトリーに入り込んだせいか。

身体や本能が死を覚悟する。

逃げの一手すら封じられているのが分かる。

目視できない敵の認識できない気配から聴こえる息遣いが、刻一刻と死を確定付てくる。


「君さぁ、魔王様の愚弟知らない?」

「……」

「知らないよねぇー愚弟とはいえ、魔王様の弟、流石に証拠は残さなくってねー」

微かに障壁が歪み、消失する。

「あ……」

ほぼ無意識にはるか遠くを目指して身体を投げていた。魔力障壁の維持を放棄し、その魔力量で足腰を強化、後先考えずに前へ飛んだのだと思う。

紙一重で動けた為、心臓を狙った一撃がズレた事で即死だけは免れた。


「痛みで気を失った?なんで叫ばない?九死に一生を得たのがそんなに嬉しい?あれ?死んだ?…魔力の扱いが人間とは思えないよ?あ、もしかして君が勇者?違うよね、こんな雑魚じゃないよね」

「…まっ、いいかな曲がりなりにも避けられた訳だし、一撃で殺せないんだったら1度は諦めるよ」


「1度はね」

意識はなく、何をされたのかすら分からず、ただ声だけがハッキリと刻まれた。


お疲れ様です。

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