表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未定  作者: ヨユル
2/29

……

考えてみれば誰も僕の作品を読んでる人はいないのである程度満足するまで書き続けます。


2話

2話

「おい、何を休憩しておる…永延に眠らせてやろうか?」4年…修行を辞めて魔力と戯れる。

完全に心が折れた俺は魔力を瞬間的に枯渇させる技術を身に付けた。

手応えが無さすぎて2年間殺され続けた。

スパルタな魔王様の訓練で嫌気が差した。

地獄の鬼教官は以外に優しかったのかもしれない。

いや、魔王様は優しくないけど。

そんな魔王の話を聞かず聞き流しては神にここから出してと愚かにも願っている。

それから4年間魔力で遊んでいるのだ。

魔王が目に見える程のオーラを纏っていた。

「いえ…魔力切れです、勘弁して下さい」

「何を言っておる、己の魔力は微塵も使わんぞ?訓練に戻れ」

「魔王様…自然界の魔力をそのまま扱うのは無理があります。」

しばらく考え込んだ後いつもの様に魔王の威圧的な手が腹を突き破る。

「……おはようございます」

「殺せぬのだったな」

「…はい、出来たら辞めて欲しいです」

「魔力の力場を無くしてみろ」

力場?新しい単語に希望が見えた。

「あの、力場ってなんですか?」

魔王が首を傾げている。聞き間違いですか、そうですか。「何を言っておる、魔力の力場は既に教えたで有ろう」…知りません。初耳です。

「…聞き流しておったのだな」

はい、授業よりここから抜け出すことばかり考えてました。「はい…何分はるか昔の事ですので」

「ならば、もう一度教えてやる」

「はい!お願いします!」

希望が見えた!この転生前のチュートリアルから抜け出せないのは死ぬ!死ねないけど廃人になる!

「よいか?魔力を操作する時は魔力に意思を込めるよな?意思が込められた魔力が常時肉体から溢れ出ている…のは魔力遮断で実感したはずだ」

なるほど…ハッキリ言います!習ってません!

「1度しか言わぬからよく聞け、肉体から溢れ出てる意思の宿った魔力から意思だけを抜き取れ、それが力場を無くす近道だ。己の魔力と自然界の魔力の違いを考えて思い出せ」

なるほど!「分かりました!」

考える?己の魔力はどう頑張っても自然界の魔力と交わらない。違う魔力同士は反発する。

魔王様の魔力と俺の魔力が交わらないのと一緒だ。

ん?待てよ…確か、魔王様が魔力の操作熟練度と魔法耐性は比例するって言ってたな…。

そうか!魔力の意思が強い程他の魔力とは交わらない、だから意思の弱い魔法で攻撃しても魔王に接触する前に魔王の意思の強さ、この場合は力場かな?に負けて魔力が魔法として形を保てず分散してしまう。さらに言えば魔王様がその気になれば魔法その物を乗っ取れるのか…?

「おぉ!なるほど!これは…行けるのか?」

要は肉体から微弱に流れる魔力に意思が宿っていると、それが自然界の魔力と交わらない、交わったとしても意思が自然界の魔力を取り込み簡単に自分色に染まる…こともある。

力場を無くせれば己の魔力は自然界の魔力になる?

「思ったより簡単じゃね?」

そう言った瞬間目の前が真っ暗になった。

あ、死んだのね

「おはようございます!」

目の前には神様がいた。

「あれ…」

「すみません、全うするとか抜かしていましたので受信に気が付きませんでした」

そんな言い方されると辞めますなんて言えないしそもそも光が見えたのでもう大丈夫です。しかし、戻してくださいなんて素直に言いづらい。

「あの、ただの寝言なので気にしなくていいですよ!」

「…分かりました、それと魔力の力場を強める訓練も忘れないでくださいね」

それだけだからね!なんて付けてくれると非常に心が……「おはようござ…」

気が付いたら目の前に魔王様がいてそれを認識した頃には死を体験していた。「おはようございます…続き、やります」

「さっさとやってもらわねば困るのでな」

「は、はい!」

心に余裕が出来たからだろう。最近の魔王様は俺に呆れてから優しくなったと実感できた。

スパルタが無くなった。

「あの…力場の取り除き方を教えてください」

丁寧に日本人の奥義を使う。

今までの非礼を詫びてお願い事をする。

土下座が作り出す許さねばと言う空気。

「許すも何もお主はまだ何も許されぬ様な事はしておらぬだろ?それとも裏で神と会って抜け出そうとしたなんて愚かしい事もしてないのだろ?」

はい、しておりません。そう口に出せない。

この魔王様には一切の嘘も付けないのだ。

「謝る暇があるのなら訓練に戻らぬか」

「はい!」

気配遮断を全細胞には無理だな…機能を停止しかねない。魔力遮断で魔力を内側に集めて意思を消す。

……無理だ。魔力に宿る意思を消そうとすれば内側に溜まっている魔力と反発して死ぬ気がする。

内側に集めるのがアウト?

細胞全てに意識を巡らせる。

ダメだ!巡らしたら意思を取り除くなんて出来ないぞ…。意識を殺して無心の状態で全細胞から溢れる魔力が宿す意思を消す。まずは指先から…。



「はっ…はぁはぁはぁ……力場を……無理だ…」

まず、力場を取るとじわじわと肉体を自然界の魔力が侵食する。それを染めると魔力が回復するんだが…それじゃぁ意味が無い。回復法なんて今はどうでもいい。意思のない魔力をどうして操作できるのかが分からない……。

何年経った?

「魔王様…何年経ちました?」

「お主が集中してから80年は経ったがそこから数えるのは辞めた」

そうですか…意識を殺せば80年は暇をしないのか。

「少し死ねば良くなるだろう」

そう言ってカビた肉体を魔王様の手によって手放す事になった。「おはようございます」

「次のステップに行こうかの…力場を消してみろ」

ゆっくりだが、確かに力場を消せた。

「その状態で自然界の魔力に身を委ねてみろ、ただし内側の力場を消してはならぬぞ、消したら魔力を失う」え、恐ろしいな。表面だけ魔力の力場を消して内側は消さないってほぼ魔力遮断じゃないか。

意識と五感を強化、筋力の補強をする。加速した意識をフルに活用して表面上の力場を消す。むむむ…難しいっ!

「…コツを教えてください!」

「意識するな、感覚で覚えろ」

……天才肌になれと?

「力場を消す事に専念してみます」

無意識にできなければ詰む。

「ふぅ…精神的に疲れました」

「して、進展は?」

「はい!魔力の力場は少し意識すれば消せる様に成りました!しかし…己の魔力が作り出す力場が自然界の魔力に触れた瞬間全て水の泡になります……」

「なぁ、お主、力場が強くなったらどうなると思ってる、その言い方だと自然界の魔力なんてとうの昔に誰かの魔力に染まっているではないか」

確かに…。

魔力の力場が強いと魔法耐性が高まる。

弱いと自然界の魔力にしか反発できない。

…?自然界の魔力を仮に魔力の力場で反発する間もなく侵食したら?今頃魔王様の魔力で自然界の魔力が消えている。いや、事実魔法同様本体から魔力が離れる程魔力の維持が難しくなる。

言い換えれば力場の源から離れた魔力は次第に意思が弱まる。魔王とて世界を染めることは出来ない理由だと思う。

違うな…魔法を放っても魔力が力場を持つ。

だから本体から離れた魔力が魔法として形を維持できるのだ。射程距離が伸びると魔法の威力が弱まるのは自然界の魔力と反発した結果徐々に魔力の力場を削られるから魔法は自然消滅する。

自然界の魔力で例えば魔法が使えたら?

いや、不可能だ。そもそも魔法を使うには魔力に力場を発生させる必要がある。

力場を発生させずに魔法を使えたら…愚問だな。

世界中の自然界の魔力がひとつの魔法に理論上半永久的になる。

力場が発生するのは魔法を使う上で必要不可欠だ。

え…つまり今、無防備状態ってこと?

魔法単体で体を貫かれたら力量の差がハッキリすると魔王様は言っていた。

内側に流れる魔力は表に出せる力場の10倍の力場を宿していると魔王様は言っていた。

つまり、魔王様の肉体を魔法単体で貫けたら異世界最強を名乗れる事になる。魔界の王様だぞ?

魔力に頼りきった世界だ。

魔法が最強の武器になる世界だ。

しかも、力こそ全ての世界で最も力を純粋に欲する種族の頂点に位置する魔王様だぞ。

魔王様の肉体を魔法だけで貫ければ魔界で好き放題に振る舞える事になる。強くなるには知性と知恵が必要不可欠だと言っていたので頭のいい脳筋が多いだろう魔界を統べる魔王様の頭脳はチート級と言える。「邪念とやらが頭を支配しておるぞ」

魔界には邪念の概念は存在しないらしい。

己を高め続ける種族に邪念の概念はないのも納得できる。そしてその概念を教えたのはかなり昔…。

「…おはようございます」

トリップした俺を叩き戻してくれた。



ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ