14話(ルート2 仮)
※初めに…14話に対するもう1つの平行線。
この回とは無関係です。
ごゆっくり。
あの魔物は、ハイドバックと言う蜘蛛の魔物がスパイダーへと進化を遂げたばかりの幼体であると少年に教えられた。
まだハイドバックの感覚が抜け落ちずに能力を活かしきれていない段階であると語っている。
湿気の強い風が吹き去ると少年が微かに微笑んで木漏れ日が地に指した当たりを掘り起こす。
その刹那、防壁の制御が困難になり、微かに甲高い音が聞こえてくる。その音の正体が魔力なのか、防壁を通過してハッキリと耳に届かないでいる。
制御が乱れる度、ほんの微かに聞こえる。
耳を強化してこれなのだから防壁を展開していなかったならば、鼓膜が破れて他にも悪影響があったに違いない。そんな中でハッキリと聞こえる少年の嬉しそうな声。「今夜はご馳走だね!」
その手の中には3粒の赤い赤い豆が有った。
「何それ…?」魔力は魔物に近く、見た目は赤いそら豆。「魔力結晶、今回は使役の結晶だね」
そう言って目でギリギリ追えるスピードで木を駆け登ると太い木の枝で物理的に見失った。
数分後、サッと戻ってきた少年が巨大な鳥を魔力の檻の中に閉じ込めていた。
人よりもスパイダーよりも大きな鳥。
爪1つ1つが少年よりも大きい。
「タララって言うんだけど…うーん……あ!恐竜って言った方が伝わるかな?」
そう言った少年は当然の様に頭を殴り飛ばし溶け始めた魔力結晶とやらを胃袋から取り出した。
「……」俺の見た出来事は少年が地面を掘り起こして見つけた赤いそら豆を手に持って木を駆け登り数分後に恐竜を連れて目の前で絞め殺す。という日本では絶対に起こり得ない体験をしている。
日常とは非日常の連続だと誰かが言った。
それは、これなのだろうか。
放心するのは慣れているが、呆気に取られるのは久しぶりだ。いつ以来だろうか。
「上流の水辺はもっと先だった」
ポロッと聞こえた声とタララとかいう生物の生血の鉄臭い匂い。それに誘われる狼の遠吠えと思わしき鳴き声から分かる事。逃げられない。
生血を流し続けてきた経験によって鈍った判断力。
逃げられない…少年が頭を殴り飛ばした時に付着した返り血を肌で実感しながら思う。
その判断によって得られた収穫は奇襲に備えること。普通ならば少年が拳を握り閉めた時点でこの可能性を危惧すべきだったのだ。
返り血を浴びる事など分かりきっていた。
逃げても逃げた先で匂いに釣られた生物が襲いに来る。「楽しいね!」
そいつは大量のゴブリンを相手に本来黙殺出来た命を刈り取るのを楽しいと言う少年。
名前など知らんが、見た目相応の反応が実に子供らしい。タイミングが悪いけども。
「たくっ…」返り血を浴びたくない一心でファンバーの武術を封印している。
何故ならばファンバー直伝の殴り方では、腹に腕が貫通して腕に血がべっとりと付着する事が判明した為であり、この後、上流の水が使える保証が無いと思ったからで…。
「うぇっ…」
吐きながら空中に逃げるも、木上から飛びかかってくるゴブリンを間一髪で躱す。
何百のゴブリンの血なまぐさい死体が徐々に死臭に成る匂い。それに耐え切れずに吐いて、噎せて、苦しくなる。「臭いね!」
少年はゼロ距離で匂いに耐えながら笑っている。
「…上流で綺麗な水を探してくるよ」
少年にそう言って飢えたゴブリンの囲みを容易く突破して、河川を遡る。
「大豚の死骸?」上流、崖から大量に溢れる天然水の溜まる川の付近に大量の豚の死骸が散乱してる。
殆どが干からびていて、鼻が狂っているのか匂いも感じられない。何より、この当たり一帯に気配が感じられない。川を見れば、巨大な魚の影が薄らと見える。もしも、土属性なら、乾いた土を湧き水で泥に変化させて濡れタオル代わりに…。
正直言って、この水に触れるのが怖い。
何故ならば周りは死骸だらけで、その近くには川が…。果たしてこの川が汚染されてる確率は?
ダメだ…。未知の病気に成って、この世界の薬が身体に合わずに死期が早まるなんて結末は嫌だ。
お疲れ様でした。
14話が2つありますが、何方も本編であり、今後交わる事はありません。(伏線にもなりません




