練習1
―――チリン―――
風鈴のような、はたまた、鈴のようななんとも言えないとても美しい音が聞こえた。
今日は一段と暑く照りつける日差しが刺さるような日だった。やっと夕方になり少し涼しくなってきたところで私は散歩に出かけた。
近くは、特にこれといったものはなく、ただ民家と畑があるだけだ。
私はただなにか目的があるわけでもなく、のんびり歩いていた。15分くらい歩いたところに少し木の茂った神社があるのでひと休みしようと神社の階段を登っていた。すると、チリン、チリンとどこからか美しい音が聞こえてきた。だんだんその音に紛れて太鼓や、笛の音も聞こえ始めた。
ふと、後ろから黒猫が1匹私を追い抜かして階段の上へと登っていった。するとあとからぞろぞろと猫が神社へと入ってゆく。
つい、猫の好きな私は急いで階段を登った。そして鳥居をくぐったら景色が変わっていた…………
私の知っているこの神社はこんなに広くない、こんなに綺麗ではない、こんな………
『あら!珍しいわ!!』
可愛らしい黒髪の少女が呟いた。すごく、可愛らしい少女だ。猫耳と二又に別れた尻尾されなければ……