閑話:心機一転
この閑話は登場人物の紹介も兼ねてます。
「はぁ……」
ボフッ!
あの後――ギルガメルを始末した後、ダンジョンに死体を隠してそのまま自室へと転がり込むと、ベッドに身を放り出した。
名前:アイリ 性別:女
年齢:14歳 種族:人間
身分:ダンジョンマスター
特徴:一人称は私で、髪型は茶髪のポニーテール。
備考:【ミルドの加護】というギフトを持つ少女。日本から転移した直後に死亡したが、イグリーシアの神――ミルドに加護を与えられ、ダンジョンマスターとして転生した。
「これでよかったのよね……」
私は間違ってはいない。今さら地上の人達と敵対なんてできないし、ああする以外に選択肢はなかった。
「随分と思い詰めてますね。そんなにギルガメルの件がショックでしたか?」
「アイカ……」
名前:アイカ 性別:女
年齢:??歳 種族:自動人形
身分:ダンジョンコア
特徴:一人称はわたくしで、髪型はブルーのポニーテール。
備考:本体のダンジョンコアが遠隔操作で動かしているため基本的に死なない。但し五感を共有してるので普通に痛みを感じたりする。本来不要なのだが三食はキッチリと食べる。大のスイーツ好き。
「部屋に入る時はノックしなさいっていつも言ってるでしょ」
「いえ、ノックはしたのですがお返事が無かったので」
どうやら周りの音をシャットダウンするほど思い詰めてたらしい。
「なんじゃ主よ、まるで病人のように元気がないのう?」
名前:アンジェラ 性別:女
年齢:??歳 種族:バハムート
身分:アイリの眷族
特徴:一人称は妾で、髪型は紫色のショートカット。
備考:普段から人化しており、チャイナドレスがよく似合う絶世の美女である。SSSランクという世界を震撼させかねないほどの強力な存在で、その実力は人化してても衰えた様子はない。
「そのうち収まるから放っておいて」
「まぁそう言うでない。リヴァイの奴が心配しておってな? 様子を見てきてくれと頼まれたのじゃ」
「リヴァイが?」
「はい。お姉様が戻られた時に具合が悪そうだと思ったらしく、たいそう取り乱しておりましたが」
あ~、リヴァイは結構過保護だからね。あんまり心配かけると面倒なことになりそうだし、少しは顔を見せておこう。
で、リビングに入るとさっそく……
「アイリ様ーーーっ! 体調が優れないのではないですか!?」
名前:リヴァイ 性別:男
年齢:??歳 種族:リヴァイアサン
身分:アイリの眷族
特徴:一人称はこのリヴァイで、見た目は白髪混じりの初老紳士。
備考:海の支配者とも言われているSSSランクの魔物で、アンジェラ同様に普段から人化しており、ダンジョン運営を積極的にこなしている。アイリの身を案じている少々過保護の世話焼き爺さん。
「い、いや、私は大丈夫だから――」
「いけませんぞアイリ様。帰られた時のお顔は涙でぐしゃぐしゃで、それはもう酷い有り様で……」
余程酷かったらしい。せめて泣いた事を悟られないように顔は洗っとこ。
「病は気からと申しますゆえ、今夜はお粥に致しま――」
「ちょっと待つのじゃ。まさか妾達もお粥にするつもりじゃ――」
「いかにも。アイリ様に合わせて皆お粥にするのが筋!」
「なんと!?」
それだと皆が可哀想――というか私は病人じゃない!
「待てよリヴァイ。姉御は仕方ないにしろ、俺達まであんな汁物を食えってか?」
名前:モフモフ 性別:男
年齢:??歳 種族:デルタファング
身分:アイリの眷族
特徴:一人称は俺で、見た目は迷彩柄の大型狼。
備考:一部では勇者殺しと言われ恐れられているSランクの魔物。普段は人化せずに狼の姿で過ごしているが、人化すると泣く子は更に号泣するほどの強面な角刈り男になる。アイリの事を姉御と呼んで慕っている。
「兄貴の言う通りッスよ。俺達は肉を要求するッス!」
名前:クロ 性別:男
年齢:??歳 種族:カオスブラックウルフ
身分:アイリの眷族
特徴:一人称は俺で、光沢のある黒い毛並みの狼。
備考:元はDランクのブラックウルフだったが他の眷族との特訓によりCランクのカオスブラックウルフへと進化した。アイリーンにおいてホークに次ぐ情報通であり、兄貴分であるモフモフを手助けしてたりもする。アイリの事は姉貴と呼んでいる。
さっそく抗議されてる。この2人は肉食だから当然の反応ね。
「ワイもやで! 肉はともかく歯ごたえのあるもん食わせんかい!」
名前:ホーク 性別:男
年齢:??歳 種族:ワイルドホーク
身分:アイリの眷族
特徴:一人称はワイで、見た目は赤毛のチャラそうな青年。
備考:アイリーンでは右に出るものが居ないと言えるほどの情報通で、日々ネットからの情報収集は欠かさない。普段から人化しており、人化を解除すると大きな鷹――Bランクのワイルドホークになる。
「某も同感でござる。硬い物を食わねば歯が脆くなるのは必然。やはり歯ごたえは必要不可欠でござろう」
名前:ザード 性別:男
年齢:??歳 種族:リザードマンキング
身分:アイリの眷族
特徴:一人称は某で、見た目は顎髭が立派な武将が青い鎧兜を着こなした姿。
備考:語尾がござる口調の渋い男で、日々のトレーニングを欠かさず行っている。ホークと馬が合うらしく、周りからは凸凹コンビと言われている。いつか燕返しを極めるのが彼の夢。
ホークとザードからも抗議が上がった。うん、私も賛成したいところだけどリヴァイの胃に穴が空きそうだし、ここは何も言わないでおこう。
「まったく、これだから野蛮な男共は嫌ですわ。体調の優れない時はヘルシーなものに限ります。そう、例えば……パスタなんかはどうでしょう?」
名前:ギン 性別:女
年齢:??歳 種族:シルバーウルフ
身分:アイリの眷族
特徴:一人称は私で、見た目は白銀の毛に覆われた狼。
備考:普段は狼の姿で過ごしていることが多いが、人化すると銀髪の和風美人になる。和服を着ることが多いが、好きな食べ物は洋食。割と腹黒いところがあり、クロを顎で使っている。
「ギン、それはアンタが食べたいものじゃない?」
「な、何を言っておられますかアイリ様。スープスパゲティは喉ごし最高でございます!」
「そ、そうなの……」
まぁお粥じゃなきゃ何でもいいわ。
「でしたら~、スープカレーも~、よろしいかと~♪」
名前:セレン 性別:女
年齢:アイリーンでは最年長 種族:セイレーン
身分:アイリの眷族
特徴:一人称は私で、見た目はごく普通の金髪少女。
備考:普段から人化しているが、人化を解くと金色の毛並みを持つセイレーンとなる。間延びした口調で話すことが多く、常にマイペースな印象。しかし年齢に触れると怒髪天の如く暴れるので注意が必要。ロリババアも禁句である。
スープカレーを提案してきたのはセイレーンのセレン。
「なんでまたスープカレー?」
「あの上品なすすり方が~、とても気に入りました~♪」
「ああそう……」
何だか晩御飯のリクエスト大会になってきた気が……。
「それならいっそお菓子にするべき」
名前:ルー 性別:女
年齢:??歳 種族:オリハルコンゴーレム
身分:アイリの眷族
特徴:一人称はルーで、見た目は金髪幼女。
備考:人化の指輪により普段から人化しており、指輪を外すと巨大なオリハルコンゴーレムとなる。お菓子が大好きで3時のおやつが命の次に大事。三食お菓子でも構わないと本気で思っている。ミリーの姉貴分でSSランクの魔物。
「ルーに賛成。マスターは疲れているみたいだし、疲れた時は甘いのに限る」
名前:ミリー 性別:女
年齢:??歳 種族:ミスリルゴーレム
身分:アイリの眷族
特徴:一人称はミリーで、見た目は銀髪幼女。
備考:ルー同様、普段から人化している。好物もルーと同じで、お菓子に目がない。隙あらばアイリにお菓子をねだってくる。ルーの妹分でSランクの魔物。
またこの2人は……。さすがに晩御飯をお貸しにはしたくない。
「お菓子は御飯に入りません! わがまま言うと、お菓子を召喚してあげないわよ?」
「「どうかお許しください」」
変わり身はや!
「んが~? 今、飯って言っただか~?」
名前:レイク 性別:男
年齢:??歳 種族:ファイアドレイク
身分:アイリの眷族
特徴:一人称はオラで、見た目はまんま巨体ドラゴン。
備考:1日の殆どを寝て過ごしているというグータラドラゴン。アイリーンで一番の大食いで、食料の消費量が多い。たまには運動したらとアイリに言われたが動くと腹が減ると言ったため、なるべく動くなと言われたことも。人化もできるが、その際は中年農夫のような見た目になる。ちなみにAランクの魔物。
「御飯はまだよ。もうしばらく寝てなさい」
「分かったど~」
ふぅ……レイクならお菓子でもいいって言いそうね。
「ねぇ、もしかして晩御飯を何にするかで揉めてるの?」
名前:メリー 性別:女
年齢:推定12歳 種族:地球の魔物
身分:アイリの眷族
特徴:一人称は私で、見た目は金髪の少女。
備考:【わたし、メリーさん】で有名なアレ。もはや詳しい説明はいるまい。
「別に揉めてはいないわよ。リヴァイがお粥にするって言い出したから、それに代わる案を出してるだけ」
「ふ~ん? 私はなんでもいいけどね」
いや、何でも良いって言ったら本当にお粥にされかねないんだけど……。
「……賑やかね。ここはいつもこんな感じなの?」
名前:ペサデロ 性別:女
年齢:15歳 種族:ダークスイープアサシン
身分:アイリの眷族
特徴:一人称は私で、見た目は青い髪をショートカットにしたメガネっ娘
備考:元はギルガメルの眷族だったが、アイリーンで再召喚されアイリの眷族となった。Cランクの魔物で、対人戦を得意とする。ウィザーズ学園での生活を楽しんでおり、卒業したくないとすら思っているらしい。
「ええ、いつも通りよ。騒がしいけれど楽しいから退屈しないわ」
「……そう」
「あ、そうだ。ペサデロが新しく眷族となったんだから、歓迎会をしなくちゃね!」
「……え?」
「だからペサデロ、アンタの好きな物を食べさせてあげるわ」
今日はペサデロのリクエストに応える……これならリヴァイも文句は言えないはずよ。うん、お粥も回避できて一石二鳥ね!
「いいでしょリヴァイ?」
「うむむむ……そういう理由なら致し方なしですな」
「だそうよ。ほら、なんでも言って」
「それじゃあ……」
しかし、直後に衝撃的な発言が飛び出すとは、この時誰も思わなかったはずよ。
「……せっかくだから、そのお粥という物を食べてみたい」
はい解散。夜まで不貞寝するわ!
もう一つ閑話が続きます。




