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乙女ゲームの悪役令嬢に転生しましたが、中身はアホのこのままでした【連載版】  作者: 空飛ぶひよこ


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アホのこと生徒会5

 ……と、わりと冷静に突っ込んで現実逃避してたりするけど、密かに冷や汗だらだらだったりする。

 海棠隼……こいつは、やばい。まじで、危険人物。……さて、どー対応すんのが正解か。

 こいつの、フレンドリー過ぎるチャラ男会計の姿は、仮の姿。……その実態はアホのこ系二重人格な愛那ちゃんが愛おしくなるレベルの、危険なヤンデレキャラなのである……!

 海棠隼ルートは、初期の他キャラとの交流の仕方で分岐が決まる、特殊なルートだ。ふつうにプレイする分には、単にチャラくみえるが、内心では甘ったれで寂しがり屋だと判明し、最後は泣きながらヒロインに「もう他の女の子はいらない……君じゃないとやだよ。君がいないと淋しくて、俺死んじゃう」と縋って告白する感じで終わる。個人的には、どう考えても駄目男なのだが、まあ無害なのでよい。ファンの間ではさみしければ死んじゃうという台詞から会計は「ウサギ隼」と渾名されていたりする。

 ……問題なのは「黒ウサギ」と呼ばれる、ヤンデレルートである。

 基本的に「箱庭の虜囚」はゲーム中に出てくる三択で好感度の上下するシステムなわけだが、このルートに入る為には海棠隼と生徒会室で遭遇するまでの時点で、一度も「正解」……つまり好感度が最も上昇する選択肢を選んではいけない。かと言って最も「不正解」……「明らかに嫌われる」選択肢を選んでばかりいたら、要から生徒会の庶務に任命されないから、そもそもの出会いイベントすらなくなってしまう。故にちょうど良い加減に「中間」な選択肢を選ばないといけないわりと難易度高い仕様なのだ。そして、それを乗り越えた先に待ってるのが、ウサギの黒化である。


『君がいるなら、他に何もいらない』


『邪魔する人がいるなら、全部消しちゃおう』


 ……まあ、ここまでは、ヒロインちゃんにとって怖いだけだから良いんだけどね。いや、ヒロインちゃんお気の毒だとは思うけど。

 問題は、だ。


『君を追い出そうとしてる、女帝サマ………邪魔だよねぇ?』


 ……この、台詞である……!

 そして、黒ウサギルートの場合、行われる「女帝様学園追放イベント」が、完全にヒロインの預かり知らないところで行われており、ヒロインが女帝様のその後を問いただしても


『女帝様? ……誰だっけ? そんな娘、俺、知らなーい』


 と、にっこり笑って終わるのだ………。


 ーーやべえ、殺・ら・れ・る!


 ま、まずいまずいまずい、ヒロインちゃんが会計ルート選ぶとは限らないし、選んでもヤンデレルートにはしないとタカくくってたけど、いざ海棠隼を目の前にしたら不安になってきたぞ……! 怖い、とても怖いです。

 ……あ、でも、そもそも私が庶務に選ばれた時点で、ヤンデレルート消えたのか? てか、私、ヒロインちゃんに女帝様らしく嫌味ぶつけることはしても、追い出そうとまでは考えてないし、前提条件からして大丈夫じゃない? ……い、いやしかし、ゲームの強制力があるかも………あと、王道展開的には、姫乃ちゃんが逆ハー狙って、わざと黒ウサギを呼び冷ますとか……!(あれ、でもゲーム中に逆ハールートなんかなかったし、あるとすれば女帝様追放は成功するけど、誰とも最終恋愛イベント起こせないノーマルエンドだけだったぞ……? まあ、複数の攻略対象にそこそこ好意寄せられてるわけだから逆ハーと言えなくもないが……いーんか? それで)


「固まっちゃって、どーしたのー? こんな風に口説かれたの初めて? やっぱり、かわいー」


 ……って、ぎゃあ! この至近距離から息吹きかけないで!

 なんか、ヤンデレ特有か冷気が、伝わって来たような気がするから!

 私は今の時点で、既に要の好感度それなりな自信あるから(なんせご主人様ですから!)間違っても自分がヤンデレターゲットになるとは思わないけれど、それでも怖いものは怖いんだあーー!


「ーー海棠、悪いが、こいつの週末はいつも部屋の掃除と決まってる。こんなアホからかってないで他をあたれ」


 ーーここで、救世主登場ー!

 神様仏様要様! 助かった……。


「え、掃除?」


「ああ……今まで、メイドに任せきりだったからか、少し目を離せばすぐに部屋汚しやがる。だから俺が毎週部屋に行って、掃除の監修してんだよ」


「ぶっ……ちょっと待って、会長! さらっと毎週女帝様(笑)の部屋通ってること暴露してるけど、女子寮は男子禁制だよね! それに別料金だけど、ハウスキーピングシステムあるのに、何で女帝様(笑)自分で掃除してるの? 鳳凰院家がケチる項目じゃないでしょ!」


「……学園にも鳳凰院家にも許可とってんだから、良いんだよ。後、いくら金持ってるからって掃除くらい身につけてねぇと、将来的に困るだろ。信用できるメイドだって簡単に見つかると限らねぇし」


 ……まあ、私、完全庶民かつ大人な前世から、掃除は苦手でしたけどね。えへへ。

 それに対して、要の掃除力は、ぱない。重曹とかまで使っちゃう、主婦レベル。一体どこで取得したのか、本気でなぞ。……シンデレラみたいに、義母にいじめられて取得したわけじゃないとは信じたい、

 まあ、要は基本的に監修(てか、私がサボらないように見張り?)だから、最終的にするのは私なんだけど。おかげで大分掃除が得意になりました。……普段から汚さないで、チョコチョコ片づける習慣が大事なのね。

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