免許合宿1日目〜午後の部〜
キーンコーンカーンコーン
3限目が終了する合図の鐘が鳴り響いた。
空腹に耐えきれなかった私は一目散に食堂へ向かい、昼食をとった。
萌『おばちゃん、ここのカレーめっちゃ美味しいな!明日もカレーがいい!!』
『毎日カレーやったら飽きるさかい、違うメニューやで。また明日も食べにおいで。』
萌『はーい……。明日は大盛りでな!美味しかったで、オバチャン。また明日!』
すっかり食堂のオバチャンと仲良くなった私はワガママを吐き捨て、パソコンルームへと向かった。
パソコンルームでは、事前に手渡されたワークノートを埋め尽くす為のヒントが隠れていると教官から聞いた。ココでワークを埋め尽くそう。
誰もいなかった。
そりゃそっか。お昼休憩だもんな。
ひたすらワークを仕上げた。
『……隣、座っていいですか?』
萌『びっくりしたーーー!!!』
集中していたせいか、人の気配すら感じる余裕も無くなっていた。
声の主は、あのタクヤ似の男の子だった。
萌『あ、ごめんなさい。どうぞ。』
萌(……ん?まてよ。こんな広いのに何で隣?2人しかおらんのに、なんで隣?いや、いいけども!!笑)
ワークに集中しているフリをしながら心の中で自問自答。
『頭いいんですね。』
萌(……へ?)
萌『そんな事、初めて言われました。全然ですよ。』
『敬語……無くていいですよ。年上ですよね?』
萌『え?なんで……』
『何となくそんな気がしただけです。当たりですか?笑』
初めて見た時とは180度違う笑顔。
まるで、餌を与えたら懐いてきた犬のように。笑
闘真『俺、とうまって言います。闘うに真実の真で、闘真です。』
聞いてもないのに自己紹介をしてきた。
でも、何だか嬉しくって続いて自己紹介。
萌『萌です。あ、お互い敬語辞めへん?2週間もこの中に居るんやで?気楽に行こ!笑』
闘真『そうやな!じゃあ、よろしく、萌!』
呼び捨てにしろとは言ってないが、まぁいっか。笑
萌『よろしく、闘真!』
2人は握手を交わし、その後午後の部が開かれる教室へと向かった。
これが、私と闘真の出会いだった。