免許合宿1日目〜午前の部〜
教室に着くと、教官らしき人が2、3人入口に立っていて、生徒証と出席番号を手渡された。
『とりあえず、来た人から順にどこでもいいから座ってください。』
そう言われた私は、本気で1発で免許取得をしたかったので、最前列のど真ん中の教卓の前に座った。
勉強が苦手な私は、高校時代いつも寝てしまっていて、きちんと勉強を出来なかったから。
教卓の前だと緊張して寝ることが無いだろうと思い、決意した。
その後、続けてゾロゾロと人は教室に入ってきたものの、隣に座る人はなかなか居なかった。
そりゃそうだ。誰も好んで座らない。笑
事前に机に置かれていた教科書をパラパラとめくっていると、、、。
ガタンッ
隣に誰か座ってきたみたいだ。
ふと目をやると、そこにはさっきの男の子。
萌(あれ……。今、初めてちゃんと顔見たけど……。めっちゃイケメンやん。ウー〇ーワー〇ドのタクヤに似てる……。)
私の視線に気づいたのか、タクヤに似ている男の子とバッチリ目が合ってしまった。
萌(ウギャッ……目が合った。)
思わず目を逸らして、教卓に立った教官へと目線をうつした。
『えー。今週のカリキュラム配ります。今日は丸1日、勉強の日やで!いいか?寝やんようにお願いしますで!』
配られたカリキュラムを見ると、今日は夜の9時まで座学がギッシリと詰められていた。
萌『本気か……?笑』
ハードスケジュール過ぎて笑えてきた。
ふと、明日のカリキュラムを見ると実技と書かれた欄が二つもある。
『明日の欄を見てほしい。実技って書かれてるの分かりますか?はい、明日から実際に校内の敷地で運転してもらいますんで。みなさん頑張ってください。ほな、これから1限目の座学がこのままココで始まるんで、担当の教官が来るまで待っててくださいね。』
鬼の免許合宿がスタートした。