有馬記念
クリスマス、名前入りのソムリエナイフを頂いて調子に乗って三時間で二本ワインを開け、その後他の人と有馬記念の話をして、エイシンデピュティが絶対来ると言い張っていた。が、すでに枠順も発表され、エイシンデピュティの名前はなく、その話をした人と話した記憶もないという失態をやらかした。なんとか家にたどりついたものの、一眠りして起きてみたら、食べた覚えのない弁当のパックがテーブルの上にあるなんてことは日常茶飯事。大体年末なんてこんなもんである。
そして、押し迫って今年の競馬成績をみて青くなり、
「なんとかグランプリで帳尻あわせを……」
と思って傷口を広げるのも毎年のこと。有馬記念なんてここ十年で一度だけ、枠連を獲っただけ。しかも前年、中山まで行ったはいいが、全く見えず、馬券も当たらずおけらで帰ってきた年だった。有馬記念なんて当たる気がしなかったので、妹の神のお告げ馬券で一枠からの枠連総流しが引っかかり、頑張ったタップダンスシチーのお陰で五千円の馬券をゲットしたという、全く持って棚ボタ馬券だった。
だいたい、G1なんてそこに出ているだけで何がきたっておかしくないのだ。という観念から、有馬記念は好きな馬から買うというスタンスがいつの間にか出来上がっていて、この四年はディープインパクトがいようが何がいようが、デルタブルースちゃんからいって共倒れという構図も出来上がっていた。今年はいとしのデルタくんが出走しないので、データなどから勝ちにいってみるかと思う。もちろん、いつも彼を信じて疑わず買ってきたのには違いないのだけれど。
〇六年のディープインパクト、ポップロックという馬券を獲った馬友の格言。
「外国人騎手は大きなレースに強い。だって賞金稼ぎに来てるんだから」
なるほど。この六年間、三着以内に必ず海外ジョッキーの名前があるというデータにも符合する。もちろんいい馬に乗っているということもある。とりあえず、これ採用。
四歳馬が優勢なのだが、三歳馬が勝った年というのはジャパンカップでも三歳が勝っている(〇二年はジャパンカップが中山開催なので別として)。今年はスクリーンヒーローがジャパンカップを勝っているから、三歳馬は二着以降としておこう。
そしてやっぱり内枠有利。六枠より外の馬の連対はぶっちぎって勝ったクリスエスだけ。脚質も先行して抜け出すというのがセオリーのようだ。
「スカーレットは強いと思うけど、外枠だったら買わないなぁ」
と馬友と話していたらまんまと外枠に入ってしまったね、となった。しかも女子も苦戦である。
結果、なるべく内にいる四歳馬でそこそこ前にいく、海外の騎手ということでアルナスラインかなあというあたりである。でもなんだかしっくりこない。ううむ。久しぶりに獲りたいなあという気持ちが強いので、結局オッズに負けて外枠の有力どころからいってしまうのだろうか。ああ……
ちなみに先週は愛知杯、セラフィックロンプが、左回り、距離適正、平坦大好きと見て本命だったものの二着を予想できず、獲り逃すというなんとも悔しいところで、もちろんG1六連勝なんて残すところあと一戦になってもいまだひとつも獲れずという、絵に描いたようなギャンブラーの年末となっている。
来年はどんなスタンスで競馬と関わろうか。鬼に笑われても、有馬記念の前に決めておかなければ、また金杯で惨敗を繰り返す。次回で一旦最終回としようと思っているけれど、
「どうでもいいけど、全体的にネガティヴ」
と、この連載を見てくれている馬友にいわれないような有馬記念回顧を書けるようにしたいものである。