秋華賞
午後一時ごろに、せっかく買った飲み物がヨーグルトドリンクだったという残念な(乳製品が苦手です)夢を見て目覚めた。昨日のちゃんぽんのおかげで、ものすごく飲んだ一昨日よりも少しお酒が残っていた。
あんまりやる気もないまま、軽くご飯を食べて、パソコンを開き、表計算ソフトで検討を始める。秋華賞はムードインディゴと決めていたけれど、念のためだ。
テレビをつけると調度サフラン賞だった。カツヨトワイニングがいいかなぁと思い、後人気の二頭でボックスにしてみる。と、一着、四着、十二着。残念。まあ、思いつきで買ったし、と気を取り直し、秋華賞の検討を続ける。耳に飛び込んできた名前は、
「バルバレスコ」
これは一昨日飲んだワインの名前だった。気になって、ワイドで五点流しておくも十一着。またも残念である。結局、ムードインディゴとエフティマイア、ムードインディゴとマイネレーツェルからちらほらと流し、府中牝馬ステークスを見た。
馬券は買っていなかった。予想はカワカミプリンセス、ベッラレイア、レインダンス。カワカミプリンセスが濃厚だけれど、秋山騎手に勝って欲しいなぁ、と思っていた。
ゲートからのカワカミプリンセスの飛び出しは見事だった。休み明けとは思えない反応だった。あんまり前に行ってしまうのはどうかなぁ、と思っていたけれど直線を向いたときに持ったままの手綱を見て、鳥肌が立った。ゴール前で抜け出してからのブルーメンブラッドの脚もすごかったけれど、私は内にいたレインダンスの緑の帽子ばかり見ていた。
「三着に残って、ここで復活を……」
と思っていたら、ぴろっと差されてしまった。誰が差したのかと思えば、秋山騎手。結局二着、三着、四着。馬券を買っていなくてよかった。買っていたら吉田豊騎手を嫌いになっていただろう。
さて、秋華賞の時間となる。結果的に見れば、一番強かったのはプロヴィナージュではないだろうか。あの速い流れを自ら作り、三着に残ったのはえらいと思う。実はこの馬、関東オークスの二着馬で、その後のラジオNIKKEI賞のときは雨だったこともあり、馬券を押さえてあった。今回も気にはなったけれど、そこまで手が広げられない。
ブラックエンブレムとムードインディゴの差は位置取りだろう。ゴールした瞬間、福永騎手が下を向いたのが印象的だった。そういえばブラックエンブレム、いつか押したなぁと振り返ってみると、私の桜花賞本命馬ではないか。うう……
とはいえ、ローズステークスの時から一押ししていたムードインディゴが二着に入ったので満足だった。レースが終わって馬友から電話がかかって来て話していた。どうやればこの一千万馬券をとれたか。馬友の本命はトールポピーだったのだが、押さえにブラックエンブレムが入っていたらしい。
「一二着固定の総流しはできたかも」
という。私は、
「二三着軸の総流しマルチなら獲れたかも」
と思う。これは、『百人に話して誰一人納得しない話』第二段だと笑われた。「ピンクカメオとムラマサノヨートーは買えるけれど、ローレルゲレイロは買えない」現象である。
しかし、荒れたなぁ、と思っていると、忘れ物をとりに学校に行っていた娘が帰ってきた。テレビで繰り広げられる予想に、
「だからムードインディゴだって」
と反論していたのを聞いていたので、結果をお知らせした。
「ムードインディゴ二着だったよ」
「じゃ、馬券獲ったの?」
「ううん」
「だから複勝がいいっていってんじゃん。そうやって欲をかくから当たらないんだよ」
「……」
その通りなんだけどさ。