くすぶり再発か
またもG1惨敗。
というより、かすってはいるんだろうけれど。予想を教えてくれた馬友二人。どちらにもブラックシェルが含まれていた。のに、縦目になってしまった。いまだ、私の表計算は中山仕様なのか……怖くて他のレースに手がでない。
事業を始めたばかりなのかなんなのかでしんどそうにしていた人がいた。なんとしても這い上がり上を目指そうとする姿勢はすばらしいと思ったが、そのやり方がどうなのだろう。無理矢理悪ぶっているように見えたので
「WIN&WINの関係じゃないとうまくいかないよ」と助言したら、
「そんなにえらいのか」と返ってきてしまった。励ましたつもりなのに裏目に出た。気に障ったのだろう、申し訳ないことをした。
成功したい。そう思ったことは何度かある。それで本を読み漁ったり、集まりに顔を出したり。それでもなんだかついていけなかった。成功とはなんなのだろう。
どうにも行き詰ってしまったときによく競馬場に行った。雨のパークウインズなんかでぼんやりと、霧雨煙る馬場を眺めている。刻一刻と変化していく数字の羅列を眺めて、一人ではないことを確かめる。がんばりすぎているのか、がんばらなさすぎているのかする自分を客観的に見る。
オッズを動かすほどの大金を投入できるようになりたいのか。はたまた自分の馬でダービーを目指したいのか。どちらも違う気がする。
ただそこにいて、ちっぽけかもしれない競馬の歴史を見ていたいだけなのではないか。数百円の馬券を握り締め、声の限りに応援していたいだけなのではないか。応援しているのは本当に目の前で走っている馬なのか。そこに投影されている自分なのではないか。蹄の音を聞き、電線のない空を眺め、何万分の一人になって、自分がどれくらい小さな存在であるかを確認したいのではないか。
そういえばまた四位騎手を目の前で見るチャンスを逃したな、と思った。来週は東京に来るのだろうか。シックスセンスに続きの乗り替わりか。武豊騎手は一流ジョッキーだとは思うが、なんでもかんでも乗り替わってしまうのはちょっと切ない。
ちょっと感傷に浸ってしまったが、またもくすぶり再発のような気がしてならない。ううむ。過去の自分データを見ると、この時期なんだかんだと忙しいのか、馬券購入が少ない。その割には大きく当たっていたりする。そういえばプリンシパルステークス、二着三着だった。ワイドでも万馬券。今日だってワイドなら取れたのに。三十倍の配当だっていいじゃないか。
馬友の話を聞いていれば……そういう意味では競馬は文章と似ているな。人の話に耳を傾けなければ、馬券も文章も上手くならない。でも奇抜なところも押さえていかなくてはミリオン馬券も取れないし、面白い話にもならない。今の私にはたぶん素直な心が足りないのだろう。
この状態を脱却するには……あがくのをやめるべきか、目いっぱいあがいてみるべきか。とりあえず、誰かに聞いてみて片っ端から実行してみるか。