おめでとう
桜花賞、全くはずしてしまった。最後の最後でソーマジックは『買い』だったけれど、リトルアマポーラの一着は信じて疑わなかった。四コーナーを曲がったところで、私は小さなテレビの画面に向かい、知っている限りの汚い言葉を吐いた。
もう届かない。なにが抜け出してくるのだろう、と思っていたら、小牧太騎手。まだ出走も確定していない水曜日、
「騎手で買いだったら、小牧かなあ。最近のってる気がする」
自らの発言を思い出したが、実際の予想では、一番初めにこないなとふんだ馬だった。
実は私、園田時代に彼に会っている。あんまり記憶にないんだけど、その後、園田の調教助手さんとしばらく結構話す機会があって、知った。地方競馬の関係者さんたちが集まっていたんだけど、職業は教えてもらえず
「豆腐屋です」
といいはっていた。みんな小柄な豆腐屋さんだなぁと思っていた。
多分、小牧騎手は二十六歳くらいだったはずだ。中央競馬には一度行ったことがあったので、調教助手さんに、園田での馬券の買い方のコツを聞いたら、
「小牧兄弟から買えば間違いない」
といわれた。その頃から園田のエースだった。インタビューで、涙を流し
「全国のファンの皆様、お待たせしました」
その言葉に、もらい泣きしそうだった。
地方から中央ジョッキーになったといえば、安藤勝己騎手、岩田康成騎手がいる。二人ともデビューの年から勝ち星は年間百を超える。小牧騎手が百勝を上げるまでに四年かかった。でも安藤騎手は四十三歳で中央のジョッキーになった。小牧騎手は現在四十歳である。そう考えれば、まだまだこれからなのかもしれない。
最近競馬にはまったという女性に出会った。よく大井にいっているという。中央から競馬に入った私にはちょっと意外な気がした。
「内田博幸騎手が好きで」
と理由を語った。そこから中央競馬にはいり、地方にはないジャンプが楽しいという。来週は中山グランドジャンプを見に行くといっていた。
私も障害は嫌いではない。だが競馬場に行ったときには、調度お昼ご飯の時間にあてている。しっかりした馬体が歩くパドックを見下ろしながらそばを食べる。以前は勝負した。穴を狙っていてとったにはとったけれど、人気の馬が落馬したためだったので、あまり気分よくはなかった。今は観戦にとどめる。全馬が無事に飛越すると、拍手が起こる。あの雰囲気はいいと思うし、好きだ。馬券よりも、全馬が無事で帰ってくるとうれしい気分になる。
三寒四温、今年は月曜日と金曜日に雨が集中しているらしい。今週も週末の雨で、馬場は悪いだろう。みんな無事に帰ってきてほしい。多分、小牧ジョッキーの騎乗となるスマイルジャックにも期待だ。




