ギャンブルは儲からない
うーん、せっかくG1の季節が到来したというのに予想に気合が入らない。
新聞買いにいかなくちゃ……と思いつつ、映画を立て続けに二本も見て、なんだか競馬を避けているようだ。時々この季節はそうなる。皐月賞やオークスの思い出はわんさかあるのに、桜花賞の思い出が少ない。去年はバスルームの中からレースを見たような気がする。
娘にさんざん
「ダイワスカーレットはブルーリッジリバーのいとこだよ」
と言っておきながら、ウオッカからの馬単を買っていた。
新聞だけは買っておこうと思ったら、今週から値上がりしていた。なんとなく、釈然としないが、黙って買っておく。情報は大切。
思い返せば去年の春は大荒れのG1だった。そんな中で桜花賞は堅く収まったレースだった。ダイワスカーレットは強かった。いつまでたってもウオッカが届かなかったのを、じっと見ていた。ブルーリッジリバーのいとこで、安藤勝己騎手は娘と誕生日が同じ――コレも神様のお告げだったのかも。見逃した。
誕生日馬券といえば、スズカマンボの春の天皇賞が、私の誕生日馬券だったんだけど、私は東京競馬場のモニターの前で愕然としていた。たいてい大きなレースでは誕生日馬券を買う。当たればラッキー当たらなければ厄落とし。が、そのレースに限って勝っていなかった。馬連八万五千円なり。
『とったでしょ!』
という馬友たちからのメールは片っ端から消去した。
基本的にギャンブルは儲からない。馬券だって、買った瞬間に二十パーセントから二十五パーセントは胴元のJRAに持っていかれている。まぁ、そこで働いてくれている人たちのおかげで競馬が滞りなく開催されるわけだから、一概に文句も言えないけれど。残りのお金を馬券を買った人間が分け合っているのだから、そうそう儲かるわけがない。
ちょっと余談になるけれど、TOTOビッグのキャリーオーバーが一向に減らない。それはたぶん、設定に問題があるのではないかと思う。コンピューターが勝手に勝ち負けやそうでないかを選ぶとしても、基本的にサッカーはホームのほうが有利だろう。その点が加味されていないのではないか。だからなかなかあたりがでないのではないか。競馬でランダムな馬券がでたとして、中山芝なんかで外枠ばっかりが選ばれていたらちょっとがっかりする。TOTOでアウェイの勝ちを意味する『2』という数字があまりにも多いとなんとなくがっかりするのは私だけだろうか。まぁ、だから高額の当選金になるということなんだろうけれど、なんだかふにおちない。
儲からないはずのギャンブルで、知り合いの社長が毎週勝っているという人に会った。
「金持ち買いでしょ?」
単勝や複勝にン百万賭ける賭け方だ。それが違うというのだ。大体一レースに十万円しかかけない。そして軸馬が五六番人気の馬だというのだ。うまい。それはとっても上手い。弟子にして欲しい。コツを聞くとやはり情報を集める量が半端じゃないという。たかが五十円の新聞代の値上げでがたがたいっていてはいけないのだ。
そんな輩がいるのだから、中途半端にしか情報を集められず、なんだかんだ人気からいって結局当たり損なんてしている一般市民にはそうそうご褒美は回ってこない。
日曜日には、私が最後のガーネットステークスを見に行ったことが羨ましかったらしく、絶対に中山までいくと決めていた馬友が、やっと出陣できるらしい。いい予想をプレゼントできればいいんだけど、なにぶん日曜日は苦手だから、こそっとお土産だけ頼もう。
最終的に出走の三十分前まで検討するけれど、桜花賞はやはりリトルアマポーラからいく。後はブラックエンブレム、オディール、トールポピー――人気だろうなぁ……そして人気を落とすだろうポルトフィーノ。初芝のマダムルコントが、中山出陣の馬友がファンの角田騎手騎乗でメジロライアン産駒というのがちょいと気になる。これは偶然か、はたまた啓示か。
その前にニュージーランドトロフィーがある。こっちはゴスホークケン、ダンツキッスイ。穴っぽいところからはサトノプログレス。ちなみに去年はムラマサノヨートーからいった。ちょっと先物買いしすぎた。一レース後だったら……うーん。
今年は荒れるのか荒れないのか。とりあえず、誕生日馬券は買い忘れないようにしよう。あ、お土産にそれ頼んでおこうっと。