次の世代へ
どうやって予想するかと書いていたが、結局今週は予想すらしなかった。
前日妹と食事をし、ちょっと考えることがあった私は、投稿してから考えてもどうにもならないことをうだうだ、あーでもないこーもできたなどと後悔していた。
そこにお久しぶりになる方からお電話が入り――午前三時前――小一時間ほど近況報告やらお説教やらを食らい、すっかりやる気をなくした私はひたすらぼーっと時間を過ごし、ぼんにゃりと観戦するにとどまったわけです。仕事柄午前三時の電話は別に珍しくも迷惑でもなく、どちらかというと精神的には救われた感じだったけれど、予想モードには切りかわらず。仕事場では、大阪杯の予想を聞かれて
「いやぁスカーレットは斤量お得だし。アサクサキングスはいつも買わずに失敗するから押さえますね。あとエイシンデピュティの斤量もお得な感じですね。パスポート君はここ、正念場だと思うし……」
なんて対して的外れではない予想を展開していたけれど……
だからと言って買わなかったことを後悔もしなかった。それよりもダービー卿のほうが不思議だった。
私がテレビをつけたときにはすでに横山典弘騎手のインタビューがはじまるところで、三連単が百万馬券だという。ダンスフォーウィンが最下位人気なのが私には解せない感じだった。まぁ、実際に買えたかといわれれば、別の話。
横山騎手はいつもよりなんだかうれしそうで、先週の落馬からの復帰について喜びを語っていた。それに息子さんが競馬学校に入学したと。
「へぇ〜ノリの息子もいたんだぁ」
わが愚娘も私のたっての希望で、騎手課程二十七期を受験している。
「横山君ていた?」
と聞こうとしたら、その前に見ていた映画がいまいちだったのか、椅子の上でくたぁっとなっていたのであきらめた。
完璧な記念受験だったにもかかわらず、娘はせっせとダイエットに励んでいた。試験当日、まず体重測定があり、そのときに四十四キロ以上の体重があった場合、以後の試験は受けることすらできない。
「体力やその他のことで落ちるのは仕方ない。でも体重と筆記試験でおっこちるのはやめてくれ」
と言ってあった。
体重をクリアした娘はその後の試験を受ける。体力測定の試験では懸垂をやったらしい。全くの下調べもせずに受けにいったので
「懸垂ってなにさ」
と思いつつも、教官に身体を持ち上げてもらい、バーにつかまった。
「結構重いな」
といわれたらしい。本人的にはがんばったのに、ちょっとショック。もちろん、一度もできないまま、ぽてりと落ちた。
女子は見渡すところ娘以外にもう一人だけで、待ち時間などはそのこと話をしたようだ。東京競馬場の芝の長さなどについて話す彼女を
「ひょえ〜」
と思って眺めていたらしい。面接では、他のみんなが物凄くしっかりしたことを答えているのに、娘はたいした答えができず、これまた、ひょえ〜となったらしい。
まあ、予想にたがわず、落っこちたのだけれど、一緒に面接を受けた男の子が一人受かっているようだった。
「たぶん、こんな名前だったと思うんだよなぁ……」
青森の牧場の息子さん。そういわれれば、そんな牧場聞いたことあるな、という名前だった。
母がおかしを買って帰宅したので生気を取り戻した娘に横山君を聞いてみたが、
「うーん、覚えてないなぁ」
不合格のそっけない郵便物を受け取ってからというもの、落馬したらスーパーボールのように跳ねてっちゃうんじゃないの? と思われるほど丸くなった娘はせんべいをばりばりやりながら答えた。
来週は桜花賞。私はリトルアマポーラに期待。
「ポルトフィーノでられるかなぁ……エアグルーヴ好きだったんだよね」
誰かがそういっていたのを思い出す。親から子へ、競馬は思いをつないでいく。
わが娘はこれからどんなふうに競馬とかかわった人生を送っていくのだろう。母から娘へ、JRA銀行へ貯金の日々? ……それはいやだなぁ。




