予想手順
うう、現在土曜日の午前零時を三十分ほど回ったところ。競馬新聞はまだ鞄に突っ込んだまま。
実はいろいろ忙しかった上に、久しぶりに執筆活動への並々ならぬ意欲なんてものが湧いてしまい、そして久しぶりに会った妹にご飯をご馳走してもらってしまうほど貧乏だったので、競馬予想へのモチベーションがいまいち上がっていない現状なのである。
「穴党です」なんて宣言したくせにデータでの予想を始めてからは全く堅い予想ばかりになってしまい、しかも予想がメインで競馬人生なんて全く振り返っちゃいないようなエッセイになってしまっている。これではいけないと思うのだが、なんだろう、思考能力が若干停止状態のあるのか、あまり面白エピソードが思い出せない。たぶん、いわゆるスランプなんだろう。
それでも書き続けるのが、スランプ脱出の近道と信じているので続けていこうと思う。
というわけで、今回は今から私がどうやって予想するかというお話。
まず、表計算に出馬する馬の名前を枠順に沿って書き連ねる。そしてインターネット上で利用しているサイトから、そのコースの癖を書き出す。『内枠有利』とか『パワー重視』とか時には『どの産駒の馬が勝ち星が多い』なんてことも書いてあったりするので参考にさせていただく。
次は新聞。私は一番安い競馬新聞を愛読している。蛍光ペンを片手にチェックを始める。まずは調教。『気配』と『動き』に関しては数値化されているのでそのまま表に入力して利用させていただく。読むのはその横のコメント。チェックを入れるのは『この一追いで変わり身が見込める』という内容。あとでちょっと点数を加算する。
その後は一頭ずつ、調教師であったり助手さんであったりがコメントしている欄を読み、馬具の初装着やレースでの位置取り、前走の負けの要因などを探る。ふむふむ、なるほど、と一通り目を通すが一番重要視しているのは取材したトラックマンの一言コメント。『色気あり』とか『一発に注意』とか『大穴はコレ』なんていうのが加点の対象となる。
後はそのコースにあった脚質だとかコースや距離の実績、乗替がリーディング上位の騎手であるか、または初めて乗るのかどうかなどを自分で点数化し、表をうめていく。最終的にはそれを偏差値換算して順位を決める。
正直言って面倒くさい。ハンデ戦の場合には、持ちタイムに斤量を加味して順位を出す。そのコースに持ちタイムがなければ他のコースのタイムにコースのロスやらなんやらを計算して出す。もちろんそれようの資料も自作。毎週毎週これをやっている競馬関係の方には本当に頭が下がります。私なんてがんばって五レースだもの。
ちなみに今一番重視しているのは、やはりそのコースにおける持ちタイムだ。それがあるということは、そのコースの経験があるということになる。そのタイムが上位なら、それが何年前のものであろうと重視する。コースが得意ということだってあるから、
「こんな前の時計、老いぼれた今では使えねぇぜ」
と軽視しないことにしている。
妹の同僚が自分への目標として『勝ち負けにこだわらない』ということを自分のデスクに貼り付けているという話を聞いた。私は多分、勝ち負けに非常にこだわる人間だから、その同僚にものすごく親近感を感じた。競馬はどうどうと勝ち負けにこだわれるもんね。だからきっと好き。
ロバート・デニーロのことを
「デムーロがさぁ……」
と話していたら、娘に
「ママ、デムーロは騎手」
と突っ込まれてしまった。でかした中学生。基、新人高校生。君のせいでママは近年まれに見るほど貧乏です。あ、君のおかげさまでかな。
なんにせよ、クラシックを前に一息……いれず予想に励みますか。まず第一に自分に負けないようにしなくっちゃ。
とはいえ、このお金、使っても大丈夫なのかな。ま、明日倍くらいになるってことで。




