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政宗、上杉会と武田会と徳川会と織田会を梯子する

これは行也達旧日本と敵対する新日本軍の切り札兵器の一つ、『伊達政宗』の兜の所有者となった大学生の青年の、休日の記録である。


「政宗! いい加減に出てらっしゃい! 今日は上杉会と武田会と徳川会と織田会でしょ!」

 政宗の部屋のドアに、彼の母は薙刀をガンガン叩きつけるが。反応がない。 

 外は青い空に黄色い銀杏が映える秋晴れだというのに。空気も澄みきった爽やかな朝だというのに。政宗は、部屋から出てこない。

 ドアの打撃音が止むと、政宗は蒲団から七色に染まった頭だけ出して、小さな声でぶつぶつ呟いた。

「やっと静かになった。昨日徹夜でデコ電を作ってたから、まだねみいんだよな……。

親睦会なんてサボっりたいぜ……。

 そもそもよく考えたら時間がずれているからって四つも行くなんて無謀だよな。

誰だよ四つも申し込んだのは! まぁ政宗様なんだけど。

 あーあ面倒くさくなったから全部行きたくない……。特に上杉会と徳川会。」

政宗は天井を見上げてため息を吐いた。

 「上杉会はサバゲーはいいとしてもお偉い先生の講義聞いて、レポート提出しなきゃいけないのがめんどくせぇ! 景勝はむかつくし。

 徳川会もクソつまんない上にセンスが微妙に古い徳川殿をちょっと笑っただけで親衛隊にリンチされそうになるし。年末のわらってはダメ24時間In徳川会って感じだぜ。

 折角の休みだから最近忙しくて行けてなかった料理教室に行きたいのによ。やってらんねえ!」

 上体を起こして色素の薄い綺麗な目を擦りながらメールをする彼。

『政宗様は具合が悪いので、四つの親睦会は小十郎と成実が代わりに行け。』

「これでよし。」

 そう呟いてまた一寝入りする彼。しかし。冷たい風と衝撃音をもたらす人間目覚まし時計がやってきた。

「マーサ様起きて下さい! 今日はたのしい上杉会と武田会と徳川会と織田会っスよ!」

「政宗様! 人付き合いも仕事の内ですよ!」

 二階のガラス窓を槍で叩き割って侵入してきた男二人。

先に侵入した筋肉男が伊達成実の兜の所有者で、本当に政宗の親戚である。そして後から入ってきた黒縁眼鏡のぱっちり目の男は片倉小十郎の兜の所有者で、

本当に政宗の幼馴染である。

 彼らは政宗の布団を引っぺがし、政宗のベッドの頭側と脚側に立つ。

「必殺☆諫言の滑り台!」

 二人はベッドを斜めに傾けて床に政宗を落っことした。政宗は尻を涙目でさすりながら二人に怒鳴った。

「何すんだよ! 政宗様は今日は具合が悪いんだよ。二人で行って来いってメールしただろ!」

 成実と小十郎は顔を合わせると軽く両手を上げて口をすぼめ、大げさに言った。

「おー! それは大変っスね!」

「おや、こんな所にお医者様が! 早速見ていただきましょう!」

 二人の背後から出て来た女性を見て、政宗は病人とは思えない身のこなしで逃げ出した。「キタサンがキターアアアア!!」

 彼女は政宗のかかりつけの病院の娘で、去年研修を終了した女医である。

政宗は彼女に小さい頃に遊んでもらったり、勉強を教えてもらったものであった。

しかし。政宗はそんな彼女の笑顔の裏の厳しさ(政宗を思ってのことである)が苦手だ。

「政宗様。お久しぶりです。……あらあら。鬼ごっこがしたいのですね?」

 白い肌に茶色いポニーテールの彼女は柔らかく可愛く微笑む。そして逃げ出す政宗のパジャマの襟にフックつきロープを投げて捕獲した。

 正座させた政宗の額に手を当てると、彼女は白眼を剥きながら優しい声でいった

「可笑しいなぁ。熱は無いし、すばやい動きも出来るし、病人に見えないよぉ。」

「ま、政宗様は、あああたまが痛いような気がしないけど痛くなったらいいなみたいな!」

 目をギョロギョロさせる政宗。

 キタさんはため息を吐くと、素手(消毒済み)でリンゴを深さのある銀色の四角形の器に乗せる。そして、リンゴを手刀で粉砕してジュースにした。彼女はそれをコップに移すと、正座したまま小刻みに揺れる政宗の口の中にリンゴジュースを降り注ぐ。

「政宗くん。リンゴジュースをどうぞ。きっと頭が痛いのがとんでっちゃうよ!」

「けほっ! キタセンセイスミマセン仮病使いましたスイマセンホントウニスミマセン今すぐデカケマスゴメンナサイ!」

 こうして。政宗は成実と小十郎を連れてまず上杉会に行くことになった。

 上杉会会場の屋根まで白い大きな和風の城に入った政宗と成実と小十郎。

彼らは小さな旗印を見せて記帳すると、衣装室に行くよう促された。

「コスプレサバゲー!? いっつも軍の体操服でやるのがお約束だったのに。

おまけにレポート提出もA5一枚だなんて。何があったんですかね?」

「確かに。今回は一体どういう風の吹き回しだ?」

 首をかしげる二人に対し、政宗は生き生きとした表情で言った。

「まあいいだろ! 楽しければ!」

――彼らはくじを引くと、衣装部屋へ向かった。

もう集合時間の十分前なので、部屋は政宗達だけ。

『宇宙人』と書かれた紙を見て三人は唸った。

「……どうしますか? やっぱり定番の銀色全身タイツでしょうか?」

「宇宙人っていうと巨大イカとかを俺は連想するが……全身タイツの方が動きやすいし、

サバゲーにはいいよな。マーサ様はどうお考えっスか?」

 政宗はジャージとハーフパンツを三人分、バサッとテーブルに置いた。

迷彩柄に輝くスパンコールが印象的な、ちょっとイカれたデザインである。

「これ、限定色で直ぐに売り切れたんだよな! ずっと欲しかったんだ。」

「ちょっと待って下さい! これのどこが宇宙人なんですか? 只の服のセンスが悪い一般人じゃないですか!」

「せめて宇宙っぽい柄にするとかなかったんスか。というか単に自分が着たい服じゃないッスか!」 

 苦々しい顔で批判する二人に、政宗はニヤリと笑って答えた。

「宇宙人なんて誰も見たことないからどんな格好してても文句は言わせねえ!

 それより今回は優勝するチャンスだ。みんなすげぇ動きにくい格好をするかもしれないぜ。

 利休の土かまくらセットと、あきたこまちカフェ1日貸し切り券と、雪龍クリスタル像は俺達の物だ!」

 小十郎は最上あたりにケチをつけられたら困る、と腕を組んで唸っていたが。小物グッズの棚をあさりだした。

「何か宇宙人っぽいもの……そうだ!」

 三人はヘリウムガスを吸い、安土タワーのキーホルダーを接着剤でくっつけたカチューシャを頭に嵌めて、颯爽と衣装室を出た。


――数分後。大きな上杉家の庭で。各々の衣装を身に纏った人々は、サバゲーの開始を待っていた。人数は、百人ほど。足軽のものもいる。

 政宗の予測通り。とてもサバゲーに向かないような服装のものが多い。

「最早人じゃネェ!」

 ヘリウムガスによる甲高い声で笑い出した政宗の視線の先には。上杉謙信の甥の上杉景勝の兜の所有者。まだ若いのにどこか威厳のある景勝は、巨大な伊勢エビの着ぐるみを着用していた。

女性に人気のキャラクター・ハローキディーちゃんのように無表情で立っている彼だが、

心なしか遠い目をしている。

「政宗様! 失礼ですよ!」

「そうッス。酷いッすよ!」

 注意しつつも目が笑っている小十郎と成実。そんな三人に気が付いた伊勢海老の隣の若い男は。

氷のように冷やかで端正な顔立ちで政宗を睨み付け、バラの造花をダーツのように飛ばしてきた。 

「良くも景勝様をお笑いになりましたね。こんなに威厳のある伊勢海老だというのに! 

 それにしてもその奇妙な声と目がチカチカする迷彩柄ハーフパンツとTシャツは何のコスプレですか? 大学デビューの田舎者という設定なのですか?」

 政宗は一回転しながらバラを避けると、奥歯をギリギリ噛みしめ、睨み返す。

「無礼者! 政宗様の家は田舎じゃねえ! それに俺がデビューしたの幼稚園からだ! 

一人パリコレのまーちゃんとか大絶賛されたほどだぞ!

それより直江、お前のコスプレはなんだよ! お前だって十分痛い! 勘違いホストって感じだな!」

 直江の服装は。紫色の光沢があるハート柄のスーツ上下にピンクのギンガムチェックのシャツ、花柄のネクタイ。

髪は金髪縦ロールのヅラにバラの花が数本刺さり、耳には『愛』と彫られたイヤリング。

とどめに先っぽがとんがった飛び魚をかたどった靴。見ているだけで胸焼けがしそうな出で立ちである。

「不正解! ナルシストで服装のセンスが悪いホストでした!」

 直江はコスプレくじ引きの紙を三人に見せると、スラリとしたスタイルで踵を返し、伊勢海老の元へ去った。それと入れ替わりにやって来たのは。

「おーや政宗、元気だったかい?」

 政宗は目を見開いた。

「萌え絵のタンクトップに短パンだと……! 動きやすい服装しやがって!

 最上、お前何のコスプレだよ! 真面目にやってんのかよ!」

 政宗が詰め寄った、色白で背が高くマッチョな中年男性は。

同じくマッチョな部下を引き連れ、サーモンピンクの髪を撫で付けながら言った。

「伯父様とお呼びなさい。私のコスプレは『痛い中年親父』のコスプレだよ。

ところでお前は? その奇妙な声とカチューシャはどうしたんだい? まさか宇宙人とか言うんじゃないよね? どう見ても変な服の大学生だよ? コスプレになっていない。」

「宇宙人に会ったことがない癖にうるせぇな!」

「まぁそうだけどねぇ。一般的なイメージはあるじゃないか。グレイ型とか。

そういうのに沿った服装をするのがコスプレじゃないかい?」

 政宗は一瞬、言葉に詰まった。小十郎が代わりに進み出る。

「最上殿の仰ることはごもっともです。しかし、宇宙人の立場になってお考えください。

そのままの姿で闊歩したら捕獲されてしまいますよ?

 敢えて普通の格好をして、周囲に目立たないようにした方が情報収集もしやすくて合理的です。

 敵陣に侵入するときに、相手の軍のコスプレをするのと同じようなものです。」

 ほう、と最上が納得したところで。成美はもっとセコい物件を発見した。

「あ、あれ、松永殿の服! どうみても朝帰りのサラリーマン! 今来た感に溢れすぎ!」

 皆の視線に振り返る、俳優の様に絵になる中年男性松永。

彼は夜のネオン街のような妖しい笑みを浮かべて一礼し、去って行く。

 そんな彼を政宗と最上はダッシュで追いかけた。

「おい! 松永殿は今来たんですよね! 今日はコスプレサバゲーですよ!」

「政宗殿に同感です。どう見ても只のスーツですよ。」

 松永は髪を掻きあげて艶っぽく微笑むと、自分の胸の名札を指した。


『竹田城』


「どこが竹田城なんだよオッサン!」

「名札つけりゃいいってもんじゃないですよ!」

 迫り来る二人に顔をしかめつつ、松永は淡々と答えた。

「それ以上近寄らないでくれたまえ。美しい彼女との一夜の名画が、暑苦しい野郎共の落書きに上書きされてしまう。……これは、竹田城の擬人化のコスプレだ。白いこのストールが朝霧。

そして……天空の城と一部で言われる竹田城本体が私。」

「はぁ?」

 訝しげな目付きで声を揃えた二人に、松永は胸を張って堂々と言った。

「周囲から浮いてるだろう?」

 清々しい程のこじつけになにも言えなくなる政宗と最上であった。



 ――その数分後。サバゲーは上杉家の山あり谷ありの広大な庭で始まった。

「政宗様待ってください! もっと慎重に!」

 小十郎の声も無視し。政宗は全員に支給されたバズーカ(子供の拳骨大のプラスチック玉を発射するバズーカ。命中すると蛍光オレンジのインクがつく。)を構えて走り叫ぶ。

「先ずは動きが遅くて大将ポイントが貰える景勝……嘘だろォオ!」

 空気の海を泳ぐ景勝。くそデカイ伊勢海老の着ぐるみなのに、速い。

しかもケバイ直江、山のコスプレをしていた慶次も突如現れて、政宗達は囲まれてしまった。

景勝は囮だったのである。

「マーサ様と小十郎殿はお逃げ下さい!」

 捨て身で飛び出す成実。彼はオレンジ色の集中放火を浴びると同時に景勝にバズーカを命中させた。

 しかし。

「脱皮。」

 景勝はアニメ声で呟くと、殻をぬいだ。一回り小さな伊勢海老の着ぐるみが姿を現す。

「そんなのありかよォオ!」

「ありです。伊勢海老は脱皮するものでしょ。はい。伊達成実アウトー!」

 係員により退却させられた成実。一方、政宗と小十郎は声のした上空を見上げた。

そこには。雪のように白い肌に、黒曜石のように輝く瞳の美女がいた。

 彼女は抜群のスタイルを龍柄のチャイナ服に包み、ヘリコプターに吊るされた雪模様のソファーに座っている。

「誰?」

 チャイナ服の美女はたなびく黒髪を押さえながら深紅の口を開いた。

「私は上杉謙信。不正の有無は私達がちゃんとチェックしているから、安心して戦ってね!」

 政宗は輝く瞳でで口笛を鳴らした。

「上杉殿のコスプレ最高です! 伊達度三百五十九です!

 あ、最上をよーく見といて下さいね! あとの奴らはどーでもいいんで!」

「平等に見ないといけないから却下。」 

 彼女は長く美しい足を組み換えて、双眼鏡を構えた。


――結局、斬りこみ隊長の成実を早々と退却させてしまったことが響き、政宗達は下位で終わった。

最上が三位だったことも要因でしょんぼりと肩を落とす政宗だが。スピーカーの声を聞いて、雲が消えた青空のように微笑んだ。

「おっ、陣笠鍋大会か! 腕がなるぜ!」

「だめですマーサ様。次は武田会ッス!」

 鍋を取りに行こうとする政宗を土嚢のように担ぐ成実。一方小十郎はどこかへ電話した。

「政宗様! お母様がおよびです! 一旦帰りましょう!」

 受付に、母親から呼び出しを喰らったと話して上杉邸を出ると、車に乗り込む三人。

 成実は思いっきり車のアクセルを踏み。小十郎はお腹が鳴った成実の口にバナナを突っ込んでやると、カーナビを見ながらため息を吐いた。

「残念ですが武田会の昼飯には間に合いませんね。ビダーインゼリーとガロリーメイトで我慢してください。」

「はあ? 一旦家に帰るんだろ? 政宗様が冷凍しといた伊達白菜ベーコンスープとか伊達カレーとかで何とかなるだろ。」

「帰りませんよ。このまま武田会直行です。」

「だって母上が呼んで……」

「義姫様も口裏を合わせてくださるそうですから大丈夫です。さあレッツゴー武田会!」

「イヤアアアアアア! 政宗様はきちんとしたご飯食べないとシンジャウウウウウ!」

「はいはい数十年後に死ね。」

 政宗の口にゼリー飲料を流し込んで黙らせると、小十郎は黙々とPCで上杉会のレポートを書き始めた。


――午後の日差しが照らす中。武田会の運動会は武田森林公園で始まった。こちらも上杉会と同じくらいの人数が参加。尚、すべて馬上で行う競技である。

「マーサ様! 武田餅は胃じゃなくて籠に入れてください!」

「政宗様! 綱をアロンベーターで止めちゃダメです! 失格になります!」

 二人に注意されつつも、次々と競技をクリアする政宗達。

小十郎の知力、成実の体力によりトップクラスの好成績を収める政宗達。

 そして、どことなく空が落ち着いた青になる午後三時頃。

 獅子舞のような服装の、どこか風格と気品と知性のある坊主の男性は。参加者全員を一堂に集めた。

 汗が目に入って目をパチパチさせる坊主の男性に、金髪を高く結い上げた華やかで美しい男性はそっと近づく。

「信玄様。失礼します。」

 その男性は坊主の男性の額の汗をハンカチで拭いてから、マイクを渡した。

「ありがとう高坂。」

 信玄は小高い丘を馬で駆け降りると、平地でグルグル八の字に馬を走らせながら、

低く落ち着いた声で最後の競技内容を告げた。

「最後は長篠障害競争。織田軍の馬防柵を飛び超え、本陣の信長殿案山子の帽子を最初に取った人が優勝である。」

我先にと馬を繰り出す諸将。馬の嘶きと土煙が辺りを覆う中、政宗達は静観することにした。

「政宗様。行かなくてよろしいのですか?」

「一見、柵も何もない平地だけどよ……きっと色々な罠があるぜ。さっきもそうだったし。

政宗様達はゆっくり行こうぜ……ハアアアアア????」

 なんと罠も障害も全く無く。優勝したのは素直に馬を飛ばした山県昌景であった。

 高々と片手を突き上げる、赤いジャージの小柄な彼。その見事な馬上技術に思わず拍手をする皆。

「し、障害物はああああ?」

 同じように深読みが失敗した最上も裏返った声で首を傾げ、政宗達もそれに頷く。

「信玄殿! 障害物はどこにあったんですか?」

 皆の疑問を代弁した政宗。それに空を見上げて、渋い声で答える信玄。

「障害物は柵だ。馬防柵。」

 信玄が軍配で差した先には確かに『馬防柵』があったが。コルク材の板にマジックで『馬防柵』と書いてあるだけのもの。

「そ、それだけですか?」

「後の障害は、武田会の予算。昼食に予算を回し過ぎたのだ!」

 そういえばすごく美味しかったなぁと納得しだす諸将。政宗は頭を抱えて絶叫した。

「なんだってーーーーーーーーー! 上杉会さぼればよかったチクショーオオオオオオオ!」


――オレンジ色に世界が染まっていく中、成実は車を飛ばした。

「徳川会は今回は短いらしいッスね。午後五時~六時までだそうです。」

「夕食は織田会でいただきましょう。」

 政宗は欠伸をしながら、徳川会の案内状を読んだ。白い封筒、白い便箋、季節のあいさつと開催日時と内容が書かれただけのそっけないものである。

「希望者で抽選三人には医者で医学博士でもある家康殿の医療相談を受けられるのか……別に俺達は健康だしどーでもいいや。

 で、味噌田楽を食べながら語り合いましょう……って、特に語りたくねえよ。つまんねえ。

もし主催が世話になってる家康殿じゃなかったら、速攻でスルー物件だぜ。」

 しばらくして彼らは徳川会会場の徳川邸に到着。大きいがいたってシンプルな白く四角いフォルムの邸宅である。そこに到着した三人はオレンジ色に染まったそれを眺めて雑談を始めた。

「こういうシンプルな構造は地震に強いんですよね。実用性を重んじる徳川殿らしいです。」

「でも何気に新商品に詳しかったりもするんだよな。」

「そういえば時計マニアで、新商品の時計をよく身に着けておられるッスね。」 

 受付で手続きを済ませた三人は。和風の大広間に通されて、自分の名札のある座布団に座った。

座布団の前にある小さく低いテーブルには味噌田楽三種と小さな急須と小さな湯呑。 

 ぞろぞろと集まる諸将。こっちも上杉会や武田会と同じくらいの人数かと思われる。

参加者が全員揃った所で。少し筋肉質で長身の、スタイルがよい若者が一段高い舞台に上った。

黒いスーツ、白いシャツ、徳川家の家紋のネクタイというシンプルな服装のその若者は。

地味に整った顔を柔らかく崩し、ちょっと大きな三白眼を細めると。マイクを両手で握りしめて挨拶を始めた。

「皆様、本日は休日にも拘わらず、この徳川会にお越しいただきありがとうございます。

本日は短時間ですが、皆様と楽しい時間を共有させていただけると幸いです。えー……」

 家康は話が長い。おまけに『今年前半の日本の反省点』という真面目でつまらない話で、徳川派の最上すら聞いているのが苦痛なほど。

 しかし、徳川四天王はあくびを噛み殺す中年の男を除いて、真剣に頷いて聞いている。

特に『井伊直政』という名札を付けた茶髪ボブショートの甘い顔立ちの美青年は、目をキラキラさせて見入っていた。徳川会は毎回このような温度差があるのだ。

 目が半開きになりつつも、舞台の脇に居る本多忠勝の鋭い目に睨まれて、姿勢を正す政宗。

その次の本多忠勝の目覚まし眼光のターゲットになったのは。本多正信の兜の所有者の若い女性であった。

 白磁のように白い肌に緩く纏めた銀色の髪の、清潔な美しさがあるその女性。大部屋の奥の壁隅に寄りかかり、穏やかな表情で瞳を閉じている。『榊原康政』という名札を付けた爽やかスポーツマンの風貌の若い男性は、慌てて彼女に近寄ると揺り起こした。

「正信殿! 起きてください!」

「……。」

 グラグラと揺れながら彼女は長い睫をゆっくり上げる。

「おはようございます。……まあ、味噌田楽ですか。美味しそう。いただきます。」

 よく通る高い声でそういうと、清らかに微笑む彼女。茶をすすると、味噌田楽を美しい所作で食べ始める。

「ま、正信殿! 殿がまだお話し中です! それに乾杯の音頭をとっていません!」

 口をパクパクさせる榊原。正信は時計をちらりと見てため息を吐いた。

「……困りましたね。わたくし、お腹が空いておりますの。腹の虫のが鳴ってしまったら恥ずかしいですわ。」

 口をポカンと開けたまま、家康に視線を移す榊原。

 家康は苦笑すると話を手短に切り上げた。こうして。やっと徳川会が始まった。


――地味な座談会で終わりそうな徳川会であったが。最後にアイドルユニットのTシャツを着た徳川四天王筆頭の中年男・酒井が叩く太鼓に合わせ、皆でエビすくいダンスをしてそこそこ盛り上がって終了。

 政宗は徳川邸を出ると、ガッツポーズをして飛び跳ねた。

「やっと終わった! あとは楽しみな織田会だけだ!!」


――星が地面に落ちてきたかのように光る道路。政宗は満面の笑みでハンドルを握った。

「織田会〜織田会〜ビューティードリーム! イェーイ!」

 政宗が車を飛ばしてたどり着いた織田会の会場は。安土城を参考にしつつ現代建築も取り入れた和風の城『ネオ安土城』であった。 そしてそれは、暗闇の中で青く光り輝く衣を纏っている。

「スゲエエエエライトアップされてるぅ! 宝石のボレロに身を包んでるみたいにキレーだぜ!」

「いつみても大きな城ですね。」

「キングコンガも住めそうっス。」

 政宗は、同じく織田会の参加者で通りがかった丹羽親子にカメラを渡し、三人の写真を撮って貰った。  その後も写真を撮りまくる政宗だが、成実に担がれてやっと安土城に入城した。

受付で渡された法被を身に纏い、ペンライトを握り締めてオープニングを待つ政宗達。

 彼らが案内された天守閣には、今まで行った三つの会合よりも多くの武将がひしめく。

 人々の声がざわめく中、金髪で少し目付きの鋭い少年はマイクを握り締めて口を開いた。

「みな様、本日はおこしいただき、まことにありがとうございます。

 まもなく信長様がおいでになります。会場での注意点ですが……」

 幾つかの注意事項をその少年が説明し終えると、天守閣は真っ暗に。光る法被とペンライトが揺れる中、政宗達の頭上でゴゴゴ……と音がして、冷たい空気が入ってきた。

 政宗達が体を震わせ、歯もガタガタさせながら上を見上げると。真っ暗だった天井は、星が瞬くプラネタリウムになっていた。さらに光を纏った三人が、空からゆっくり降りてくる。

「私は〜魔王〜織田信長〜!」

 真ん中のフィギュアスケート選手のような体格の若い男は。真っ赤な髪を星空に漂わせ。小さな電球が光の花のようにちりばめられた赤いタキシードを纏い、高らかに歌う。

「織田信長様のご入場です! 皆様、盛大な拍手をお願いします!」

 口髭を蓄えた立派な武者のコールで、天守閣は花が一斉に咲き出すようにライトが輝きだす。会場の特大スクリーンには、信長の顔がドアップで映る。

 ウェーブがかった赤い長髪。きめ細かい白い肌。くっきり二重の生き生きと輝く目。細く整った鼻。薄く上品な口元。華やかな美男子である。

 巻き起こる歓声、拍手、揺れるペンライト。

続いて小柄で可憐な美少年と、『ヤスケ』と書かれたビロードのハチマキをした精悍な黒人が信長の左右に降り立った。

(信長様はかなりの音痴だな……。左の蘭丸殿と右のヤスケ殿に助けられて何とかなっているけど。合唱コンクールならクラスメイト全員に口パクを要求されるレベルだ。)

 笛が得意な小十郎が苦笑する中、政宗と成実は笑顔でライトを左右に振る。

「やべえ! 信長様と目があっちゃった!」

「いや! 俺を見たっスよ!」

 くだらないことで揉める政宗と成実に、小十郎はため息を吐いた。

 しばらくして信長達が舞台袖に引っ込むと、今度は織田家の可愛らしい侍女達のステージに。

「やべえ! 左から二番目の長い黒髪の子、ちょー可愛い! この子が一番可愛い!」

「いや! その子も可愛いですけど右から三番目のショートの子の方が可愛いっス!」

「お前さっきから政宗様の意見を否定しやがって!」

「ひゃひまひたね!」

「ああもう! 大人げない! 周りの方のご迷惑になるからお止めくだ……こぉのひゃろぉ!」

 お互いの頬をつねる二人。それを宥める小十郎。しかし小十郎も巻き込まれて三人はお互いの頬を睨み付けながら引っ張りあう。一番最初に手を離した小十郎に続き、二人も手を離すが。

小十郎はだんだん家に帰りたい……と思い始めてきた。

 少し険悪になった三人に関係なく、織田会は続く。

次の演目は、柴田勝家による壺のショー。ずっしりとした不透明ガラス製の大きな壺四つがステージに置かれると、VIP席の屋根付き椅子に座った信長は華やかに微笑んだ。

「まさか、普通に壺を割って終了じゃないよな。」 

 信長の眼は。笑っていない。ステージで素振りをしていた勝家。立派な風貌に相応しい髭をピクッと動かし、凍りつく。

「……いいえ。壺の中身当てショーです。」

 言葉に詰まった柴田の変わりに口を開いたのは。

 背が高く、整った風貌の男。彼は美しい所作で、壺に金箔を貼りの美しい手鏡をそっと入れた。

「まず、力持ちの勝家殿にぐるぐると壺を回して位置を入れ替えてもらいます。

私はその壺の中から手鏡の入った壺を当てて見せます。その壺を勝家殿が割って取り出した鏡を殿に献上いたします。」

「おお勝家、利家、悪くない趣向だな。だがちょっとスパイスが足りない。」

 信長は近くにいる、落ち着いた眼差しの中年男を見た。

「道三殿。この蛇をお借りしても宜しいですか。」

「ああどうぞ。でもこの蛇は動きが速い上にワライダケのような毒を持っている。致死性はないが。」

「死なないなら構いません。ありがとうございます。」

 信長は道三から借り受けた細長い蛇を十八匹、鏡が入ってない壺に六匹づつ入れた。

「よしっ! 勝家、利家、頑張れよ!」

 炎のような目を子供のようにキラキラさせながら、二人を見つめる信長。

 顔を見合わせてひきつる勝家と利家。心配そうに見守っていた丹羽は、忍者の滝川に近づいて小声で言った。

「動体視力のよい滝川殿ならどの壺かすぐにわかりますよね。こちら側を向いている勝家殿に教えていただけますか。このままじゃ……。」

「了解。丹羽殿にはよい棗をいただいたからな。」

「ありがとうございます。」

 そして、ついに壺当てショー開始。勝家は信長に見つめられ、ゆっくり回すのを断念。

高速で壺を入れ替える。自分でもどの壺かわからなくなる程の速さで。

 案の定、利家の眼はアナログ時計の針速送りの如くぐるぐる回る。

 頭を抱える柴田。そんな彼に滝川は声をかけた。

「柴田殿お疲れ様です(シバタドノカラミテヒダリカラニバンメ)」

 滝川は柴田に口の動きで情報を伝える。

 柴田は頷くとこれまた口の動きで利家に(お前から見て右から二番目)だと伝えた。しかし。

目をグルグル回したままの利家には伝わらなかった。

勝家はちらりと信長を見る。信長の目は少し据わっていた。

(駄目だ。これ以上怪しい動きは出来ん。)

 勝家の汗がぽとりと落ちた頃。白眼を剥いた利家は裏返った声で言った。

「ヒダリカラニバンメ。」

 口を大きく開けて少し仰け反った勝家だったが。無言で利家から見て右から二番目の壺を手刀で割った。パッカリと割れたガラス花瓶を見た皆は歓声を挙げる。

 彼は金色の鏡を信長に差し出す。

「利家は左から二番目と言ったぞ。」

 無表情で見つめる信長に勝家も淡々と答える。

「私から見て左から二番目を割りました。」

「であるか。」

 信長が少しつまらなそうに頷いた時。

利家は自分から見て左から二番目の壺を、いつも背負っている槍の柄で割った。

 ダムの放水のごとく吹きだし前田に襲いかかるヘビ達。利家は凄まじい速さで槍の柄を動かし、一瞬でそれを倒した。素早くかつ正確で滑らかなその動きは。まるで上から下へ流れる水の如し。

「峰ウチジャアンシンセイ」

 裏返った声で彼はそういうと。気絶した蛇を掴んで他の壺に移す。

「前田殿スゲエエエエ! あの蛇は動きがめちゃ速かったのに!」

「確かにすごい!」

「利家! やるな!」

 感心して拍手する政宗につられて、拍手をする皆。信長も満足気に拍手。

 最後の一匹は勝家が掴まえた。彼は客にお辞儀をして、前田を見る。

 前田は白目を剥いたまま無表情で直立不動。彼と付き合いの長い柴田は嫌な予感がした。

「コレデイイデスカコレデイイデスカ! ノブナガサマノムチャブリサイアクサイアクサイアクツカレタ! モウヤメテヤル!!」

「おおおおお落ち着け落ち着け! お前は疲れているのだ!」

「あああ利家ごめんごめん! お前追い詰めると面白いからつい!」

 泣きだす前田を担ぐと、柴田は舞台袖に下がっていき、信長も後を追った。 

 信長が居なくなりざわつく空間。蘭丸とヤスケは二人で合唱して間を持たせ、信長、柴田、前田が帰ってくるとステージ再開。その後は特にトラブルもなくステージは閉幕した。


――織田会の最後は、花火の下で野外バイキングパーティーであった。

「信長様! イクラ軍艦下さい!」

「へい! 伊達仕様のいくら軍艦だよ!」

 寿司屋にふんした信長は。笑顔でイクラ軍艦を握り、政宗に渡す。

「あれ、はらこも載ってます!」

「政宗殿ははらこめしが好きなんだろ? サービスだ。」

 飛び跳ねて喜ぶ政宗を暖かい眼差しで見守る信長。

 政宗はすぐにリスのようにそれを頬張ると、また信長寿司に行こうとしたが。長蛇の列が出来ていて断念した。

「信長様の握りうまかったのにな。違うのにするか。」

「殿、あっちも見てきましょう!」

「そうだな!」

 ステーキから台湾のフォーまで、沢山の屋台が並ぶ広大な広場。

「スパニッシュオムレツか……。元気かな……。」

 政宗はふと、スペインに帰った元・支倉を思い出し、空を見上げた。

 

――その後。織田会は散会。ぞろぞろと門から出ていく皆。

「今回は多めにお金を持参しておいてよかったですね。」

「そうだな。やはり小麦他食料品の価格が高騰しているから、織田会の値上げも致し方ないであろう。」

 その親子の会話を聞いた政宗達は血相を変えた。

「どどどどどどどういうことですか今川殿!」

 急に迫りくる三人組に少し驚きつつ、仕立てのよいスーツに身を包んだ義元は口を開いた。

「入城する時に今回から値上げするという通達があったはずだが。」

「チラシを貰いませんでしたか?」

 息子の氏真はチラシを政宗に渡す。

「一人二万ヨーロオオオオオオオ!!!!」 

 政宗達は口をぽっかり開けて固まった。政宗がのんきに写真を撮っていたせいでぎりぎりに入場した彼らは、値上げ説明の係員に会えなかったのだ。

 吹き流しのようににヘナヘナ夜風にそよぐ三人。

 顔を合わせた今川親子。義元は三人を見て静かに言った。

「借用書を書いて下さるなら、用立ててもよいが……。」

 渡りに船! とばかりに食いつこうとした小十郎を制し。政宗は首を振った。

「いえ、お気持ちだけで十分です。何とかするので大丈夫です。」

「そうか。ではまた。」

 会釈して背を向けた今川親子の背中が遠く小さくなっていくと。小十郎は政宗に詰め寄った。

「何とかなるってどうなんとかする気ですか! 私は今日手元に一万五千ヨーロしかないんですよ!

 ATMも近くにないというのに!」

「俺も一万八千ヨーロしか持ってないっス!」

 政宗は詰め寄ってきた二人を宥めると、ズボンのポケットに手を入れた。

「政宗様は、こんなこともあろうかと沢山お金をもってき……サイフがナイイイイイイイイ! ままっまさか運動会で落っことしたのかあああ????」

「マーサ様が馬鹿!」

「政宗様が悪いのは確かだけど! 『が』じゃなくて『の』にしろよ!」

「今日はエブリシング政宗様が悪いですよ! クソ殿めが!」

 二人に髪をひっつかまれる政宗。その後、事態を悲観した三人は。悶絶し、頭を抱えてごろごろ地面に転がりだす。しばらくして観念した彼らは観念して出口に行くと。体から湯気の出た信長に尋問された。

「ほう。お金が足りないと。」

 アスファルトに正座して平身低頭の三人。信長はニコニコしながら三人に悪戯っぽく言った。

「じゃあ足りない金額分の芸を見せてみろ! 二万三千ヨーロ分!」 

 取りあえずバク転したり組体操をやったり漫才をやってみたりしてみる三人だが。信長の表情はだんだん無表情になっていく。それと比例して顔が引きつっていく三人。

「よ、よしっ! 小十郎! お前の笛で信長様の心を鳴らせ!」

「ででででも笛が無いですしアハハハ。」

 手を振る小十郎に、信長は無言で小さな横笛を突き出した。

(なななんで持ってるんだよオオオオ!!) 

 動揺を押し隠し、笛を恐る恐る受け取った小十郎。彼は皆の視線を一気に浴びると。目を閉じた。

(信長様がお好きな曲……そうだ!)

 小十郎は息を思いっきり吸い込むと。笛を吹いた。

そのエキセントリックで音階という階段を破壊するような調べに耳をふさぐ利家、蘭丸、ヤスケ、政宗、成実。しかし、信長は辺りに花が飛び散るようなこのうえない笑顔で頷いた。

「いい音色だ。今日は帰っていいよ。お前達は面白いなぁ。」 

 三人はぺコペコお辞儀すると、ネオ安土城を逃げるように去った。


――政宗は、無一文になった成実と小十郎を車で自宅に送り届けることにした。

成実宅の門の前で。政宗はリボンが巻かれた青いビロードの小さな袋を成実、同じく緑色の袋をに渡し、開けるように促した。

「おおおおおこれは!」

 政宗が二人に渡したのは、二人の顔を少しデフォルメして描いた極小ラインストーンの点描画携帯端末カバー。ラインストーン点描画というジャンルが芸術として認められるなら。日展入賞レベルと言えるほどの出来である。小十郎と成実はその点描画を見つめ、同じことを思った。

(お前、この根気をなぜ他の事に使えないんだよ。スペイン語とか。)

「これ、昨日は徹夜で作ったんだぜ。いつも世話になっているからな。本当は鬼庭の分も作ったんだけどな……。」

 政宗は空を見上げ、自分の元から去った鬼庭を思う。

 目を合わせた小十郎と成実は思わず同時に口を開いた。

「どうして鬼庭は出奔したのですか?」

 政宗はため息を吐くと、ほっぺをもじもじとかいた。

「政宗様は、ちょっとどうかしてたんだよ……鬼庭の彼女があまりに美人だったから、『俺は彼女に振られたばかりなのに、なんでお前にはそんな美人の彼女がいるんだよムカツク』って詰ったら、次の日から来なくなってしまったんだぜ……。」

 白い眼で見る二人。政宗は慌てて付け足した。

「い、今は俺が悪かったって思ってるよ! ほ、ほらそれに奉公構えしたから、ほかの奴に雇われることはないから大丈夫ダイジョブ!」


 次の日。小十郎と成実はまた出奔した。


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