7話 ハイスクールG×L?
なんかもう、めちゃくちゃですわ
─────そして、時が来た─────
急に飛んだ?知らないよそんなこと。いつもと変わんない日々だったさ。
で、今日はついに月霜学園へ初登校する日!友達10人でっきるっかな~♪
え、少ない?いやいや、男の時は5人だったよ?お兄ちゃん含めて。
というわけで(どういうわけかはツッコまないで欲しいけど)制服を着てみる。
濃い茶色に私たちの代の証となる青いリボン(ネクタイもある。ネクタイ良いなぁ)の付いたシンプルで可愛いデザインの制服。しかし、私たちの2つ上の3年生にはこの制服を嫌う人もいるらしい。なんでも、このリボンは私たちの代は青、その上は緑、そしてさらにその上は赤らしい。私的には赤もいいじゃんって思うけど、『なんか赤はコスプレっぽい』と思われるって言う人が結構いるみたいで、来年の1年生(現3年生のカラーを継ぐ人たち)の代からは、オレンジに変わるそうだ。オレンジはダサくないかなぁ。
それに比べて、男の子用の制服の方は圧倒的にカッコいいな~。黒のブレザーに同じ色のラインが入った制服。ネクタイもその代の色みたい。あぁ、男のままここに来たかった。
月霜は家からだと少し遠いから寮(2人部屋に1人)に入ることになった。あと、なぜかお兄ちゃんも一緒に転校することになった。お父さんと理事長がなにかしでかしたのかな?まぁでも、お兄ちゃんがいて良かったよ。しばらくはぼっち生活をしなくて済む。
ていうか、お母さんのいないところなら口調直してもいいかな~。男の時の口調と合わせてみようかな。
「杏歌~、行くよ~」
「ん~。今行く」
お兄ちゃんが急かすので、私も出発するかな。
『行ってきまーす』
さぁ、私の高校生ライフスタートだ!
「ところでさ、お母さんのいないときだけ口調戻していい?」
「ん?僕は別に良いけど、母さん、いつ見てるか分かんないよ?もしかしたら盗聴器とかあるかもね」
……え?盗聴器だって?いや、でも、お母さんでもさすがにそこまではしないんじゃ─────
ブー、ブー、ブー、ブー
ケータイのバイブがなった……お母さんだ。
『杏ちゃん~。ちゃんと学校に向かってる~?』
大丈夫みたいだ。とんでもないタイミングだからビックリしたよ。
「うん、ちゃんと向かってるよ。お兄ちゃんも一緒だし」
『そう?ならいいけど─────でも、さっきのは聞き捨てならないわね~』
……………………ダラダラダラダラ
まだちょっと寒い時季なのに汗が噴き出してくるよ。
『…………私ノイナイ時ダケ戻スナンテ、良イト思ッテルノ?ネェ、杏チャン?』
「……ごめんなさい」
絶対怒ってる……嫌だぁ。怖いよぅ。どんな罰が降りかかるんだろう。
『全裸におっぱいとアソコだけ手で隠してもらうわよ。もちろん写真と動画は私のトップシークレットな最重要フォルダに保存させてもらうから♪』
私はどうやらお母さんのオモチャらしい。なんだか泣けてくるよ。
『ズルしようとした罰よ。甘んじて受けなさい』
「…………はぁい」
あぁ(´・ω・`)うぅ(´・ω・`)コンニャロー
「ほ、ほら行こ?初日早々遅刻はイヤだよね?」
「お兄ちゃんにも巻き添え喰らわせてやる。ミニスカフリフリメイドのダメージver」
「……!?は、早く行こ!気を紛らわせようよ!ね、杏歌!」
「絶対にさせてやる……ブツブツ」
「……あ、あはははははははははは~。グスン」
あれ?なんか、私、お兄ちゃんにおんぶされてる。遅刻しそうなのかな?まぁいっか。どうせ私の純潔はお母さんに汚されるんだし。
どうすんだよ、もうどうだっていいや!
◆◇◆◇◆◇
「……やっと落ち着いてくれたかな」
まったく、あんなモノ、絶対に着るものか。しかもなんか大幅にバージョンアップしてるし。
杏歌、寝ちゃったのかな?まぁ、いいや。少し僕目線で語らせてもらおう。
というか、周りの目線が超イタい。そりゃそうだよね。可愛い女の子をおんぶしながら歩いてたら、誰だってアヤしいって思うよね。
しかしまぁ、可愛いなぁ。寝顔は昔と変わらない、純粋な幸せだけを抱えた女の子。起きてる時はたまに辛そうに目を伏せる事があるから、僕も父さんも母さんもまだ話が切り出せない。
こっちの学校に僕も転校してきたのは、杏歌の事を見守るため、そして、真実を話すタイミングを掴むため。
ま、そんなことは2の次3の次なんだけどね。父さんたちに言われたメインミッションは、『この子は可愛いから妙な野郎共が寄ってきたら、始末しろ』だし。
お、月霜学園が見えてきた。後はこの坂道を登るだ─────けなんだけど
「ちょっと君、話を聞かせてもらえるかな?」
「………………………………はい」
ですよねー。端から見たら誘拐魔だよね。
「で、その子は何なのかな?まさか、攫った、なんてことは……ないよね?」
「……えぇ、妹ですが」
「証拠は?」
「えっと……杏歌は起きそうにないし……そうだ、月霜の理事長さんなら知ってます」
「そうか、じゃあちょっと待っててもらえるかな」
いや、待ちたくないよ。初日早々遅刻はイヤだよ。その話をさっきしたばっかなのに。早く確認とってよ。
「確かに、そうみたいだね。悪かったね。ここの学生はよくそういうトラブルに巻き込まれる事があるから、警戒態勢が厳重なんだよ」
「そうですか。がんばってくださいね」
やっと解放されたー!全力疾走!駆け抜けろ、我が肉体、我が本能、我が理性、
そして目覚めよ
─────我が妹よ─────!
「ん~、いやだ。後5分、いや10分したら起こしてくれ」
「……男の口調に戻ってるよ?」
「あ~、うん、教室まで連れてって」
………………………ブチッ
さすがの僕も今回ばかりは怒ってもいいよね。だらだらすんなよ
「おい、杏歌。起きろよ。聞こえねぇのか、おい。いつも、俺が怒ると誰よりも恐いって言ってるのはお前だよなぁ。なら、怒らせんなよ。なぁ、杏歌ぁ」
「……え、あ、あ、ひぅ、ご、ごめんなさい、もう、しません、許してください。お願いします。ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
気が付いたら杏歌は目から大量の涙を零してしゃくり泣いていた。
「……!?ご、ごめん、杏歌。泣かせるつもりは……無かったんだ」
「……えぐっ、ひっく、うぅ、ごめん……なさい」
「もう怒ってない、怒ってないから、ね?」
この恐がり方は異常だよね。やっぱり、と思いながら優しく、できる限り優しく杏歌の頭を撫でてあげた。こんなんじゃお兄ちゃん失格かな。
実は僕はもともと、かなり荒れた性格をしていた。『恭介』の口が悪いのは元はといえば僕のせいだった。
中学に入る前、僕は純粋に『強かった』。恭介はそれに憧れて、僕の真似をして、あの性格と汚い言葉づかいになった。同時に喧嘩で負けない、なんてモノも会得したけど。もともと、影響されやすかったのかな。だから、杏歌になっても、すぐに口調を変えられたのかも。
もう怒らないって決めてたのにな~。まったく、この家族は偽りだらけだな。父さんも母さんも僕も、そして、杏歌も。
杏歌は泣き疲れたのか、グッタリしていた。まるで体調が優れないみたいな……!?
「─────ッ、杏歌!?」
◆◇◆◇◆◇
「何かヒドいことがあったのか、そんな夢でも見たのか。どちらにせよ、何か辛いストレスが一気に襲いかかってきて、自我を保てなくなったのでしょうね。体の異常は高熱を除けば特に無かったので少ししたら、目も覚めると思いますよ」
あの後のすぐに僕は保健室へ杏歌を運んだ。保健室の先生はすぐに僕と杏歌のクラスの担任に連絡を回してくれた。
『安藤 彩芽』、養護教諭。大学を卒業したての新米教師。柔らかな物腰と持ち前の優しさが養護教諭にピッタリな先生。野郎が喜びそうだね。可愛いし。
「先生、男子生徒によく話しかけられたりしません?」
「されます。なんかみんな目が怖くて、つい怯えてしまいます」
やっぱりね。
「…………ん~?ここ、どこ?」
「あ、杏歌ちゃん、おはようございます。気分悪かったりしないですか?」
「……大丈夫です。ごめんなさい、お兄ちゃん……」
「僕はもう怒ってないよ。怖い思いさせてごめんね」
「倒れた原因はあなただったんですか!どんな怒り方なのか想像できませんね、その雰囲気からは。」
「……誰?」
寝起きで思考速度が非常に遅い杏歌が今更な質問をしてきた。さっき説明したばかりだよ。
「安藤 彩芽です。今年先生になったばっかりです。お姉ちゃんって呼んでください!是非!」
「……?お姉ちゃん?いいよー。お姉ちゃ~ん」
「ふわぁ、可愛い!」
……なにこの2人。実は杏歌もド天然だから気が合うのかなぁ。
確か百合カップルって恭介時代の好物だったね。どうでもいいけど
「じゃあ、元気になったら戻りましょうね。クラスは1-Bです。担任の先生に会いに行って自己紹介とかの手伝いをしてもらいましょ」
「は~い」
◆◇◆◇◆◇
お兄ちゃん……恐い。なんで?なんであんなに恐いの?
というわけで、私です。杏歌です。えー、私は今職員室にいます。どうやらここで『千早 杏歌』についての簡単な説明か行われているようです。
1限目がちょうどLHRの時間だったらしく、その時間にご対面することに決まったよ。
~数分後~
「はい、席についてくださいね~。この時間は~、転校生ちゃんを紹介しま~す!」
『転校生ちゃんだっけ。女の子かな?だといいねぇ。やべぇ、可愛かったら興奮する』
クラス中がどよめいている。やだな~、この感じ。凄く入りたくないよ。
「はい、じゃあ、入って来てくださ~い!」
うっ、言ったそばから……ていうか担任、テンション高いよ。
─────ガラガラ、ざわ…ざわ…
「えっと、転校生の千早 杏歌です。よろしくお願いします」
ふつうに挨拶をする。
「なにあれ~。あり得なくない?」
ふつうに挨拶しただけで嫌われるのか……
「ヤバいね~。あり得ないね~」
「ちょ、マジかよ。予想外だわ~」
「なるほど……。うわー」
そ、そこまで言う?なんか、泣けてくるよ。
『本当に、可愛すぎるだろ!!!!』
「……うぅ……ええ!?」
そういうあり得ないなの?
いつのまにか私の周りには人の群れが出来ていた。
「可愛い!ぎゅ~ってしていい」
はれふぁ、はふへへー。って、そこの無駄にイケメンな男子!助けてよ!と目で助けを求めてみる。
「……いやだ」
この白状者がぁぁぁ!!!
その1限丸々もみくちゃにされましたとさ
あー、めでたくない、めでたくない
何を書こうかな~
…
……
………
…………
……………
………………よし!決めた、何も書かない!




