6話 ザ・デンジャーズ
原稿が丸々消えるって……
でもがんばりましたよ、遅いけど。
ではではどーぞ!
唐揚げ食べたい
─────昨日は逆上せてそのまま寝てしまった。目を覚ましたらお母さんが隣にいた─────
っておかしなぁ、何でお母さんと寝てるんだろう……とはならず、何となく予想はしていたから別に驚きもなかった。
取り敢えず起きよう。顔洗ってシャワー浴びたいし。実は、昨日は結局体も頭もお母さんに洗ってもらったから、自分でも洗えるようになりたいのだよ。
「さて、自分の部屋に戻って着替えとってくるかな~」
部屋に戻り私は着替えを取ってきてお風呂場へ行こうとした。
自分の中ではもう、ほとんど踏ん切りがついていた。おそらく自分が男に戻ることはないのだろう。だからこそお父さんは別の学校まで用意していた……の……だろう……し……。
─────学校!?─────
そうだよ、学校だよ!結局名前以外ほとんど何も訊かされてないよ!
私は急いでシャワーを浴び、着替え、お父さんの書斎に突撃した。
─────ドドドドド!!!!ガチャン!!─────
「お父さん!」
私が叫ぶと、お父さんは何食わぬ顔で応えてきた。
「ん~。どうした?抱っこして欲しいのか?」
「…………ッチ」
「ごめんなさい、真顔で舌打ちするのはやめて下さい。お願いします」
朝っぱらから、親バカの限度を超えた発言→土下座の見事な流れ技を決めていた。
「まぁ、何をしにきたのかは大体分かっている。学校……だろ?」
「う、うん」
こうやってマジメに話を始めた時、お父さんは口調が本来のお父さんに戻る。
お父さんもお母さんほどではないけど、ある程度言葉遣いには気をつけている。なんでも口が悪すぎるからだとか。
マジメな話の時にそれが戻っちゃマズい気がするけど、無視する。
「正式に登校するのは6日後だ。それまでにその体になれておいた方がいいだろう。美鈴はなんだかんだで頼りになる。安心して頼れ」
「昨日からセクハラ続きなんですが?」
「…………………………………………知らん」
凄く長い時間溜めて出た言葉は放棄の言葉だった。
「……失望したよ、お父さん。いや、親父」
「ま、まぁ話を聞け。お前も美鈴の超能力のようなモノは知っているだろう。俺たちは《思詠の目》と呼んでいるが、実際この名前を付けたのは高校1年の時で、遅めの厨二病が抜けてなくてな、こんな名前になっちまったが、まぁ、それはそれとして、今話すべき事は名前についてじゃない」
そこまで言うと、お父さんは1つ大きく息を吐いた。
…………
「って、お父さん!お母さんといつから一緒なの?」
「ん?小学校からだが?不思議なもんだよなー。俺も学生の頃はまさか自分が美鈴と結婚する、なんて考えもしなかったからなー。さて、話を戻すぞ。まぁ、要するに小学校からずっと一緒だったんだから、当然アイツの眼の事は既に知っていたし、アイツがどういう奴なのかも知っていた。だからこそ信用している。普段はバカばっかりやってるが、根はいつも、誰かのためを想って動いてるんだ。分かってやってくれ」
「はいはい、取り敢えず信用しますよーだ。そして、私は今すぐにでもお母さんを起こしたいよ」
「……ん?どうかしたのか?」
そう、どうかしたんだよ。緊急事態なんだよ。やばいよ、マジで。
「トイレ……行きたい」
……女の子のおトイレ事情なんて、知るわけ無いじゃないか!
そうこうしているうちに、お兄ちゃんが起きてきた。
「…………ふぁ~。おはよう、早いね、杏歌」
「お兄ちゃん、今すぐ戻ってお母さんを起こしてきて!早く!」
「え、えぇ?何?どうしたの?」
「いいから早く!さもないと、またメイド服着させるよ!」
「迅速に行って参ります!」
そう、このいけ好かないイケメン野郎は顔が相当なイケメンなだけではなく、細くすらっと伸びた、それでいていい筋肉をした綺麗な手足をしていて、女装させると絵になるのだ!女子すら大喜びなのだ!
少しして、お兄ちゃんが2階から降りてきて、その後ろから眠そうなお母さんが降りてきた。
「…………にゅ~にゃ~ふに~」
よく分からないけど、何これかわぇぇ!お母さんより早く起きたことがあんまりなかったから、こんなの見るのは初めてだよ。
「……どうしたの、きょーちゃん。こわいゆめ、みたの?」
今見てるのは超可愛い美少女……じゃなくて、美女天使だよ!そんな純粋無垢な少女の目で見ないで!お母さんと思えなくなるよ!
「ううん、実はトイレ……行きたいんだ。でも女の子ってどうしたらいいか分かんないし」
「……そうだねー、じゃあ、おかあさんが、おしえてあげる。よしよし」
そうして私はやっとトイレに行けることになった……と思ったらトイレには行かず、その隣の洗面所へ行くお母さん。ずっとこの可愛さなら大好きなのに……いや、私やお父さんの理性が保たないかな。
「……かお、あらうから、ちょっとまっててね」
ずっと眠そうだったお母さんは、顔を洗うことでやっと覚醒した。
「…………よし!じゃあ教えるわよ。その体に覚えさせてあげる♡」
「覚醒早々セクハラっぽい言い回しするのやめてよ」
おねむ状態のままがよかった、と心底思う瞬間だった。本当に。
「冗談よ。ちゃんと教えてあげるから。生理とかも一緒にね。多分杏ちゃんのことだから、痛くて泣いちゃうかもだけど、頑張ってね。生理は我慢しなきゃどうしようもないから」
~その後、真哉視点~
ううむ、杏歌の喘ぎ声と美鈴の恍惚の声が聞こえてきて、家族なのに何とも言えない状況になっている。
「なぁ秋人、何でお前は何の反応もないんだ?お前も男なら、ドッキドキのビンビンになってもおかしくは無いはずだが?」
「……必死に現実逃避を繰り返してるんだよ。ていうか、ビンビンって……父さん、まさか、杏歌に!?」
「お、落ち着け!流石に娘に欲情はしない……多分、きっと、おそらく、かもしれない、だったらいいなー」
「……………………………………ハァ」
「無言の後に小さく溜息吐くのやめろ!マジで俺が危ない人みたいじゃないか!」
確かに可愛いし、たまに襲いかかりそうにもなるが、それでも俺はアイツの父親だ!欲情したら人としてダメだ!
美鈴に相手してもらって……ゲフン。
「……父さん、僕には母さんや杏歌みたいな思詠の目は無いけど、今何を考えていたか、丸分かりだったよ。じゃあ、僕は学校行ってくるから。それと、あんまり近寄らないでね。母さんを捌け口にするのを悪いとは言わないけどね。でも、わきまえようよ。ね?」
「はい、ごめんなさい。いってらっしゃい」
~指導終了後、杏歌視点~
なんか、変な声(喘ぎ声とは認めたくない)がいっぱい出てしまった。あんなの、AV女優さんとかの演技だと思ってたのに……。お父さんに聞かれてたら1回殴ろう。そうしよう。
結果、3回殴りました。変な事考えたお父さんが悪い。
「と、ところで杏歌。月霜を見に行っておきたくないか?」
「何だっけ、それ」
「……今度からお前が通う高校だ。月霜学園、制服は光……理事長の趣味でかなり可愛いものだから、人気があるんだ。入学資格は既にあるから心配しなくていいぞ」
「ふ~ん。行ってみようかな」
このとき、私は忘れていた。この娘は、杏歌はとても目を引く容姿をしているという事を。
そして、さっきトイレから出て鏡を見たときに映っていた私の目。真っ黒なはずの目。しかし……
鏡の中にあったのは、綺麗な青い光を宿した目だった。
正確には、黒目ではあるんだけど、なぜか青く輝いていた。私は怖くなって鏡越しにお母さんを見ると、お母さんは鏡に笑顔を向けた。
─────私と同じ、青い光を宿した目で─────
目だけが笑っていなかった。完全に据わっていた。私は今度はお母さんが怖くなって、リビングへと駆け出し、そして今に渡るという訳なのだ。
これをお父さんに伝えると。
「そりゃそうだろうよ。なにせ
お前は美鈴の娘だ。《それ》が遺伝していてもおかしくない。というか、綺麗なんだからいいじゃないか。その青色は思詠の目が完全になりかけている証拠だ。多分女になって速まったんだろう。実を言うと秋人も少し違うが、同じような目を持っている。」
「でも待って。じゃあ何でお母さんまで青かったの?まだ完全になってないはずがないじゃん!」
「何言ってんだお前。美鈴はずっとあのままだぞ。まぁ、隠すことも出来ないことは無いが、かなり体力的にキツいらしい。」
「じゃあ、一生このままなの?お兄ちゃんは青くなかったよ?」
「……一生そのままだろうな。秋人のは目の能力を使ったときにしか変わらない。いや、変わるんじゃなくて光るんだ。あいつの場合は本当に眼光が鋭く灼炎色に光るんだ」
「そっちの方が便利じゃんか。ていうか厨二病の邪気眼?某炎髪灼眼?」
「常時発動していないという事は、それだけ維持するのがキツいって事だ。邪気眼みたいってのは、本人も気にしてるらしいからあんまり言ってやるな。というか、あいつの髪は茶髪だろ」
「そうだね、黙っておく。ところで学校はどうするの?私的には見に行きたいんだけど」
「よし、行くか」
さっきも言ったけど、もう1回言っておく。この杏歌という女の子はとても目を引くのだ!
◆◇◆◇◆◇
というわけで、来ちゃいましたよ月霜学園。そう、来ちゃったよ……平日なのに。
あぁもう、目立つ目立つ。野郎も女の子もキャーキャーと私を見る。やめれ、お願いだからやめて下さい。顔が真っ赤になる。どんな敵でも味方でもなんとやらだよ。
なんとか理事長室までたどり着いた。広いよ、この学校。おかげで目立ちまくっちゃったじゃんか!綺麗で雰囲気もいい感じだったけどね!まったく!
「やぁ、よく来たな!エロゲ作者とその娘!……って、本当に杏歌ちゃん?ふーん、へー、なんほどー。なんとなく美鈴ちゃんの雰囲気はあるね、美人さんだね!」
「出会って数秒で口説くな。杏歌に手ぇ出したら……分カルヨナ?ナ?」
「わ、分かってる分かってる。冗談だ。さて、俺がこの月霜学園の理事長『松島 瑞希』だ。君の両親とは、小学校からの付き合いだ。では時間もあまりないし、さっそくだが制服の採寸とか、簡単なテストとか色々してもらう。」
「えっと、はい、分かりました」
が、テストとは簡単なものではなかった。なんと私が受けたテストの中に『女子更衣室に放り込まれる』というものがあったのだ。耐えるのに必死だったが、おかげで耐性が少し付いた。
特に危なかったのが、上下ともに下着だけの状態で私のことを愛でに来る時。多分あのまま続いてたら壊れてたよ。
その後もいろんな事をして、結局大した成果は得られなかった。
でもまぁ、楽しみだなっ!
まだです。まだ学校編が始まりません(笑)
自分でも早く始めたいんですけどね。
なにせ時間無いわ集中力無いわで進まないんですよ(笑)
あと、結構ギリギリなパロディ多用してるけど、せーふですよね。
でもがんばりますよ!では次回~
唐揚げ食べたい