4話 千早美鈴の幸福
ひゃっほー、4話!ではどうぞ
さあさあ、やって参りましたよお買い物デート本番!サービスシーン?文字だけの物にそんなのいる?あ・げ・な・い・よ。
「いえ、サービスシーンは勿論ありますよ。生で味わえるのはお母さんだけですけどね」
相も変わらず絶好調の読心術……やめて欲しいね、これ。
「たぶん杏ちゃんもできますよ。私の子供ですから。相手の目を見るのです。目の奥から、心を覗くのです」
……やってみようかな。取りあえずお母さんのを覗いてみよう────────ッ!?
なに?今の……?なんか、どす黒くてグルグルしたものの中に一際目立つ淡いピンクの空間、そこにある景色、それは ……色んな服を着た私。
「お母さんの変態」
「お母さんは変態ではないですよ~。極度の妄想癖と杏ちゃんへの愛を持った普通の人ですよ~♪」
「人はそれを変態という!」
「デスヨネー。気を取り直して、レッツ、ショッピング~」
というわけで、四話目にしてやっとお買い物スタートです。
◇◆◇◆◇◆
これからは、杏ちゃんに変わって私、美鈴がお送りしまーす。
やっぱり、杏ちゃんの一人称だけじゃねぇ~。
「お母さん、まずは何買うの?」
「まずはお母さんと手を繋ぎましょう」
「手以前に話が繋がってないよ!……まぁ良いけど」
そっとちっちゃな手で私のをつかむ杏ちゃん、可愛い!可愛すぎる!ちっちゃいからちゃんとつかめていないのがまた可愛い!……ハァハァ
「???……お母さん?なんか気持ち悪いよ?」
「何でもないですよ。さ、まずはミニスカートとそれに合う服を買いに行きましょう」
「うん……もう諦めたよ」
キュンキュンに萌えさせやがる!犯罪的だ!可愛すぎる!
……こほん、これは早くお買い物を済ませないと私の理性が保ちませんね。
とにかく、選びましょう……フフフフフフ、アーッハッハッハッハ!
「……お母さんが壊れっぱなしだ」
「大丈夫ですよ。これが素です」
「なお悪いよ……」
~数十分後~
目の前の杏ちゃんを私は思わず抱きしめてしまった。とても強く抱きしめてしまった。
「んむーーーーっ!?むーーーー!?ん……ん……ぷは!苦しい!離せ!……あ!」
ふふ、頂きました。5ガサツですね。
「杏ちゃん、5ガサツ♪」
「…………く、高いよ」
「諦めて下さい。胸チラです。無い胸って良いですよね♪」
「このやろう!」
「はいアウト、2ガサツPART2。フリフリスカートとニーハイの絶対領域添えですね。夏にまとめてやりましょうね」
「そんな料理みたいな……」
ちなみに今、杏ちゃんはミニスカートです。必至に裾を押さえながら内股になって顔を赤らめています。やっぱり無意識だと心も女の子になってるんでね。かーわい♪
今の彼女は髪を後ろで結って、上はノーブラでクリーム色のシャツ……たまに擦れるのか、涙目になって喘ぎそうになっている。タマりませんね。
そして、シャツのうえに白のパーカーです。普通のセットなのに着る人が良いと可愛さがヤバいですね。あえてアクセサリーは付けません。
下は、パンツ(水玉)を買ってから水色のミニスカート。でも確かにホットパンツもこの娘にピッタリなのかもしれません。買ってあげましょう。
「杏ちゃん、下着を買ったあとホットパンツも見に行きますか?」
「ふに?……うみゅ、買うの」
なんか、幼児退行してますね。眠いのでしょうか。
「じゃあ、いっぱい買ったし、ホットパンツと下着をいくつか買って帰りましょうか。眠いんでしょう?」
「うん……眠い」
その後、目的の物を買い揃えてベンチに座ってマスタードーナツのドーナツを食べていた。
ブラの採寸の時に喘いでくれるのを期待していたのですが、眠すぎて無反応でした。ボーッとしてる杏ちゃんも可愛いので写真に納めましたけどね。
食べ終わってジュースを飲んでいると、とうとう限界を迎えたのか、杏ちゃんが私に寄りかかってきました。私が杏ちゃんの頭を撫でてあげると、気持ちよさそうに頭を擦り寄せてきます。可愛い。
……杏ちゃん、か。私たち家族が彼女にしてしまったこと、そして、それを隠して今まで過ごしてきたという事。
いつか、話さないといけませんね。
───『杏歌と恭介』のことを───
帰り道、私は大変でした。買いすぎて重たい荷物に加えて、軽いとはいえ、気持ちよさそうに寝息をたてる杏ちゃんをおんぶして徒歩10分の道を歩いてきたのですから。
帰ってきた私を見るや否や真哉さんは驚いた様子で、当たり前のように荷物を奪い取って迎えてくれた。
こういう優しいところが有るから、この人のことが好きなんですよね。
そのあと、私は真哉さんと……
───杏ちゃん撮影会をしました───
「……最後のが無ければ感動だったのかもね。父さんも母さんも、全く」
いつの間にか帰ってきていた秋くんに落胆されましたとさ……おしまい
3話を投稿してからご飯を食べて、そのあと書き始めたのですが、20分で書き終わりました。なぜなら、杏歌の両親の思考は作者のそれに準じているからです。
あと、秋人には読心術ではなく、記憶を視る力があります。なので『記憶していない』などの表現ができるのです。
相も変わらず1話1話が短いですが、長くするかは今後の反応で決めます。何も無ければこのままで。
ではでは、また次話で。