お弁当だよっ
なんか短いですが。すいません 時間が無くて。
午前の授業が終わり、昼休みになる。
「んあ〜〜」
体伸ばしは気持ちいな。
ん?望がこっちに来るな。
「ケンゴ、一緒に飯食おっとおおお、いや、やっぱいいや何でもない。じゃっ」
なぜか敬礼しながら早足で去っていく望。何だ?「ケンゴっ」
「はい?」
後ろから声をかけられる。振り向いてみると、そこには弁当箱を持った千鶴が立っていた。
「おう、何だ?」
「久しぶりに一緒にお昼ご飯食べない?」
「二人でか?」
「うん。」
何を言ってるんでしょう?この娘は。高校生にもなって男女二人きりで弁当を食べていたら、周りの奴らに付き合っていると思われること必至、それでもいいのか?
もしかしてオレのこと好………いやいやいや、それはない……と思う。
逆に全く目に入ってないとか、オレを男として見てないとか。
う〜〜ん、そりゃ嫌だな男としては見て欲しい。
「お前は何を言ってるんだい?」
おばあちゃんの様に優しく問いかけた。
「はい!行こう。あなたに選択権はありません。」
そう言って、オレの服の袖を引っ張る。
強制ですか?
「…一緒に食べない?」
の
「?」
は立場を失いますが?
オレに問いかけてるんでしょ?だったらオレに選択の余地はあるはず。
ちゃんと
「?」
を使ってあげて下さい。
これだと、命令だ。
「ちょっ、待っ…」
有り得ない力でオレを引っ張ってくる。
まぁ、久しぶりだしいいか。
こうして一緒に食べることになったわけだ……。
オレ達は一緒に昼飯を食べる為(正確には食べさせられる。)ことになったので中庭に向かう。
中庭の扉を開けると、爽やかな風と同時に見える青くどこまでも澄みきった空、そこを飛ぶ鳥達。
「う〜ん、気持ちいいな〜」
軽く伸びをしながら、千鶴の顔を見る。
風に当たり耳元の髪を押さえながら気持ち良さそうにしている。
「さて、食べますか。」
「おう」
あ〜 腹減った、ようやく食える。
ん?何か引っ掛かるな、何か今において重要なこと………はっ!そういえばオレ弁当持ってきてないじゃん。今日は学食dayと決めてある。というか、千鶴はそのことを知ってるはずだが。
「おい、オレ弁当……」
「わかってます。ケンゴは今日は学食の日 お弁当は持ってきていない。そんなことは百も承知!ということで、ジャジャ―ン。なんとこの千鶴様が作ってきました。すごいぞ、さぁ!」
そう言って オレの手元に弁当箱を置く。
「おお、気が利くな。」
弁当箱の中には玉子焼きやウインナ―などの定番のおかずが入っている。
あれ?
「あの…おかずはあるんですが、主食がないですよ?」
「ああ、ごめんね。米を丁度きらしちゃって、だから代わりにこれ持ってきました。」
と言って固形未確認物体を投げてきた。
「はい?これ、餅ですよね?しかも焼いたりとか、なんにもしてない生だよ?
食えね―よ!」
「食べれば同じでしょ?」
「だから、食えね―んだよっ!!」
「あはは、なんかハイテンションだね。ケンゴは」
「ハイテンションにもなるよ」
それからたわいもない話しをしながら、主食のない弁当を食べていく。
「ぷっは。ごちそうさま」
「はいはい、お粗末様でございました。」
「お、丁度時間だな。」
「あ、ホントだ。」
「ああ、そうだ、今日一緒に帰らないか?」
「え?でも今日委員会で残らなきゃいけないんだけど……」
「じゃあ、オレも残ってるよ。」
「うんっ。わかった。」
「じゃあ、後でな」