爺さんマジでドンブラコ
第一章 じいさんマジでドンブラコ
むかしむかし、あるところに。
お爺さんと、お婆さんがいました。
「山へちょっくら行ってくるわ!!」
お爺さんはそう言うと、物騒な金棒をズシン!と肩にと担いで行った。
「いってら~」
気のない返事をしながら、お婆さんは「マジだりぃ……」と小さく呟く。
片手にはスマホ。もう片方の手で仕方なく洗濯物を掴み、ポチポチと川へと向かう。
川に着いても、お婆さんの意識は手元のスマホに釘付けだ。
「チョーウケルんですけど(笑)」
「これマジ? なくね?」
SNSのタイムラインを眺めながら、適当に洗濯をしていると、川上から何やら絶叫が聞こえてきた。
「あの犬、猿、キジ、ゼッテェ許さねぇからなーーー!!」
なんと、お爺さんが傷だらけで濁流に呑まれてゴウゴウ!!ドンブラコ……ゴウゴウ!!ドンブラコ……と流れてくるではないか。
「じいさんマジでドンブラコしてなくね? チョーウケル(笑)」
お婆さんは慌てるそぶりも見せず、慣れた手つきでスマホのカメラを起動する。絶好の撮影チャンスとばかりにパシャリ!
その姿が、濁流の中でもハッキリと見えたのだろう。
なんと爺さんぶちギレた。
「おいゴルァ! ババア!! てめぇ見てねぇで助けやがれ!!」
お爺さんの怒声がバリバリ響く。
「わかったし、助ければいーんしょ……マジウケル(笑)チョーウケル(笑)」
お婆さんは心底面倒くさそうに、しかし笑いを堪えきれない様子で立ち上がる。
スマホをポチポチ、お爺さんの腰ひもをひょいと摘まんで引っ張った。
だが、お爺さんは持ち上がらない。
「ウケる、じいさんのフンドシ岩に引っ掛かってる系?」
お婆さんは渾身の力を込めて、ぐいっと引っ張る。
その瞬間。
ビリッ……!
と、実に不吉な音が響き渡った。
「おいごらババア!! フンドシ破れただろ! フンドシ!!」
「爺さんの見えてマジまんじ(笑)」
お婆さんが腹を抱えて笑っている、まさにその時だった。
濁流の向こうから、何かが猛スピードで迫ってくる。
それは、あまりにも巨大な、
そう――大きな大きな桃が2人目掛けて、
ゴウゴウ!!ドンブラコ……
犬猿キジも加勢する!
HEY!GO!GO!ドンブラコ!!
GO!GO!ドンブラコ!!
桃がノリノリ♪お尻フリフリ♪
ジジババ向かって猛ダッシュ!!
HEY!GO!GO!ドンブラコ!!
GO!GO!ドンブラコ!!
「コノヤロウ!勝手に盛り上ってんじゃねぇー!!」
ドッドォオオオン!!
ジジババ桃で吹っ飛んだ♪
綺麗に綺麗に吹っ飛んだ♪
爺さん婆さんやばたにえん♪
どうなる、どうなるやばたにえん♪
HEY!GO!GO!ドンブラコ……
GO……GO……ドンブラコ…………
皆知ってる 「桃太郎」
もしお爺さんが流れてきたら?
から生まれた
アホなストーリーを読んでいただきありがとうございます。
まだ細かな内容は考えてませんが、
続編も書こうと思います。
是非お付き合い頂けると嬉しいです




