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異世界をゾンビパニック!  作者: 光大地
1.最弱の最強
2/5

② 剣と魔法のファンタジー世界

次に俺が目を開くと、桜の木の下でもたれかかっていた

綺麗な澄み切った水色の空と

美しい緑色の草原に咲く花々

満開の桜の大木が桜を散らしていた

俺の目頭が熱くなっているのが分かった

手で拭ってみると、涙を流していたようだ

…………なぜ?

それよりも俺は転生したのか……?

俺のいた世界と類似している点が多い為にわからない

もしかしたら俺の夢だったのではないかとさえ思い始めた

良く考えれば馬鹿馬鹿しい話だ

不審者が教室に入られて殺されて転生する……

世の中そんなに上手く出来てはいない筈だ

そうなると、今の時刻を確かめなくてはならない

俺は遅刻をしている可能性がある

だが、ふと腕を見ると腕時計が無かったのだ

それどころか、服装も全く違うことがわかった

足元を見渡すと、茶色の鞄から手鏡が溢れていた

俺は咄嗟に手鏡を見ると、

そこには見たこともないほどの美少年がいた

そして、俺はようやくこの状況を理解した

俺は本当に転生に成功していたのだ

俺がまた思考停止をしていると、

鏡の縁にボタンが付いていることに気が付いた

興味本位で押してみると、

鏡の端に文字と数字が浮かび上がった

打撃力………魔力…………

自分のステータスなんだと分かったが

基準が分からない為に高いのか低いのかは分からない

だが、一つ疑問点が生じた

鏡の右上に大きく表示された【3.5】とはなんだろううか

気にしても仕方がないだろう

俺は丘から見下ろすと

栄えている王国のような場所が見える

剣士に魔法使い……あの青髪は……盗賊のようだ

俺はあの場所を目指す事にしよう

剣でも魔法でも何でも良いから

俺はこの世界で今度こそ頂点を成り上がってやる


「ガブッ」


ガブ?なんだか肩が痛んだ

前の世界で刺された時ほどの痛みではなかったが

振り返って状況を確認すると

血の気が引くのを全身で感じ取った

ゾンビだ。ゾンビに肩を噛まれている

世間一般的にゾンビというものは噛まれると感染するものだ

つまり、今噛まれた俺は感染したという事になる

肩を中心に緑色へと腐食しているのを感じる


「ウアアア………」


俺の肩を噛んだゾンビは意思疎通が不可能と判断出来る

俺はこのゾンビを引き剥がした

その瞬間に体が焼かれるような熱さに襲われた

ジュワアと良い音を鳴らした


遠野「アヅイ!?ウアアア!!」

?「こっちです!こっち来てください!!」


言われるがままに俺は腕を引っ張られて

最寄りの洞窟まで連れて行かれた

俺が燃える体を手で振り払っていると

いきなり水をかけられた。びしょびしょだ

すぐに鏡を見ると、そこには肌を緑色にした

先程の美少年が立っていた

俺は驚きのあまり鏡を落として割ってしまった

ゾンビがこっちを見て心配そうにこっちを見ている


?「あの……体の方は大丈夫でしょうか……?」

遠野「俺は……一体どうなってしまったんだ……?」

?「良かった……無事のようですね……」

遠野「いや!無事じゃないだろ!?この緑の肌……

まさかだが……俺は……」

?「はい!ゾンビに種族転換を成功させましたね!」

遠野「冗談だろ……?俺は……まだ……いや!

なんでファンタジー世界にゾンビがいるんだよ!!」

?「?。まぁ……衰退した種族ですし……そう捉えられても仕方がないですよね……かつては霊長の5代種族と呼ばれていたゾンビ族も今では私以外、存続不明…」

遠野「………そんなことはどうでもいいんだよ、ゾンビになったらどうなるんだよ!!」

?「え?あー……体内でゾンビ毒を蓄えて他種族をゾンビ化させる事が可能、頭部を破壊されない限りは体を再生可能、日光に弱くて日中は外へ出る事が出来ない……その他諸々……ですね!」

遠野「弱点まみれじゃないか!!てかあなた誰だよ!!」

?「ふっふっふ……良くぞ聞いてくださいましたね!

私こそが、ゾンビ族頂点の覇王ミーニア様なのです!そして!あなたが新たな一人目のゾンビなのです!

これから私と一緒に……!!」

遠野「………っ!!」


俺は言葉を発するよりも先に動き出していた

俺はゾンビに拳をふるった

だが、見切られたようだ。目が拳を見ている

俺は拳をゾンビに当てた

ゾンビは体を吹き飛ばされて壁に激突した


ミーニア「え……!?ちょっ……本当に振るうんですか!?」

遠野「なぜ……見切ったのに避けた……」

ミーニア「さすがに初対面で本当に殴ります!?」

遠野「俺は今度こそ頂点を目指す為にこの世界に来た。

なのに、なぜゾンビの配下にならないといけない?」

ミーニア「ふふ、ゾンビになったあなたは私に逆らうことなど出来ませんよ?“絶対服従”!!」


………。今何かゾンビの手から緑のオーラが放たれたように見えたが、特に何も起こっていないように感じる

よく見ると、ゾンビは何か狼狽えているように見える


ミーニア「どうして……服従出来ない……?」

遠野「今……何をしたんだ」

ミーニア「まさか、あなたは私を越える者というのですか……?」

遠野「よく分からないけど、殺る気なら素手でも

俺は全力でゾンビの頭を砕く。弱点なんだろう?」

ミーニア「降参します」

遠野「え?」

ミーニア「今の王技は“絶対服従”。同族で私より弱き者を従える技です。つまり、あなたは私を越える強さを持っているという事になります」


そう言うと、ゾンビは俺の前に跪いた

急展開で俺の脳は追いつかなかった

俺はこのゾンビより強いという事なのか……?

鏡を確認しようとしたが割れて使用出来ないようだ


ミーニア「あなた様に忠誠を誓います」

遠野「ゾンビより強いってだけでか?」

ミーニア「そうですよ、同族で私より強いのですから。

ところで忠誠を誓う主の名前をお聞きしてもよろしいですか?」

遠野「俺の名前はt……」


せっかく転生したのだから

新しい名前で人生再スタートも良いだろう

藤崎遠野……それが前の世界の名前だ


……


遠野「俺の名前は……オール……かな」

ミーニア「オール様、とても良い名前ですね。

それでは、あなた様に忠誠を誓います」


その瞬間、ゾンビから俺に眩い光が流れ込んできた

何が起こっているのかはわからないが

そんな状況下でも一つわかることがある

俺は最底辺の種族に落ちてしまったということだ

これから俺はどうなってしまうのだろうか……

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