① 俺が転生した理由
20xx年 日本
俺の名前は藤崎遠野。平凡なスクールライフを送る高校生だ
特にこれと言った不満はない
男女平等に友達に恵まれて、成績も平均よりは少し高い
部活動でも特にこれと言った問題はない
家は母子家庭だが、母が急成長中のベンチャー企業の社長
ということもあって、お金にも余裕がある
このまま普通に過ごしていれば、特に何も無いだろう……
ちなみに彼女はいない歴=年齢だが、困った事は無い
強いて言うならば、普通過ぎるという所
平凡過ぎてつまらないのだ。
俺は常に頂点だけを見ている、全てを従えて頂点に立ちたい
俺が常に注目されるような人気者になりたい
だが、世間というのは残酷なものだ
俺みたいな何一つの素晴らしい特技を持っていない
俺には不可能に近いだろう
俺がボーッと黒板を眺めていると……
教室の前のドアがバンッと音を立てて開いた
何事かと思い視線を少し右へずらすと
見たことも無い女の姿があった
フードを被りこみ、全身を黒いコートで包みこんでいる
俺の視点から確認出来る事は女が
右手にナイフを持っていることだ。
そこで俺は気付いた
これは伝説の【学校にテロリストが襲撃したら……】である
俺の平凡な日常に刺激が投下された瞬間である
だがしかし、考えても見て欲しい
大抵の人はこの状況を対処しようがないのだ
俺はその部類の1人に入る。それに目と鼻の先に女がいる
俺は思考が停止してしまった
女「アッハハハハハ!世の中なんて全部ぶっ壊してやるッ!」
という言葉と共に俺は考えるより先に体が動いたが
あまりの動揺に俺はコケてしまった
周りから色んな声が飛び交っているのが脳内に入る
「キャーッ」や「うわああああッ!」と言った声だ
先生も半ばパニックになっているようだ
皆は訓練の時には出来ていたのに、
いざ本番になるとここまで取り乱すものなのか
俺は恐怖に震えていた、1秒でも早くこの女から逃げなくては
刺されてしまうだろう。刺されるとはどういうものなのか
切り傷のような痛みの何倍もの痛みなのだろう……
嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
俺はすぐに女の方向に振り向くとナイフを構えていた
俺の腹に狙いを定めたようだ
俺はサクッと良い音を鳴らしながら腹を刺された
気持ちが高鳴り過ぎて頭がおかしくなってしまいそうだ
熱いッ!痛いッ!両方の感情が一度に襲ってくる
目を開けていられない
その時、誰かが机を走りながら飛び上がり
ほうきで女を張っ倒したようだ
それを見た数人の生徒達が女に飛び掛かって抑え込んでいた
それと同時に俺の友達が何人かが近寄って来てくれた
俺は「うアアァ、グゥ、がアアァ……」と情けないうめき声をあげていた。体が勝手にするのだから仕方がない
俺の友達が「おいッ!大丈夫かッ!しっかりしろッ!もうすぐで救急車が来るからッ!!」とか「嫌だぁ!!死なないでぇ!!」とか「ナイフ抜いた方が良いんじゃないのか!?」とか言ってるのが聞こえる……だが
脳内では処理出来ない事を感じる。
それに、俺はなんとなくだが、もうすぐ死ぬだろう
俺はもし、この様な状況になったら一人一人思いを伝えようと思っていたが、そんな余裕は無かった。
俺は今すぐに伝えたい事を言葉にした
遠野「俺が死んだらッ……机の引き出しに入れて置いた遺書通りの事をしてくれェ……」
念の為に保険で遺言書を書いておいて正解だった
友達は了承してくれているようだ
俺は最後の力を振り絞ってこう叫んだ
遠野「三奈さん、好きだああああああああああ!!!」
?「1人で何を言ってるんですか?」
遠野「あああああああ!!!???」
気づくと俺は辺りが真っ白な空間にいた
白い空間に黒いモヤのようなものがかかっており
ここはなんとなく夢の様な場所と錯覚した
遠野「………今の聞いてたんですか……」
?「はい、そうですね。私の名前はミナ……ではないですが…」
遠野「……………」
俺は恥ずかしさで死にそうだった。
いや、俺はもう死んでいるのか?腹部から痛みを感じない
というのも俺がいない。下を見ても俺の体が存在しないのだ
?「ここは四次元空間ですよ。そしてあなたは死ぬ直前に
私があなたの意識をこちらへ移したのですよ。
それとわたしの名前は『縺ェ縺ゅ∪繧?↑』ですからね」
遠野「………?」
?「……………」
遠野「つまり、えと、俺はどうなったんですか」
?「肉体は死にました。
ですが、あまり些細な問題ではありませんよ
意識さえ生きていればあなたは死んでいないのです」
俺は不思議と全てを受け入れる事が出来た
全く理解出来ない事を告げられているのにどうしてだろうか
?「それは意識体だからですね。
細かい事は気にしない方が良いと思いますよ」
…………さっきから考えていることが読まれている………?
?「それは意識体なので、全部筒抜けて聞こえてますよ?」
遠野「……………そうなん………ですか。
ところで、死ぬ前に俺をここに連れて来た理由って何ですか」
?「実験ですね。もう終了したので帰っても………」
遠野「……………………………………」
?「そう言えばお亡くなりになられてましたね、すいません」
遠野「地獄行きですか………ハハ……良い人生だったなー………」
?「いっそのこと転生とかしちゃいます?」
遠野「え、転生って本当にあるんですか?」
?「あなたの脳内から『これって転生の予感………?
異世界に行っちゃう感じなのか?』と漏れ出ていますよ」
遠野「あぁ……すいません。
そういうのに憧れる時期だったんです」
?「巻き込んでしまいましたし……良いですよ。転生」
遠野「ま、マジですか!?
なら!剣と魔法のファンタジー世界に……!」
?「………?あなたのいた世界は
剣と魔法のファンタジー世界では無いと思ったのですが……」
遠野「あ……転生って……そういう……」
?「……なるほど……パラレルワールドですか……?」
遠野「……異世界ってそういうことになりますね……」
?「わかりました。良いですよ。
それでは頑張ってくださいね」
遠野「え……いきなり急展k……」
こうして俺は
謎の女に刺されて死んでしまったと思ったが
奇跡的に意識だけで生き残ることに成功して
剣と魔法のファンタジー世界に転生することになったのだ
どんな世界が俺を待っているのかはわからないが……
今度こそ俺は、剣でも魔法でも……何でも良いから
世界の頂点に成り上がってやる