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生贄令嬢の意趣返し

作者: くりす

始めて書く短編です。

王の婚約者は呪われる古の魔術師が婚約者を奪われた時王家にかけた呪いそれは王の花嫁となる娘が真に愛されていなければ命を落とすというもの。

だから王家は生贄の婚約者を王太子に宛てがう、2人が相思相愛ならば問題はなく、違えば多額の結納金の他に多額のお見舞金が支払われる約束を婚約時交わす、ちなみに結納金は婚約時に支払われるらしい。因みに呪いは最初の婚約者にだけらしい。

つまりは1人生贄になれば、その後は自由らしい。

悲しいかな、どこの家庭にも親に愛されない娘はいる訳で、今回の生贄に私は選ばれた。王家はどうやって生贄を見つけるのだろう?思えば王太子殿下には邪険にされど陛下と王妃様はいつも優しく、家であまりにも辛い時は王宮に招かれる事が多かった。

本来生贄はその事実を知らされず、王太子も偽りでも大切にするのが習わしだ。犠牲になってしまう令嬢に敬意を払うのだ。

それでも、生贄に選ばれた時点で私にとって王家って残酷なのかもしれない、けれど陛下と王妃様に負の感情はないけれど。

でも、私は本当につくづく本当に呪われているのかもしれない。

だって妹と王太子に嬉々として秘められるはずの真実を伝えられ、死を望まれた

「お前はもうすぐ呪いで死ぬ、そうしたらやっと愛しのエリーと婚約できる!1日でも早く僕とエリーの為に死んでくれ」

「可愛そうなお姉様、私はせめて夢の中で逝かせて差し上げてと言ったのだけれど、殿下が1日でも早く私と結婚したいのですって!!」

元々殿下に好かれてないのは知っていたけれど、これ程とは、、、、

王太子殿下は、最初から勝手に婚約者に決められた私が気に入らなかった。加えてお母様やお父様が私にはお金をかけたくないから、いつもお祖母様のドレスをリメイクして着て、お祖母様のアクセサリーを使い、今流行りの華やかで艶やかな裝をしなない私が気に入らない。それでもお祖母様の服は上質だし、流行りは取り入れるけれど、露出は少なめに上品なドレスにしていたからご夫人方や高貴なご令嬢方には人気で、リメイクを請け負ったりしたこともあったのだけど。殿下は妖艶なドレスがお好きみたい。「地味な格好で僕を辱める来か!」、「貴様の容姿もなにもかも気に食わん!!」といつも仰ってた、エリーはお母様に似て、私はお祖母様に似ている、だからまぁ私はどう頑張ってもお好みに合わなかったんだと思う。

家族に嫌われているのは、お祖母様に容姿と魔力が似てしまったから、隔世遺伝だ。お父様もお母様も結婚を反対された事でお祖母様を嫌っていたから。お祖母様は 全属性魔法が使えた、聡明で美しい方だった。でも努力の方で自他ともに厳しく公正な方だった、仕事嫌いのお父様には政務に長けたご令嬢を望んでいた、実際婚約話を進めていたのに、お父様は爵位も低く、もお仕事は苦手なお母様をのぞまれた。そして結婚を反対されたけれど、最後には結婚を許された、でも、当主や夫人教育を厳しく指導されたから、お祖母様を2人今でも恨めしくおもていて、お祖母様に似ている私を娘とは思えないみたい。厳しく教育されたのに、お祖母様が亡くなってからは好き放題になってしまっているから、お祖母様は浮かばれないのかもしれない。

妹は元々私に興味がなかったけれど、私の婚約者が王太子殿下なのが許せなかったみたい。別にいつでも変わったけれど、誰だって生贄は嫌だろう。だから家族にも大切にされない居場所もないただ生贄になる為に私は生かされてきた。

私っていったいなんの為に、、

…古の魔術師様私はあなたに恨まれる事はしていないのにあんまりです。

呪いから逃れられないとして、意趣返しくらいは許されるのではないかしら?

だって酷すぎじゃないかしら?私にも心はあるのよ?死は怖いし、こんな休まらない場所で一生を終えるなんて嫌だわ、

そうよ!!少しくらいこまればいいのだわ。

そう思って私は、王国の人達が忌み嫌う魔術の森で一生を終えようと決めた。確かに魔物も住まう森だけれど、私には倒せるし、皆誤解してるけれど、魔物は強い者程賢いからこちらから仕掛けなければ襲って来ない。陛下に内密に事の成り行きを手紙で伝えた。穏やかに逝きたいから探さないで欲しいと。

仮に私を探しにきても簡単には探せないように、森の奥深く、結界魔法を何重にもかけた、これでも魔力は強い方なので。王宮魔術師団長様クラスなら結果を敗れるかもしれないけど、たかが生贄に、死を待つだけの私にそこまではしないだろう。

森の奥の泉の近くに小屋を作り、魔法フル活用の自給自足?のスローライフ、穏やかに残りの人生を過ごすの。

憧れだった可愛い家具、ふかふかベッド、今ならだれにも咎められない、大切にしていた、お祖母様の形見のドレスやアクセサリー、本などは持ってこられたし。

侯爵家の令嬢であるにも関わらず使用人のように扱われていたから、家事は一通りできるから困らないし、自分の為だけにする家事は楽だし楽しい。

それでも悲しい気持ちはある、だって好かれて無かったけど、最初は優しくて紳士的だった殿下をお慕いしていたわ。死を望まれるまでは、ね。

森には魔物もいるけど、動物や神獣、妖精も暮らしている、仲良くなれたから、1人ぼっちではなかったし、人生初めて自由に過ごせる。

傷心を癒しながら、穏やかに、楽しく日々を過ごしていた、同時に弱っていくのも感じ始めていたそんな時、私の目の前にこの国では珍しい黒髪の美丈夫様が現れたの、真赤なルビーのような瞳の美しい方

「我が呪いを受けし哀れな少女…何故こんなところに?」

びっくりした、

「もしや貴方様が古の魔術師様??

えっと私は穏やかに逝きたいのです。疎まれ、死を望まれる人達の傍にはいたくないし、簡単に幸せになどしてあげる義理もありませんので」

「面白い娘だ、私はそなたに恨みはない、今までそなたのように虐げられた令嬢はいなかったが……実のところ本当の意味で王家の贄となる娘もいなかった、今の王太子はエリーとか言う女に骨抜きになってるとはいえ婚約者に死を望むとは酷い男だな。」

「え?でも生贄の婚約者は今までもいたって殿下が…」

情報が多すぎる

「愛を築け無かった婚約者達は私が亡くなった事にして望む国に逃がしてきた。私が憎かったもの達はもう居ないし、彼らは結局幸せにはなれなかったし、私の気持ちも晴れる事はなかった。人を呪わば穴2つってな、だがあの時の私の想いが強すぎたせいで未だに王家に対する呪いが解けきらないし、私の時間も止まったままだ。だが罪のない花嫁達は救済してきた。私はそなたの呪いを解きにきたのだよ。」

パチンと彼が指を鳴らすとなんだか身体が軽くなった

「あの、今ので私の身体が軽くなたった気がします」

「あぁ呪いは解いたからそなたが呪いによって死ぬ事はない」

「まぁ!!ありがとうございます。私ひっそりここで暮らしていきますわ、迂闊に国に戻ってしまってはあの二人に命を狙われそうですし、人と関わる事がないのは少し寂しいけれど、ここには友達も居ますし、ここの暮らし気に入ってますし」

心穏やかに過ごせるここを気に入ってる

「望めば隣国で暮らせるようにもできるし、新たな婚約者も探そう、ここで1人では寂しいであろう?」

確かに人と関わらないのは少し寂しいけれど、それなら

「ならば、魔術師様が遊びに来て下さいませ!!そうしたら寂しくありませんわ」

赤い瞳が見開き私を見つめた

「私が?よいのか?そなたがここで暮らすようになったのは私のせいなのに」

「はい、そしたらお互い寂しくないですよね?」

だって彼もずっと1人。お互いに話し相手になれば寂しくないでしょ?

そうして、私は魔術師様とお茶のみ友達となった、彼は博識で、優しくて、気付いたら彼にときめいていた。今まで会った誰より素敵な人。彼は私の気持ちに気付いていて、最初はお互いに戸惑ってたけれど、惹かれ合う気持ちは止まらなくて恋人になれたの。初心な私は彼に翻弄されっぱなし、穏やかだった笑顔に色香が混じってドキドキしっぱなしで、心臓がもちそうにない、オトナな彼はまだ先に進めない私に合わせたお付き合いをしてくれた、

そんな日々が続いた時、彼が真っ直ぐ見つめられて言われの

「クロエどうか私の妻になってはくれないだろうか?」

嬉しくて、嬉しくて、幸せで

「フェルナンド様!!はい…あなたの奥様になりたいです」

そう答えたら彼はそっと私に口付けた。

恥ずかしくてふわふわして叫びだしそうなそんな気持ちだった

その時 パチン、パチン、パチンと音が響いた

「呪いが、呪いが解けた!!私が心から愛し愛される人に出会う事が必要だったのだろう!!あぁ…私の時間もこれからは進むのだろう、共に生きて老いる事もできる!

きっと君と会って結ばれる為に私は今まで生きてきたのだろう、ありがとうクロエ」

そういう彼の瞳には涙が溜まっていた。私も嬉しくて泣いてしまった。本当の意味で共に。

私達はずっと一緒に、幸せに暮らしていけるそんな予感。



……………………………………………………………………………

一方、王太子とエリーはと言うと、私が失踪した事をきっかけに生活が一変してしまったらしい。

王家の呪いを私に伝える事で絶望させ死期を早めたかった事を知った国王様が大層怒ったらしい、まぁ、陛下とて私達の婚約に生贄以外にも思惑が合ったみたい。全属性魔法が使える人はなかなかいないから、王家にどうにか取り込みたかったとか?けれど、所詮は生贄死にゆく者に時間や人はさけない。

陛下は1つの可能性にかけたみたい。

すぐさま私と殿下の婚約破棄が決まり、エリーが婚約者に決まった。

愛し合ってるはずの2人が結婚することでエリーも私も命を助け、私を王宮魔術師団に入れる方法を模索したかったらしい。けれど、ある意味希望が叶ったはずなのに呪いを恐れるエリーと両親が王命にも関わらず、拒否したとか、とうぜん許されなかったけれど。そして罰も与えられた、でも今回は殿下とエリーにも非がある為、比較的軽い罰で済んだ。

王家の命令に背き、娘の私を虐げていた侯爵家は本来爵位返上の上で労働刑の所、王子の婚家となるので、領地が王家に返却となり、なばかりの子爵へと爵位を落とされた。結果、今は信頼失墜で、社交界から爪弾きになり、商売も上手くいかずにいろいろと大変だとか。

王太子殿下は私を死に追いやってまで、妃に望んだエリーが本当には殿下を慕ってはいなく、私への当てつけと王妃になりたいだけの野心家だった為に、王太子としての資質にかけると判断され、息子と言えど甘い罰では許されず王位継承権を剥奪され、個人資産を没収され、権威も財産もない、ただのお飾り王子になった、また真実の愛で結ばれていると思っていたエリーに拒絶されて心労で伏せってしまったとか?それでも2人はこの先お互いに愛し合ってなかったとしても結婚するしかないし、離婚も許されない、贅沢な生活に慣れていたのに商才がなければ、苦しい生活になるかもしれない。


呪いが解けたとフェルナンド様が王家に伝えに行った時過分の見舞金をもらた事と一緒に教えてくれた。因みにに魔術師団へと私とフェルナンド様がそれはそれは熱心に勧誘されたとか。もちろんもう

王家に関わるのは懲り懲りとキッパリ断ったと難しいお顔で話してくれた。

お互いに道を違えてしまったけれど、エリーも殿下も心穏やかに暮らせる日がきますように。


誤字報告ありがとうございます。

ブックマークもありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです。

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