第75話 紅葉ちゃんからの求婚
「あのあのあのっ!!!」
「えっえっえっ?」
接近して顔を近づけてきた紅葉ちゃんを前に、俺はイスの上で仰け反る。
「あ、あなたが白面様っ? 本当にっ?」
「えっ、いやまあ……本当だけど」
「結婚してくださいっ!」
「えええっ!」
仰け反り過ぎた俺はとうとうイスから転げ落ちた。
「な、なにを急にそんな……」
起き上がった俺はイスへと座り直す。
「紅葉、お姉がアカツキって知る前から動画を見てて、白面様の大ファンだったんですっ! お姉がアカツキって知ってからいつか会えるんじゃないかって楽しみにしてて、会えたら結婚しようと思ってたんですっ!」
「いや結婚って……」
紅葉ちゃんは中学生らしいから年齢は13か14歳くらいだろうか。
もちろん結婚ができる年齢ではない。
「まあでも、仮面を外した中身がこんなおじさんでがっかりしたでしょ?」
「そんなこと……いえ、正直に言えば少しがっかりしましたけど、紅葉の白面様を愛する気持ちに変わりはありませんからっ!」
「そ、そう」
「だから紅葉と結婚を……あいてっ」
と、そこでアカネちゃんの手刀が紅葉ちゃんの頭部をコンと叩く。
「コタローが困ってるでしょ。あんたはもう向こうに行ってなさい」
「お姉ばっかりずるいっ! 紅葉もコ、コタローさんと一緒にいたいしっ!」
「コタローはあんたみたいな子供と遊ぶほど暇じゃないの」
「もう子供じゃないしっ! 歳だってお姉と2つしか違わないし、胸もこんなに大きくなってるんだからねっ!」
と、おもむろにタンクトップの襟部分を掴んだ紅葉ちゃんは、そこをグイと引き下げて胸の谷間を晒す。
「わ、ちょ……」
本当に中学生?
というほどに見事な谷間を眼前に晒され、見てはいけないと思いつつも、巨乳好きの本能が理性を制してその谷間を凝視してしまっていた。
「ほら、お姉にだって負けてないでしょ? みてみて」
「う、うーん。この大きさは確かにアカネちゃんといい勝負……あいた」
今度は俺がアカネちゃんの手刀で頭を叩かれた。
「紅葉、あんた今度のテストで良い点とらないとお小遣い減らされるんでしょ? 遊んでる暇あるの? お小遣い減らされてもわたしはお金貸したりしないからね」
「うー……でもせっかく白面様がうちに来てるのに」
「ま、また来るからね」
「本当ですかっ!?」
俺の言葉に紅葉ちゃんはパッと表情を明るくする。
「約束ですよっ! 今度はお姉のお客さんじゃなくて、紅葉のお客さんとして来てくださいねっ! そのときはお姉よりも紅葉のほうがずっとセクシーで大人だってことを教えてあげますからっ!」
「ははは……うん」
苦笑いしつつ返事をした俺に背を向けて紅葉ちゃんはリビングの外へと歩く。それからドアのところで振り返り、チラと谷間を見せてから去って行った。
「アカネちゃんに似ててかわいい子だね」
おっぱいの大きなところまでそっくりである。
「生意気でしょ? まだ子供のくせにすぐ背伸びしようとするんだから」
「そうだね」
しかしまだ中学生だというのにあれだけのバインバインを持っているとは。
たいした逸材だと、全世界巨乳を愛する会会長として紅葉ちゃんの将来には大きな未来を期待した。
「もしかしてコタロー、あの子の谷間見て興奮したの?」
「そ、そそそんなことは……」
「したんだね」
「ごめん……」
相手が中学生だとしても、あんなに素晴らしい巨乳の谷間を見せられてはきょっぱい好きとしてはどうしてもドキドキしてしまう。
「まったく、ほんとおっぱいが好きなんだから」
「面目ないです……」
「けど……」
俺の前へと移動したアカネちゃんはズイと身体を近づけてくる。
「わたしのおっぱいが……一番好きだよね?」
制服のボタンをはずしたアカネちゃんは、中に着ているブラウスを開いて大きなおっぱいの谷間を俺の眼前へと晒す。
「わ、わっ……ア、アカネちゃんっ」
紅葉ちゃんより大きなおっぱいの谷間。
俺はそこから目を離せなくなっていた。
「触りたい?」
「えっ? いいいやっその……」
「触ってもいいよ」
「さ、触っても……」
こんな素敵で最高な巨乳の谷間に指の一本ででも触れることができたら、俺はきっとしあわせ過ぎてどうにかなってしまうだろう。
触りたい。
しかしアカネちゃんはまだ16歳の女子高生だ。
本人の許可があったとしても、触れるわけには……。
「触らないの?」
「さ、さわ……いやでも……」
「もうっ! わたしのほうが我慢できないんだけどっ!」
「えっ? わぷっ」
不意に俺の頭を掴んだアカネちゃんは、晒した谷間へと力強く抱き締めた。
以前にも頭を胸に抱かれたことはある。
しかし今は晒された谷間の素肌に抱かれており、アカネちゃんの体温を直に感じることができて心地良さが違った。
「コタロー……」
アカネちゃんの囁きが頭頂部を撫でる。
「コタロー、わたしの部屋行く?」
「えっ? ア、アカネちゃんの部屋に?」
「うん。ここじゃできないことも……したいでしょ?」
「こ、ここじゃできないことって……」
「もっとエッチなことしてあげるよ」
やや荒い息遣いでアカネちゃんは吐くようにそう言う。
「い、いいいやそれはちょっと……」
アカネちゃんが16歳の高校生だからということ以前に、社長の家で社長の娘とエッチなことするとか、社長に喧嘩を売っているようなものだ。
「ダメ。今日は逃がさない」
「逃げるとかじゃなくて……」
俺の頭はさらにがっしりと抱かれ、絶対に逃がさないという意志を示される。
それから両の大きなおっぱいが、俺の顔をぎゅっと挟んだ。
「う、はぁっ……」
や、柔らか過ぎる。温かい。良い匂い。……もうダメ。
俺は思考を放棄した。
「わたしの部屋へ来るの。いい?」
「あ、あい……」
俺の口からは勝手に肯定の返事が出ていた。
「うふ。じゃあ……」
アカネちゃんがそう言ったとき。
「ただいまー」
快活な女性の声がリビングに聞こえた。
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