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第244話 力の集合装置は完成させられない?

 魔法学校の教師と巨乳美女を守る会の会長の仕事。

 2つをこなしつつしばらく経った。


 教師の仕事は相変わらず。授業は問題無く、男子に好かれて女子からは嫌われる日々である。巨乳美女を守る会のほうは顔を出して報告を受けるだけで、実務のほうは副会長の諏訪がほとんどやってくれるので俺がすることは少なかった。


「雪華ちゃんの研究どうなったかな?」

「進歩はあるみたいだよ。完成はまだみたいだけど」


 休日。今日も俺はアカネちゃんの膝に頭を乗せてのんびりしていた。


「完成したらイレイアを倒しに行くの?」

「それが目的だからね」


 理由はわからないがイレイアは巨乳美女を迫害している。

 それを許しておくわけにはいかなかった。


「他の世界を全部吸収とかさせるわけにはいかないもんね」

「えっ? あ、そ、そう。世界吸収をやめさせないとね」

「コタロー的には巨乳美女を救うのが優先?」

「いやあの、俺はアカネちゃんさえしあわせなら……」

「嘘は吐かなくていいから」


 ポンと頭を撫でられる。


 アカネちゃんがしあわせならそれでいい。

 しかしやはり巨乳美女を救いたいという強い思いもあった。


「でもちゃんと完成するのかな?」

「雪華は自信ありげだったし大丈夫じゃないかな」


 と、俺はアカネちゃんのおっぱいを下から見上げつつ答える。


 いつ見ても良い景色だ。

 ここに住みたい。


 アカネちゃんに膝枕をしてもらいながら、こうしておっぱいを眺めるしあわせ。こんなしあわせを守るためにも、イレイアを止める必要はあるだろう。


「力の集合装置を新たに開発するなんて不可能だと思いますけどね」


 ひとりでテレビゲームを遊んでいる千年魔導士がそんなことを言う。


 結局、集合装置の試作品は見つけられず、こうして戻って来てなぜかずっとゲームで遊んでいるのだ。


「どうしてだ?」

「集合装置が多くあっては世界が乱れます。なので装置を作り出した研究者は装置で集めた力を使ってこの世界に魔法をかけたのです」

「魔法って?」

「装置を完成させるのに必要な重要な知識を消し去る魔法です。これは装置の開発者本人以外すべての人間に対して適用される魔法ですので、誰であろうと装置を完成させることはできなくなります。重要な知識はどうやっても得ることはできないので、完成間近にはできても永久に完成することはありません」

「そ、そうなのか」


 しかし雪華は完成させられるようなことを言っていた。

 あいつの勘違いだったのだろうか?


「じゃあやっぱり試作品を見つけないとダメか」

「そうですね」

「けど見つかりそうもないんだろ?」

「そうですね」


 ……絶望的である。


 このままではイレイアと戦えない。時間が経てば白面の正体が俺だと気付いて、自ら出向いて来るかもしれない。そうなったらもう戦うしかないが、勝つことはやはり難しいように思う……。


「あ、コタロー電話だよ」


 不意に鳴った電話をアカネちゃんから受け取る。


「ありがとう。……雪華からか」


 なにかあったんだろうか? 


 俺は電話に出る。


「小太郎。わしじゃ。装置が完成したからすぐ来るのじゃ」

「えっ? 装置って……?」

「力の集合装置に決まっておるじゃろう。すぐ来るんじゃぞ」


 と、そう言って雪華は通話を切った。


「雪華ちゃんなんだって?」

「装置が完成したって……」

「えっ? けど装置って完成できないんじゃないの?」

「千年魔導士によればそのはずだけど……」

「はて?」


 テレビの画面から顔だけをこちらへ向けて千年魔導士は首を傾げる。


「ともかく行ってみたらわかるんじゃない?」

「そうだね」


 行ってみればわかることと、俺たちは会の本部がある宗教施設へと向かった。



 ……



 それから研究所へやって来て雪華と会う。


「来おったな。ほれ。これが完成した力の集合装置じゃ」

「これが……」


 筒状の巨大なガラスに収められた光の塊。

 外見は以前と変わったところはなさそうだが。


「本当に完成したのか? 千年魔導士によると新たに力の集合装置を作ることは不可能らしいんだけど……」

「そんなこと言われても完成したものは完成したんじゃ」

「そ、そうか」


 こうまで言うのならば、少なくとも雪華の考えの中では完成しているのだろう。

 とはいえ、使ってみなければ本当に完成しているかはわからない。


「魔王様が使ってみてはいかがですか?」

「そうだな……」


 使ってみればすべてわかることだ。


「し、しかし大丈夫ですか? まだ実験もしていません。会長のお身体にもしものことがあったら……」


 研究員は不安そうだが。


「大丈夫だ。だろ雪華?」

「うむ。わしを信じるのじゃ」


 雪華の操作によって筒状のガラスから光の塊である力の集合装置が解放される。

 俺はそれへ向かって手を伸ばし……。


「なにっ!?」


 不意に空間が歪み、光の塊がそこへ飲まれる。

 奇妙な気配を感じた俺がそちらを睨むと、そこには象ほどにも身体が大きい巨大な女が立っていた。

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