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第239話 膝枕に大興奮の白面先生

 学校へ行くと、生徒たちの様子が変わっていた。


「先生っ! 俺たち先生のこと尊敬してますっ!」

「先生はすげー魔法使いですっ! 俺も先生の力を借りたいですっ!」


 大陸魔王との一件で生徒たちの俺への印象が変わったようだ。


「俺も先生と信頼し合ってアカネさんみたいな力がほしいですっ!」

「前から疑問に思ってたんですよ。アカネさんみたいな魅力的な女性が差別されるなんておかしいじゃないかって」

「俺も巨乳美女が好きですっ!」


 うんうん。良い感じだ。

 巨乳美女は正義。愛すべき存在。この考えは世界に浸透させるべきだ。


「顔の良い乳でか女なんてどこがいいんだか」

「それで優秀な魔法使いになれるとか意味わかんないし」

「仮面親父うざ。男子きっしょ」


 ……女子からの人気は相変わらずない。


 なぜだ? 俺はなにも間違ったことは言っていないのに……。先生って難しい。


 その日の授業は淡々とこなし、夜になってアカネちゃんとともに家へ帰る。


「おねえっ、小太郎さんわたしにちょーだいよっ」

「なんでよっ?」


 帰って来てアカネちゃんと紅葉ちゃんのそんなやり取りを見る。


 大陸魔王との一件を配信した動画は大バズり。動画の大人気キャラクターとなった白面の正体を知った紅葉ちゃんは、吸収前世界と同じく、俺へ懐いてくれたようだった。


「ほらもう自分の部屋へ戻んなさい。ここからは大人の時間だから」

「ぶーっ! おねえと変わんないもんっ!」

「いいから。テストあるんでしょ。勉強しないで悪い点取ったらまたママに怒られるよ」

「むう……」


 しぶしぶな様子で紅葉ちゃんはアカネちゃんの部屋を出て行く。


「じゃあコタロー、仕事で疲れただろうし少し横になったら?」

「えっ? いや、別に疲れては……」

「ここに」


 と、アカネちゃんは座って自分の膝を指差す」


「お、おお、も、もしかして膝枕? いいの?」

「もちろん。わたしたち恋人同士なんだし」

「う、うん。じゃあ」


 横になってアカネちゃんの膝へ頭を乗せる。


「お、おお」


 柔らかい。そして上を見るとアカネちゃんの顔ではなくおっぱいが見える。


 良い景色だ。


 膝枕から見えるこの景色は、おっぱい三景のひとつである。


「先生やるのも慣れた?」


 俺の頭を撫でながらアカネちゃんそう聞いてくる。


「いや、まだ全然かな……」


 アカネちゃんの部屋で膝枕をしてもらいながら俺は答える。


 授業はともかく、生徒らとの付き合い方が難しい。男子らはまるで信仰のように慕ってくれるが、女子からは蛇蝎の如く嫌われている。保護者からは苦情が来るしで、正直、面倒なのでもうやめたかった。


「先生ってタイプじゃないもんねーコタローは」

「うん」


 教師の仕事はまあまあしんどい。

 しかしアカネちゃんとのこんな日々が続くのは良いと思った。


「そろそろする?」

「えっ? するって?」

「エッチ」


 その一言を聞いて俺の心臓は跳ね上がる。


 俺たちはもう恋人同士だ。

 キスもしたし、身体の関係もそろそろ……。


「そ、そろそろって、えっと、じゃあ、いつ……?」

「今」

「今っ!?」


 ここアカネちゃんの部屋だし、お父さんお母さん、紅葉ちゃんや組員の人もいる。扉や壁で仕切られているからと言って、そんな状況でするのは……。


「したくないの?」

「し、したいけど……」

「じゃあしよ」

「けど、家の中にはみんないるし……」

「わたしが今したいの。コタローもしたいでしょ。お互いにしたいと思ったときにする。これが本当のセックスだと思うんだよね」

「そ、そっか」


 そうかも。


 俺もアカネちゃんのおっぱいを見上げ続けてかなり興奮している。この胸に飛び込みたいという思いが溢れて堪らなかった。


「きて」

「う、うん」


 とうとうこのときがきた。

 俺はアカネちゃんとひとつに……。


 ……しかしこういうとき、決まって邪魔が入る。


 何度も同じことがあったため、今回ももしかしたらと思った……そのとき、


 ガシャアァァン!


 不意に部屋の窓ガラスが割れる音。

 振り向くと、そこにはヒラヒラミニスカートのカラフルな服装な小さな女の子が立っていた。


「だ、誰……えっ?」

「悪は絶対許さないっ! 雪の国からやって来た正義の使者っ! 魔法少女スノーフラワーっ! ここに参上っ!」


 そんな名乗り上げる幼女。それはどこからどう見ても雪華だった。

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