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第158話 無未ちゃん、脱ぐ(鹿田無未視点)+掲示板回

「あ、と、わたしが戦った魔人のこと。もっと詳しく話しておいたほうがいいかな?」

「あ、うん。なにか魔人の正体がわかるようなことを言っていたなら、教えてほしいかな」

「うーん……。そういうことは特に言ってなかったかも。ただ、小太郎おにいちゃんというか、白面を気に入らない人間がいるみたいで、そいつの命令を受けて白面を性犯罪者に仕立て上げてから殺そうとしていたみたい」

「俺を気に入らない人間……か」


 考えを巡らしているのか、小太郎おにいちゃんは難しい表情で俯く。


 白面がアカツキの護衛として世に出てから多くのことがあった。やっていることは正しいが、それを気に入らない多くの人間もいるだろう。その中から花森に命令した誰かを見つけ出すのは至難だと思った。


「ごめんね。わたしが花森を締め上げて命令した誰かを聞き出しておけばよかったんだけど……」

「いや、無未ちゃんが無事なだけでよかったよ。それに、きっと魔人はその命令した誰かの名前は言わなかっただろうしね」

「えっ? それってどういうこと?」

「魔人には口止めする魔法がかかっているっぽいんだ。だからどんなに厳しく問い詰めても聞き出すことはできなかったと思う」

「口止めの魔法……」


 確かに、花森のような人間に忠誠心などあるわけがなく、締め上げれば簡単に口を割ったはず。口止めできる術があるならば、そうするであろうことは理解できた。


「けど、魔人が俺を狙っているなら、いずれまた襲ってくるだろうから、そのときにはなんとか聞き出してみるさ」

「うん」


 魔人は恐ろしい強さを持った存在だ。しかし小太郎はそれ以上だ。だから魔人が狙っていると知っても、心配はなかった。


「今回みたいみたいなことがまたあるかもしれないし、無未ちゃんも気をつけてね。連絡してくれればすぐに行くから」

「うん。ありがとう。でも大丈夫だと思う。よくわからないけど、なんかパワーアップしたみたいなの。スキルが」


 花森と戦う前から自分の中に感じていた強い力。正体は不明だが、あの力がなければ今ここにはいなかっただろう。


「あ、そのパワーアップは俺のせいだと思う」

「えっ? ってどういうこと?」

「うん。俺には『魔王眷属』って能力があって、俺と強い信頼関係で結ばれている者が使える力なんだけど、俺が魔粒子を大量に吸収した影響で、無未ちゃんにその力が備わったんじゃないかな」

「こ、小太郎おにいちゃんと強い信頼関係で結ばれている……」


 それを聞いて心が踊り、正体不明と不気味に思っていた力が途端に愛おしく思える。


「『魔王眷属』の力が発動しているなら身体のどこかに異世界の数字が浮かび上がるはずなんだけど、心当たりはある?」

「数字?」

「うん。異世界のだからわかりにくいかもだけど」


 とりあえず心当たりは無い。背中など、普段あまり目にしない箇所にあるかもしれなかった。


「ちょっと探してみるね」


 と、無未は服を脱ぐ。


「ちょっ!? ここで脱ぐのは……」

「けど小太郎おにいちゃんに見てもらったほうが見つかるのも早いじゃない?」

「そ、それはそうかもだけど……あわわ」


 躊躇なく脱いでいく無未を前に、小太郎は慌てた表情を見せる。


 どんなに花森が誘惑をしても、こんな顔は決して見せなかったのだろう。


 自分が服を脱ぐことでこんなに赤面して慌ててくれる。

 それが嬉しい無未は焦らすようにゆっくりと服を脱いでいく。


「ど、どうかな?」


 下着姿を小太郎の前に晒す。

 小太郎は目を逸らし、恥ずかしそうにしていた。


「ど、どうって……」


 チラとこちらを見る小太郎。

 頬を朱に染めるその姿はあまりに愛おしく、心が湧き立ってしまった無未は思わず小太郎の頭を胸に抱きしめてしまう。


「ちょ、な、無未ちゃんっ?」

「ごめん。ごめんね小太郎おにいちゃん」


 謝りつつも、無未は小太郎の頭をギュッと抱き締め続ける。


 離したくない。ずっとこうしていたい。自分だけを見てほしい。

 けれどそれは叶わない。少なくとも容易でないことはわかっていた。


「わたし小太郎おにいちゃんのことが大好きっ! 諦めないっ! 絶対に諦めたりなんかしないからっ!」


 そう。絶対に諦めない。

 この叫びは最強の恋敵を絶対に倒すという無未の決意表明であった。


「無未ちゃん……うん?」


 と、そのとき小太郎が小さく声を上げる。


「えっ? どうしたの?」

「な、なんか……その、た、谷間のところになにか見えるような……はふっ」


 見下ろすと、胸に挟まれて蕩けた表情の小太郎と、谷間の隠れた部分になにやら見たことも無い文字のようなものがあった。


「おっぱい……無未ちゃんのおっぱい……」

「小太郎おにいちゃん、もしかしてこれが異世界の数字じゃないの?」

「は……えっ? あ……これはえっと……うん。2……異世界の2だね。あう……」

「2? 2ってどういう意味なの?」

「それは……おっぱいは2つってことで……いや違くて。柔らかい。あ、だめだ。こうしてるとおっぱいのことばかり考えちゃう……」


 そう言って離れようとする小太郎を逃がさず、ふたたび強く胸へ抱き締める。


「おふっ、な、無未ちゃん?」

「じゃあ今はおっぱいのことだけ考えてていいよ。わたしの胸の中で、わたしのおっぱいのことだけ考えてて」

「えっ? あ、いやそれは……」

「小太郎おにいちゃん……」


 ぎゅーっと胸に抱く。


 こうしているとき、小太郎は自分のことだけを考えてくれる。

 だから小太郎を胸に抱いているときは至福で、今だけは小太郎を自分のものにできていると感じられて無未はしあわせだった。


 ……


 【巨乳】グラビアアイドル椿遊杏ちゃんを愛でるスレ:779【天使】


 1名無しのファン


 こちらはグラビアアイドル椿遊杏ちゃんを愛でて応援するスレです。


 誹謗中傷などはご遠慮ください。


 荒しはスルーお願いします。



 376名無しのファン


 椿ちゃんが長期休養ってマジ?どうしたん?



 377名無しのファン


 事務所の発表には理由が無かったな。トトッターで本人の呟きとかも無いし、どうしたのかはぜんぜんわからん



 378名無しのファン


 妊娠したんでしょ。そんで出産まで休業



 379名無しのファン


 >>378


 ちげーよバーカ



 380名無しのファン


 >>379


 顔真っ赤www涙吹けよwww



 381名無しのファン


 でも理由を発表しないの変だよな。真実は言えなくても、海外留学とか病気療養とか言っとけば変な憶測とかは減るのに



 382名無しのファン


 昼間の生番組もドタキャンしたし、なんかいきなり姿を消したって感じ



 383名無しのファン


 まさか誘拐?



 384名無しのファン


 無い無い。だったら長期休養なんて発表は変だよ。すでに警察に通報しているとして、もしかしたらすぐに事件が解決するかもしれないのにさ。それに今どき誘拐事件なんて起こるか?しかも有名人の誘拐なんてリスク高過ぎるし



 385名無しのファン


 じゃあ失踪とか?



 386名無しのファン


 あれだけの人気アイドルが失踪なんてするか?超高級マンションの最上階に住んでるって噂だし、それを残していなくなるとかありえんでしょ



 387名無しのファン


 殺されたとか



 388名無しのファン


 それなら報道あるだろ



 388名無しのファン


 難病とかにかかったのかも。このまま引退もありそう



 389名無しのファン


 椿ちゃん引退はつらい……。あれほどの人気タレントが引退は社会的損失だろう



 390名無しのファン


 バラエティ、ドラマ、CMにもたくさん出てたからな。椿ちゃんが引退ってなったらテレビ見る人が減りそう



 391名無しのファン


 それはさすがに大袈裟だろ



 392名無しのファン


 椿ちゃんが出てたジョー松のCM好きだったな。見れなくなったのは残念



 393名無しのファン


 そういや捕まったジョー松の社長と専務らしき2人をどっかのホテルで見たって、トトッターで言ってる奴いたけど、保釈されたんかな?



 394名無しのファン


 されるわけないだろ。やったことほとんど殺人だぞ。裁判所が保釈を認めるわけない。そもそも事件の賠償金で資産はすっからかんって聞いたし、保釈金なんか払えるわけないだろ



 395名無しのファン


 じゃあ見間違いかデマか



 396名無しのファン


 仮に保釈なんてされたら海外に逃げそう

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