その97 システムコードの書き換え
―――あとは同じ様にやればいいのじゃ。説明は終わりじゃ。これ以上分かり易い説明は無理なのじゃ」
黒猫はいつもの頓珍漢な説明をして話を終わらす。
ついでに盗むのを教えるという名目で黒猫は射場ザキから回復アイテムをちゃっかり盗んでいた。
やり方が意味不明な上に、黒猫の説明の仕方が悪過ぎるため普通なら呆れられるか、怒らせるか、無視されるかの反応をされる。
だがしかし、前にいる2人は違った。黒猫の説明を聞き驚愕の表情を露にしていた。
「……おい……ちょっと待て……今なんてった?そりゃシステムコードの書き換えだぞ?」
「まさかゲバラさんと同じ事がお前なんかに?あ……有り得ねぇ……ちちち、まさかゲバラさんがここに来た理由って、そういう事か」
黒猫が行った事を2人は理解したのだ。
「うむ?分かったのか?」
黒猫は今までにない2人の反応にキョトンとした表情になる。
「普通専用ツールでも使わない限り、同じ様なシステムコードが羅列する膨大な情報の中からそんなに早く狙ったシステムコードの位置は分からない筈だ。しかもここはゲームの中。限られた機能しか使えない。普通は干渉出来ねぇ上に、スーパーコンピュータでも脳ミソに搭載してなきゃ不可能な芸当をお前はやってんだ」
リョウケンは普通の人間では有り得ない要素を一つ一つ例に上げて指摘する。
「わたしゃ天才じゃからの!」
褒められてると勘違いした黒猫は得意気な顔をするが、そんな黒猫に対して2人は懐疑的な顔をする。
「馬鹿丸出しのコイツにそんな事出来ると思いますか?リョウケンさん」
「ちちち、バカと天才は紙一重って言うが、その域を超えてる。有り得ねぇ。だがやってのけてるのは事実だ。ちちち、どういうカラクリかは分からねぇがコイツを使わねぇ手はねぇな。他にそれで何が出来る新入り?オリジナルアイテムを作ったり、相手を一方的に消したりは出来ねぇのか?」
「うむ?わたしゃは近付いた相手にしかこれは出来ぬのじゃ。0から何か生み出すとか、相手を消すとか難しい事は出来ぬ。じゃから悪用は出来ぬのじゃ。残念じゃったの!ぬはははは!」
勝ち誇った顔で黒猫は腕を組んで高らかに笑う。
「盗むのが既に悪用だろうが。何言ってんだお前?」
「特異スキルって訳じゃねぇのにアイテムを盗めるって事だけ出来るのか。ちちち、ますます理屈が分からねぇが、まぁそれで十分なんだよ。この世界じゃあな」
リョウケンはニヤリと笑い黒猫を利用しようと思考を巡らす。




