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その79 メンバーアドレスが増えました

「でよ!その後ギルド会議で逆にシノ影が召喚されたんだよ!笑っちまうよな!俺はもう吹くの我慢して見てたんだ!あの顔、今思い出しても、ぷっはははは!」


 腹を抱えて思い出し笑いをするレウガルは凄くご機嫌そうだった。


「あはははははははは!まさかその人も自分がギルド会議に召喚させられるとは思わなかったんだろうね!あははははは!ところでギルド会議って何?」


 ライコもレウガルと同じ様に机を叩いて爆笑しているが、何が何だか分からないまま笑っていた様で、ギルド会議が何なのかも理解していなかった。


「……それでよく俺と同じテンションで笑えたな。こえーよ。水ぶっ掛けられた気分だわ。ありがとな」


「どういたしまして ♪ 」


「ライコさんライコさん。多分それ皮肉。というか、やっぱり猫さんと同種だこの人」


 コノルはライコの自由奔放さが黒猫と似た所があり、改めて類は友を呼ぶと言う言葉を痛感する。


「にしてもここのつけ麺美味しいね ♪ 」


「つけ麺じゃねー。パスタだよ。パスタに何につけて食ってんだお前は?ギルド会議はもう興味無しか」


「まぁ良いじゃない ♪ 美味しいんだもん ♪ すいませーん!つけ麺と、このよく分かんないスープおかわりー!」


「だもんじゃねー!聞けよ!」


 自由だなぁ……猫さんの妹みたい。


 ライコはウェイトレスに笑顔でメニューに無いつけ麺をおかわりしながらニコニコ顔でパスタを赤いコーンスープに浸けて食べる。


 そんなライコにレウガルはプンプンと憤慨して怒鳴り、コノルは呑気な顔で姉妹関係の様子を想像していた。


「姉かな。いや妹?……いや兄妹だとしたら……ピンとこない。うん。双子だね」


 黒猫とライコ、どっちが年上か考えたが、双子のがしっくりくるビジョンが見え、コノルは思わずその感想を零す。


「何がだよ?」


 唐突に関係ないワードを口走るコノルに呆れ顔を向けるレウガル。


「私とピンクちゃんが双子って事?ならコノルンも入れて三つ子だね ♪ 盃を交わそー ♪ 」


 謎解釈をして、ライコは頼んでいたジュースを空高く掲げる。


「あ、いいね!やろーやろー!2人共カンパーイ!」


 そんなライコに意味も無く賛同し、コノルもノリノリでジュースを掲げる。


「桃園かよ。やなこった。ジュースで誓う兄弟の契りってなんだよ」


 三国志の桃園の誓いみたいだと思いつつ、レウガルは呆れ顔のまま断わる。


「とうえんかよ?陶芸家って事?」


 元ネタを知らないとこうなる。


「知らねーで言ってたのかよ」


「そりゃレウガルちゃん。皆が皆三国志を知ってる訳じゃないよ」


「お前は知ってんのかよ」


「いえーい ♪ 陶芸の契りサイコー ♪ 」


 混ざった。


「だから陶芸じゃねー!話を聞け!もう原型なくなってんだよ!陶芸の契りって何だ!」


「と、そろそろ行くね。レイドボスの討伐しに行かないと」


「……最後まで話を聞かねーのな。もう早く何処にでも行けよ自由人」


 相手にするのが疲れた様子でレウガルはライコに手を振る。


「じゃねー ♪ あっ!今フレンド申請したよ!同時にメンバーアドレスも送ったから何時でも呼んでね ♪」


 そう言って手を振りながらライコはポータルがある場所へと向かって走っていった。


 レウガルとコノルはそんなライコに手を振って見送ると、ライコをフレンド登録してメンバーアドレスを確認する。


 因みにメンバーアドレスとはフレンド登録を行った際に手に入れられるメールの送り先の事。


 フレンド登録してないとメンバーアドバイスは手に入らない上に、フレンド登録してない相手のメンバーアドバイスは使えない仕様なのだ。ギルドメンバー相手も然り。


「いつも交換し忘れるから助かるなぁ。初の2人目ゲット。これで連絡相手が増えた。そうだ!今の内にレウガルちゃんも!」


「まぁ信用出来る奴のメンバーアドレスは多いに越したことはないからな。ってお前、俺の知らなかったのかよ。ほれ送ったぞ」


「激レアガチャに勝った気分!大切に愛でるね!」


 コノルは目を輝かせながらレウガルのメンバーアドレスを興奮した様子で眺めていた。


「そこまでいくとキモイわ。俺もそろそろ情報屋の仕事があるから行くぜ。あの自由人(ライコ)と違って俺は呼ばれてもあんまり答えらんねーけどな。じゃあなコノル。あのバカ(黒猫)にもよろしく言っといてくれ」


「またねー!凄く楽しかったよー!レウガルちゃーん!」


 手を振り見送ると、レウガルも手を振り返してポータルへと向かっていった。


「さて……私はどうしようかな?猫さんもいないし、お金稼ぎでもして、猫さんが出てきたら、うんと美味しいもの食べさせてあげようかな」


 そう独り言を呟いてコノルは1界の街の中を歩いてお金を稼ぐ為に掲示板を探すのだった。



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