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仮想世界は楽しむ所なのじゃ  作者: 灰色野良猫
チュートリアル
62/231

その62 特異スキル3つ持ちの神人ライコ

 

 バグ連撃を浴びせ、麻痺で動けないシャドーを放置してライコは黒猫に顔を向ける。


「えへへ ♪ 久しぶりだね ♪ カッコよかったたでしょー私?」


 そして得意気な顔をして、黒猫に近づいてくるライコ。


「久しぶりなのじゃライコお〜。それにしても相変わらず変な動きじゃの〜」


 助けてもらっておいて失礼な事を言いながら黒猫もライコの側へと歩み寄る。


「酷いや!珍獣ちゃんよりまともだもんっ!というか珍獣ちゃんの真似してるから実質珍獣ちゃんが変なの。うん。変なのじゃおぬし」


 ライコは黒猫にビシッ!と人差し指を向ける。


「酷いのじゃ」


 ライコの言葉に豆粒並みのショックを受ける黒猫。


「ふふふ ♪ 」


 ライコはそんな黒猫の反応に、懐かしさを感じて凄く嬉しそうにする。


 積もる話もある。しかし、シャドーは未だに麻痺状態になって動きを封じられているとはいえ、それ程長く麻痺状態である訳は無い。いずれ麻痺は解かれる。


 ライコは黒猫との会話を弾ませたい気持ちを抑えながら、シャドーが麻痺している隙にメニューを開いて攻撃スキルを一新する。


 今の攻撃スキルでは、次に【半神聖命】のバグ連撃を使ってしまうと、SGが0なのでRTの影響を諸に受けてしまう。


 なので、再びSGが溜まるまでRTの時間が少ない攻撃スキルに一新したのだ。溜まれば再びあの連撃が行える。それまでの繋ぎといった所だ。


 無論【半神聖命】の本来の効果であるRT半減があるので、一新したライコの攻撃スキルはRTの時間が無いに等しい状態だ。つまり攻撃スキルを打っても隙が限りなく少ない。


 連撃が無くてもチート級の力を発揮し続ける特異スキル3つを持つ神人。それがライコである。


 そんなライコは装備を整えると、黒猫を見つめていた。


「何見てるのじゃ?」


 黒猫は首を傾げる。


「いやー、あの両刀、今回は貸してくれないのかなー?って思っただけ。持ち手の上と下に赤くて黒い刃が付いてるやつ」


「【貳と無(ふたつとなし)】の事かの?あれは、今使えばお主は弱体化するのじゃが良いのかの?」


「ななな、なんだってー!話が違うよ珍獣ちゃん!」


「知らんのじゃ。あれが無くてもお主ならば余裕じゃろうが。じゃないのじゃ!倒したら駄目なのじゃった!あやつは爆発するのじゃライコ!」


 唐突に衝撃の事実を伝える黒猫。


 黒猫がこんなバカな事を行った理由である。


「ええええ!?爆発って!また何したの珍獣ちゃん!」


 その黒猫の衝撃発言にライコは驚きつつ黒猫に疑いの目を向ける。


「今回もわたしゃじゃないのじゃ!別の奴なのじゃ!」


 何でもかんでも自分のせいにしないでもらいたいと言わんばかりに憤慨しながら反論する黒猫。


「別の奴かー。別の奴なら仕方ないね。そんな事より、噂には聞いてたけど、珍獣ちゃんの今の姿可愛いね?どしたのそれ?」


 唐突に冷静になり、黒猫の雑な説明で納得するライコ。今のライコにとって、シャドーの爆発より黒猫の容姿の方が気になるらしい。


そんなライコは黒猫に人差し指を向けながら聞いてくる。


「相変わらず話をバッサリ切るの。わたしゃの姿はどうでもいいのじゃ。それより爆発はどうするのか考えるのじゃ。わたしゃ1人だけで解決するつもりじゃったのに……お主のせいで台無しなのじゃ!責任を取るのじゃライコおおおお!」


「助けたのに酷いや。倒したら駄目なの?」


「あの黒いのは本体の分身なのじゃが、その本体が倒されても、あの黒い分身が倒されても爆発するのじゃ。広範囲一撃死判定とされていたのじゃ。また誰かコードを変えた痕跡……というより、別のコードを変えて影響を受けたが正しいかの?とにかくコードの変更があったのじゃ。幸いにもコヤツだけなのが救いじゃな」


「エグいね。コードの変更は100界の隠しボスの時と同じかー。そうだ!私が倒すから、私が爆発でダウンしたら珍獣ちゃんが蘇生させてよ!私ナイスアイデーア!」


 ライコは手を叩いて、閃を得意気話す。


「アリじゃが、もっと良い手段があるのじゃ。ライコよ。今のレベルは?」


「89」


「何故レベル100以上じゃないのじゃ!折角の良い手段が台無しなのじゃ!」


 ライコのレベルが100前提の作戦を立てようとして失敗し、地団駄を踏む黒猫。


「えぇ〜知らないよ〜。私が倒す!珍獣ちゃんが蘇生!それで行くよ!ヨロシクっ!」


 簡潔かつ分かりやすい作戦を唱えてライコは親指を立てる。


「仕方ないのじゃ。くれぐれも無茶はしないで欲しいのじゃ。他の人を巻き込むとコノルが悲しむからの」


「死ぬリスクが既に無茶だよね ♪ それに私は巻き込まれに行ってるだけだし心配しないで ♪ それより倒す直前まで珍獣ちゃんは一緒に戦わないの?」


 疑問に思っているライコに向かって黒猫は自分のステータスを表示する。


「うっわぁ……」


 ステータスのあまりの酷さに露骨にドン引くライコ。


「泣ける反応じゃな。ではわたしゃは爆発がギリギリ届かない位置へと避難するのじゃ。後は任せたのじゃライコ」


「おっけー相棒 ♪ ちゃんと蘇生してね ♪ 終わったら一杯話をしよう ♪」


「ぬはは。分かったのじゃ。コノルも紹介するのじゃ」


「やったね ♪ 必ずだよ ♪ 」


 そう言って黒猫はライコと離れて森の中へと姿を消し、ライコは剣を構えながら、麻痺を解いて近付いてくるシャドー相手に不敵な笑みを浮かべた。


「……あの姫ちゃんの紹介が掛かってるんだ。手加減はしないよ。さぁ、遊ぼうかワンちゃん」


ライコは黒猫の過去を知る数少ない一人


実は黒猫の持ってるアイテムの中には、黒猫が使えないチート武器や装備が溢れかえってる。

全部黒猫しか扱えないけど

全部使えないという( ᐛ )草ー

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